転がるお前に『苔』は生えない

Inner Circle

Heavyweight Dub + Killer Dub (2 LP) (Ltd. Edition 180 Gram Vinyl)

Simply Vinyl UK /Blood & Fire 1999

Record date : 1978

Playlist :
Copper Bullet
Fidel At The Control
General Amin
Frelimo
Down Rhodesia
Bad Reputation
Peace Time Now
Too Much War
Unemployment Rock
Massacre
Release Dub
Careless Dub
Dread At The Control
Meditation Rock
Rock For Ever
Shaky Dub
All Babylonians
Killer Dub
Addis Ababa Rock

Engineer : Prince Jammy & Maxie

Backing Band : Fatman Riddim Section
Drums : Calvin McKenzie & Sly
Bass : Ian Lewis
Rhythm Guitar : Roger Lewis
Lead Guitar : Earl Chinna Smith
Guitar : Charles Farquharson
Keyboards : Charles Farquharson & Bernard Touter Harvey
Percussions : Sky Juice

Studios :
Recording : Channel One (Kingston, JA)
Mixing : Channel One (Kingston, JA) & King Tubby's (Kingston, JA)



Jacob Miller といえば、August Pablo 制作による名曲

"Baby I Love So" が有名だし、
(_Who Say Jah No Dread_ (Rockers Productions / Greensleeves, GRELCD166,CD, 1974-5/1992) 所収)

Inner Circle といえば Jacob Miller亡き後

欧米メジャーを通して売り出された pop reggae 化してからの方が有名だとは思うが。

Jacob Miller 在籍時の Inner Circle が1977年に Top Rankingに残した2枚のdub 盤が

2 on 1でCD化されている。


Channel One な音作りの _Heavyweight Dub_、

King Tubby 門下の Prince Jammyによる _Killer Dub_ の

いずれも、dub 第二世代というか dancehall reggae前夜を思わせる、垢抜けたクリアな音作りになっている。

特に、クリアーなエコーが聴いた高音のパーカッションのカンカンコンコンいう音が印象的な作りなのだが、

こういう音は、1970年代半ば頃まではあまり無かったように思う。

元ネタとなっている Jacob Miller & Inner Circle の曲のポップさも生きているように思う。

気持ち良く楽しめるダブ盤だ。



ちなみに、この2枚のダブ盤の元となる歌入りのトラックは、

Jacob Miller, _Wanted_(Top Ranking, 1977) と

Jacob Miller, _Killer Miller_ (Top Ranking, 1977)

から主に取られているのだが。







転がるお前に『苔』は生えない

Jacob Miller

「Jacob 'Killer' Miller」 Top Ranking  1977

Playlist :
Forward Ever
I Shall Be Released
80,000 Careless Ethiopians
Shaky Girl
Big Stripe (To Lock Up Rasta-Fari)
Killer Miller
Land Called Home
Mrs. Brown
City Of The Weak Heart
Lambs Bread Collie

Vocals : Jacob Miller
Drums : Sly Dunbar
Bass : Robbie Shakespeare
Guitar : Roger Lewis & Ian Lewis & Chinna
Keyboards : Touter Harvey & Horsemouth Wallace
Percussions : Sky Juice & Sticky



転がるお前に『苔』は生えない

Jacob Miller

「Wanted」 Top Ranking  1978

Playlist :
Silver & Gold
I've Got The Handle
Standing Firm
Healing Of The Nation
Wanted
Sinners
Ital Light
Peace Treaty Special
Bionic Skank

Engineer : Sylvan Morris & Maxie

Vocals : Jacob Miller
Drums : Calvin McKenzie
Bass : Ian Lewis
Lead Guitar : Chinna
Rhythm Guitar : Roger Lewis
Keyboards : Touter Harvey & Charles Farquharson
Saxophone : Jah Devon

Studios :
Recording : Channel One (Kingston, JA) & Harry J (Kingston, JA)




そんな話




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インナー・サークルは70年代初期にジャマイカで結成された当初、

