憂さ憂さうさぎ -37ページ目

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

マンションが鉄筋コンクリート造りのせいだろうか。車に比べると、

家の中は数段温かい。最低でも15度前後を下回る事はない。

今日は眠れるかも知れない。

押入れから座布団と敷布団を引っ張りだす。

適当に座布団を敷きつめて、その上に敷布団を敷く。

勿論二人分。場所は玄関前。

夜、家の一番奥にある寝室で眠るのは、まだ少々怖いのだ。

午前中仮眠したベッドから、掛け布団と毛布と枕を運び寝床作成完了。

蝋燭の入ったステンレスボールを頭側に置き、それぞれ布団に潜り

込む。勿論服は着たままで。蝋燭の明かりを眺めながら、雑談。

・・・しかしすぐ終了。

友人はもう寝かけている。残念ながら、自分はそれほど眠くない。

仕方ないので蝋燭を吹き消し、洗面台の中へ置く。

眠れるかどうかわからないけど、とりあえず、おやすみ。

普段から、あまり寝付きの良くない自分。

寝る前にいろいろな事が頭の中をめぐる。

これは、自分の寝付きが更に悪くなる一因でもあるのだが。

今日ガソリンの例に並んでいる時、横を自衛隊のトラックが何台も通過して

いった。『何か物資でも運んできてくれたのだろうか。』

その後、ガソリンを入れ終わって、炊き出しに行った時には、バナナの箱が

山積みになっていたっけ。

ああいった自衛隊のトラックを見た途端、自分のいるこの地域が “被災地”

なのだという事を、改めて実感してしまうのだ。

敷布団の下に敷いた座布団の凸凹が気になる。床の固さも。

・・・ 気にしない、気にしない ・・・ 気にしないぞ。

何度も寝がえりをうちながら、自分にあったポジションを探す。

もぞもぞごそごそするうちに、いつの間にか自分は眠ったようだ。

家に戻る道すがら、周りの家に電気がついている事に気づく。

今日から電気が使えるのかと、少々期待しながらマンションに到着。

一階の管理人室前には10人近い住人が集まっていた。

その理由を聞いてみると、この地域の電気は復旧したらしく、周りの

建物は全て電気がついているのに、このマンションだけまだなのだ

そうで。その訳は “管理人の不在”