ホテルの"ハコバン"として活動していた。

イアンとロジャーのルイス兄弟を中心に何度かメンバーが入れ替わり、

シンガーにジェイコブ・ミラーを迎えてから

バンドとして再度商業的に開花することとなったのである。


ミラーはインナー・サークル加入前に、

すでに天才少年シンガーとしてならし、

「Tenement Yard」

「Forward Jah Jah Children」など

後年に残るルーツ・クラシックを生み出していた。


76年には大手の<キャピトル・レコード>と契約を交わし、

『Reggae Thing』

『Ready For The World』の2枚のアルバムをレコーディング。

あっという間にトップ・スターへの階段を駆けのぼり、

一時ジャマイカにおけるミラーの人気は、あのボブ・マーリィをしのぐ勢いだった。


さらに<アイランド・レコード>からリリースしたアルバム『Everything Is Great』で

遅ればせながら世界にその名を知らしめ、タイトル・トラックを大ヒットさせることに成功。

ディスコっぽい曲調がヨーロッパでの人気に火を点け、

折からのニューエイジ・ミュージック・ブームも相まって彼らの地位は不動のものとなった。


しかし、80年3月、突然彼らを不幸が襲った。

ミラーが交通事故で不慮の死を遂げたのだ。

バンドは一時解散状態となったものの、

87年にシンガーにカールトン・コフェイを迎え、アルバム『One Way』をレコーディング。

新メンバーで体制を整えたバンドは<WEA/Metronome>と契約し、

人気ドラマ『Cops』のテーマ・ソングにもなったシングル「Bad Boys」で世界的に大ブレイクした。




ブログ・テーマ 「盤」を躍起になって増やしている今日この頃、

まだまだ30そこそこか・・・・もっともっと増やしたいね。


いけない、またレゲエ盤を書いてしまった。

テーマ数200超えているから、もういいって言ってんのに・・・
転がるお前に『苔』は生えない

Tortoise

「TNT」 1998

TNT
Swung from the Gutters
Ten-Day Interval
I Set My Face to the Hillside
Equator
Simple Way to Go Faster Than Light That Does Not Work
Suspension Bridge at Iguazu Falls
Four-Day Interval
In Sarah, Mencken, Christ, and Beethoven There Were Women and Men
Almost Always Is Nearly Enough
Jetty
Everglade