このマンションの管理人は青葉区の市街地に住んでいるらしい。

今日は日曜で休日。

そのため、このマンションの現状況は管理人にはわからないのだ。

集まった住人達は何とか電気を復旧させようと、操作盤の扉を開けて

いる。今にもいじりそうな勢いだ。

正直、素人が操作盤をいじるのも怖いと思うが。

管理人や管理会社へ電話をかけている人達もいるが、つかまらない。

『ああ、今日は電気を諦めた方がいいな。』

部屋へ戻った。目下の課題は今日の寝場所。

この二日間で、車で寝るのは厳しいという事を思い知った。

ならば、ここで寝るしかない。

そうと決まれば、まずは明かりを用意しよう。

蝋燭はたくさんある。ここで誤解のないように、一応言っておく。

キャンプ用や、有事の時用にと買っておいたものだ。

家にあるステンレスボールの中で一番おおきなものに2cm程水を

張り、蝋燭立ごと中央へ置く。

これなら倒れても大丈夫だろう。

温かな色合いの明かりがほんのりと部屋を染める。

「たった一本の蝋燭でも、こんなに明るいんだな。」

今更ながらに蝋燭の明るさを感じた。

窓に目を向けると、周囲の家々の窓は電気の明かりで満ちている。

通りには街灯の光が連なる。

電気が復旧した街の中にあって、唯一電気のないこのマンション。

その一室に住む自分は、普段なら感じられない事を感じる事が

出来た。

今電気の明かりの下にいる人達は、はたしてこの数日の間に、同じ

事を感じた事があっただろうか。

その一方で思う事。

いくら休日だからといって、こんな状況の時に管理人にも管理会社

にも連絡すらとれないというのは、如何なものか。

マンションの管理人は、そのマンションの住人が適任だと思うので

あった。

ガソリンを入れて時間を見ると、もう炊き出しの時間だった。

車で避難所へ行き自分だけ降りる。手には二人分の器と乾燥わかめが

入ったコンビニ袋。

友人は駐車場に車を止めてから避難所へ来る事にする。



一人で炊き出しのコーナーへ行くと、昨日の食材調達係の男性が声を

かけてきた。「きのうは、ありがとうね。」

自分は 「いえいえ。」 と言いながら会釈をし、食糧をもらいに行く。

目の前には、バナナと1/4くらいの大きさに切られたリンゴ。

汁物しか頭になかった自分は、両手に器を一つずつ持っていてそれを

つかめない状態。あせる。

すると後ろから、先ほどの男性と思われる人物が来て、腕にかけていた

コンビニ袋にバナナとリンゴを入れてくれた。助かった。

汁物が入った器を両手に友人を待つ。

友人は飲み水用のペットボトルを手にやってきた。



今日も人気の少ない場所に腰かけ、器に乾燥わかめを追加する。

器の中には野菜の他、キノコや白滝それに肉の姿も見える。

『昨日より具の種類が増えたな』

と喜びつつ、『昨日、肉はダメとか言ってなかったか?』

とも思ってみたり。



食べ終えて、避難所横の水飲み場へ飲み水をもらいに行く。

友人が飲み水を汲んでいる間に、自分は発見してしまった。

美味しそうな饅頭を。

さっき炊き出しをもらいに来た時には、無かったはずの饅頭。

饅頭でいっぱいのばんじゅうが沢山積まれている。

よくみると、近所の和菓子屋のものだ。

・・・食べたい ・・・ 我慢するべきか ・・・ でもやっぱり食べたい。

一時は諦めてその場を去ろうとした。しかし・・・。

やっぱり食べたい!どうしても食べたい!

饅頭がとんでもない御馳走に思える。これを逃したら、いつまた饅頭に

ありつけるというのか!?

結局自分は貰いに行った。二人分。こっそりと、饅頭のコーナーにだけ。

係の人に、「バナナもらいましたか?」 と尋ねられたが、今の自分には

饅頭さえあればいい。バナナはさっきもらったのだ。



向こうから、水を汲み終えた友人が歩いてくる。

饅頭片手に満面の笑みで歩み寄る自分を見て、友人は大受けだ。

笑われたっていい。自分には饅頭がある。

賞味期限は今日。それを言い訳に、すぐに頬張る。



久しぶりの美味い和菓子。なんか幸せだ。











スーパーで、気休めとも思える買い物をした後、ガソリンを探しに行く

事になった。今のままでは、完全に身動きがとれなくなる。

本当にガソリンがないのだ。

点灯したままの燃料残量警告灯にびくびくする。

『頼むからどこかガソリンスタンドやっていてくれ!』

しばらく走ると、長々と続く車の列に遭遇。

並んでいる車の男性に 「これってガソリンの列ですか?」 と聞くと

険しい顔のまま 「ガソリン」 と答えてくれた。とにかくこの列に並ぼう。

しかし、最後尾までぐるりと戻って並ぶには、ガソリンが無さ過ぎる。

とりあえず途中まで裏道を引き返し、車の大行列がある大通りへ。

あとは、列に入れてくれる人がいるかどうかだ。エンジンを止めて待つ。



数台の車が目の前を過ぎて行く。厳しいかな。

その時、若い男性が列に入れてくれた。感謝だ。本当に感謝だ。

友人は 「タイミングをみてお礼を言いに行かなきゃな。」 と言う。

自分も 「お礼しに行く時、ジュースの一本でも持っていったら?」

などと言いながら同意する。



車の列は、少し進んでは止まり、止まってはまた少し進む、という事

を繰り返していた。車が止まる度にみんなエンジンを止める。

前の車が進んではエンジンをかけて少し進む。

みんな、もうガソリンがないのだ。

自分達は、ガソリンスタンドまでガソリンがもつかどうか微妙という状態で、

いざとなったら、ガソリンスタンドまで二人で車を押そうというしょぼい覚悟

までしていた。



ガソリンスタンドまで何とかガソリンはもった。

一台2,000円分までという制限つきだが、今よりは遥かに状況が

良くなる。助かった。

ガソリンを入れてもらった後脇に車を止める。

列に入れてくれた男性のもとへ友人は走って行った。



戻ってきた友人に話を聞くと、相手の男性は

「困った時はお互い様ですから。」と言ってくれたのだそうだ。

もう感謝以外の何者でもない。



これからは常に、ある程度のガソリンをいれておくように心がけよう。











ハリウッドでリメイクしてみて欲しい「日本むかしばなし」 ブログネタ:ハリウッドでリメイクしてみて欲しい「日本むかしばなし」 参加中
小さい頃、まんが日本むかしばなしを見ていました。
基本的に、日本のむかしばなしをハリウッドでつくったら、日本の
雰囲気が消えてしまいそうで、同じようなストーリーの西洋の
話的な感じになってしまいそうなのでハリウッドでつくる事自体
反対です。
強いて選ぶとしたら、『かぐや姫』 かな。
CGでも何でもガンガン使いまくって、最後は月へって感じ?
求婚した人達が、難題にたちむかうところもCG使いがいありそう。
せっかくつくるなら、和の雅やかな雰囲気も損なわないように
作ってもらいたい。