トータスはガスター・デル・ソル、レッド・クレイオラ、シー&ケイクなど

今では伝説的でさえあるグループに所属していた、ジョン・マッケンタイアを中心に90年に結成。

シカゴのスリル・ジョッキーレーベルから94年にファースト・アルバム『トータス』をリリースした。

音のつくりはトランステクノのような繊細なアプローチであったり、

ロック、ジャズ、ミニマム・ミュージックであったり、

ともかくマルチ・インストゥル・メンタル・バンドとして”器用な”イメージがつきそうなことをやっている。

が、音楽的バックグラウンドによるばらつきが一切なく、

1つのジャンルとしてトータスというバンドと向き合ってしまえることに、驚きを感じてしまうのが結果だった。

その後のセカンド『ミリオンズ~』にしても『トータス・ミックスド』にしても、

彼らには妥協ない先鋭的なプロダクトがあるものの、

全ての出来上がりがまろやかでいて昔からあったような懐かしみさえ感じてしまうのだ。


「TNT」 98年作品。


音楽の細かなつくり、楽曲に対する徹底的なアプローチとは全く裏腹に、


イージーリスニングな作品を生み出すことができるトータスの大傑作アルバム。


その中心人物ジョン・マッケンタイア(ds)は”シカゴ音響派”という言葉を世界に認知させ、


音に存在感を持たせるという偉業を成し遂げた。


その後、ステレオラブのプロデューサーやブラーのリミキサーとしてジョンは活躍。


そこで培われたハードディスク・レコーディング&編集を全面に導入したこのアルバムは


ProTools(DTMソフト)の使い方を覚えながら制作された。


アルバムタイトル曲でもあるTNT、味わい深いマイルドなギターが特徴的な心地よいバンド・アンサンブル。


ロックの「新たな兆し」を予感させるこのアルバムの序章に相応しい曲。


Swung from the gutters I set my face to the hillsideは怪しい雰囲気、


この辺りからどんどん情報量が増えていきます。


木琴などの打楽器、1人以上のドラムと電子音、さらに怪しい雰囲気を醸しだすギター、メ


ロディーを奏でるベース、全身に響くシンセなど、とにかく情報量が多いのだけれども、


うるさく聴こえずにその全ての要素が絶妙な感覚でブレンドされています。


スティーブ・ライヒの影響の下、木琴のミニマリズムから産まれる


極上のハーモニーを堪能できるTen-day intervalFour-day interval


TNTを形成する二曲はアルバムの序盤と後半のインターバルとして、とてつもない輝きを放っている。


ポスト・ロックを聴いたことがない、非ロックリスナーにも聴いてみてほしい曲。


バンド・サウンドからなるミニマルなリズムが気持ちいい


In sarah,Mencken,Christ, and Beethoven there were women and menなどは、


ダンス・ミュージックとは違ったグルーヴ感を味わえます。


ヴォーカルや秒刻みで大袈裟に変化するようなメロディーがない分、


音響空間にどっぷり浸かることができます。


このアルバムでハードディスク・レコディーングを


全編に導入したことが最も評価されている点だと思いますが、


そのプロダクション以前に、この年以降たくさん現れるインストのポスト・ロック・バンドと


トータスが一線を引くところは、どの曲にもトータス独特の世界観が保たれていて、


どれも違った味わいを存分に堪能できるというところかもしれません。


ポスト・ロック、いや'90年代のロックの金字塔的アルバムの一枚であり名盤




そんな話





バンド名が示すとおりがっちりとしたスタイルの外観を巧みに使いながら、


トータスはそのサウンドのエッセンスをなめらかにビートに乗せている。


彼らはずうずうしくも「TNT」(爆薬の意)というタイトルをつけた。


それが彼らがそれまでの殻を破る合図となるとでもいうように。


しかし、“爆発”からの連想にだまされてはいけない。


この略語は“タフで優しい(Tough-N-Tender)”という意味なのである。


このアルバムには、5人のシカゴ・ガイが自分たちの好きなようにやることから生まれた


粘り強く磨く上げた技術と多様な独創性が表れている。


トータスは、もっと全体的に親しみやすくアップビートに方向転換するため、


以前のリリースに見られた実験的なミニマリズムを避けた。


構造はジャズに根ざしているが、


ほとんどの曲にエレクトロニックな処理を散らしてあるのがさらなる特徴となっている。


テーマの表現は明瞭さを抑えたジャイヴなので、


ヴォーカルもリリックも必要としないし、入ってもいない。


完全に国境を越えた、国際的なまでの音楽のブレンドがもたらした、この奇妙なトリップは、


今まで味わったことがなかったにも関わらず、劇的なまでに優しい風景が広がる。


パンク/オルタナティヴ・シーンとテクノ/クラブ・シーンを絶妙に繋ぎ、


様々な音楽的なパーツやスタイルを取り込み、バンド形態をも再構築した、


真の意味でのポスト・ロックの金字塔。








転がるお前に『苔』は生えない

AC/DC

「Back in Black」 1980

Hells Bells  地獄の鐘の音
Shoot To Thrill  スリルに一撃
What Do You Do For Money Honey  危険なハニー
Givin The Dog A Bone  ロックン・ロール・ハリケーン
Let Me Put My Love Into You  欲望の天使
Back In Black  バック・イン・ブラック
You Shook Me All Night Long  狂った夜
Have A Drink On Me 死ぬまで飲もうぜ  
Shake A Leg  シェイク・レグ
Rock And Roll Ain't Noise Pollution ノイズ・ポルーション


なんだ?このだせぇ邦題は・・・かっこ良すぎる。


世界を征服しつつある矢先,ヴォーカリスト,ボン・スコットを不慮の事故で失ったAC/DCが

,新たに元ジョーディのブライアン・ジョンソンを得て活動を再開した記念すべきアルバム。

コンパス・ポイントでレコーディングを行い輪郭がより明確になった。


AC/DCはオーストラリア のシドニーで結成され、

1976年 に「ハイ・ヴォルテージ」デビューしますが、

全豪では1位を記録するも、欧米での評価は低く、

日本版のアルバム・デビューも通算5枚目の

ライブ・アルバム「ギター殺人事件・AC/DC流血ライブ(78年)」からだったと思います。

アンガス・ヤング(G)の腹にギターが突き刺さっているという

馬鹿ばかしいジャケット(今なら発売禁止かも)でしたが、

リフで押しまくる渇いたサウンドとスピード感は圧巻。

 とはいえ、とくにアメリカでの評価は散々でした。


あの「ローリング・ストーン紙」のアルバム評価では常に最低ランク(★がひとつもつかない□印)。


「彼らは聴き手を不快にさせることを目的としているか思えない」というコメントまで付いていました。


米において彼らの評価を変えさせるきっかけとなったのは、


6枚目にあたる「地獄のハイウェイ (79年)」でした。


ビル・ボードで17位を記録、本格的なアメリカ進出を果たします。


ところが、バンドが上げ潮にあった翌80年にヴォーカルのボン・スコットが急死。


酒が原因らしい。


(「Have A Drink On Me 死ぬまで飲もうぜ」 って、ボン・スコットのことを歌っているんですか?)


一時は解散説まで流れますが、


そんな不安・噂を吹き飛ばす、大傑作アルバムが、この「バック・イン・ブラック」である。

ボン・スコットの死を追悼するかのような鐘の音で幕を開ける本作は、

悲劇があったことなど微塵も感じさせない完成度の高さ。

腰の据わった縦ノリのリズム、インパクトのあるリフで攻めてくるエネルギッシュなサウンドは

後退することを知らない。

これはボン・スコットの弔いの歌としても話題性があったが、

ブライアン・ジョンソンの甲高く張り裂けるようなヴォーカルは、

半ズボンがトレードマークの「永遠のスクール・ボーイ」アンガス・ヤング&マルコム・ヤング兄弟の

ギタープレイを軸としたサウンドと見事に融合。

<Back In Black>のタメの利いた重量感のあるメロディライン、

サビの部分が耳に残る<You Shook Me All Night Long>、

ドライヴ感あふれる<Shake A Leg >など、曲のバリエーションも豊か。

曲の質感が変わることもなく、従来のノリを更に強調し、

前作以上にヘヴィメタの様式的なアルバムとなった。


 ロック音楽というのはレッド・ツェッペリン にしろディープ・パープル にしろ、

複雑な曲構成のものが多いが、

その中でも様式だけにこだわり、終始スタイルを変えることなく、ノリだけを追求したAC/DCは、

まったく希有のバンドである。

しかも彼らはそこに誇りと威厳を持ち、そのリフはロックの様式美に達している。

ギター2本とベースとドラムさえあれば、他に何もいらないという頑ななスタイル。

オーバーダビングの形跡もなく、リフを軸として、いたってシンプルに演奏している。

注目して欲しいのは、マイペースにノリを刻みつづけるドラムの音。

どこも飾らないシンプルな演奏にして、そのパワフルなビートの、なんたる人間くささとアイデンティティ。

とにかくAC/DCからは演奏者たちの人間的な温もりを感じ取ることができる。


 一般的に評価の高いジューダス・プリーストやブラック・サバスにしても、

たいていどこかの方向へ逸れるものだが、

AC/DCはまったく逸れることなく、

とくにコマーシャリズムに走ったり、メッセージ性を強調するまでもなく、

ひたすら純粋にヘヴィメタルの道をまっすぐばく進している。

ある意味これもまたロックの神髄といえる。

この神髄を体感するには、爆音で聞くに限るが・・・・

 単純明快がゆえに、あらゆる階層に受けいられ、なんと1600万枚ものビッグ・セールスを記録

 80年代の幕開け時、世間はこういう音楽を欲していた。



そんな話




AC/DC『Back in Black』

このアルバムについての批評を読むと、大抵の場合、悪口が書いてある。

ばかばかしいガキンチョ向け音楽だ、

意外性なさすぎだ、

へらへらしている、

暴力的、

独創性ゼロ、

セックスと酒のことしか考えていない、

まるでマンガだ、云々........

(盤の帯に「悲しみをブッ飛ばせ!AC/DC!!」って書いてあるけど、馬鹿っぽいし。)


もちろん、すべて当たっているが、

「What Do You Do For Money Honey」、

「You Shook Me All Night Long」、

そしてタイトル・トラックに代表されるパーティー・ロックがたいへんスバラシイのも事実。

スコットの後を継いだブライアン・ジョンソンの歌いっぷりも最高。

爆音を浴びて、気持ち良いかそうでないか、

それがロック(ハード・ロック/へヴィ・メタル)の正当な評価だと思います。