87. ある大型店の復活 | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

風呂が済んで、車で送る事にする。

今日から、SEIYU系列の大型ショッピングセンターが開店するそうだ。

地震で店内がめちゃめちゃになり、今日まで店は閉まったままだった。

そこへ友人の母親が寄るというので、一緒に行く。

さて、店の状況は・・・。

店に到着。

前面にあったアーケードはかなり崩れて無くなっており、壁面には青い

ビニールシート。

ダメージは大きかったようだ。

店内に入ると、1階の食品売り場は以前の姿を取り戻していた。

品物も、驚くほど揃っている。

他店と比較して地震後の開店が遅くなった分、かなり努力したのだろう。

本当に目を見張る程の品ぞろえだった。

カセットコンロ用のカセットGET。けっこう沢山ある。

うろうろと店内物色中。

友人が自分を呼びに来た。

友人:「ちょっとーー!きてきて!」

自分:「なに?」

友人の後をついていく。

友人はある一画で止まった。

そこを見ると5kg入りの米が20袋程あった。

値段を見る。約1500円。

そして袋の真ん中に赤い半額シール。

『一体この米達に、何が起こったんだ?』

ラベルをよく見ると、“群馬県産” と表記してある。

もしかしてこの米達は、風評被害のために、半額シールを貼られる運命

に陥ってしまったのか?

しかし、米の収穫時期は秋のはず。

もうと~~~っくの昔に収穫は終わっているのだ。

放射能の影響なんて、考える方がアホらしいと思えるくらいである。

米10kgで約1500円なんて、めったにお目にかかれない。

これはもう買うしかない。

5kgの米2袋GET

少し店内を歩いていると、友人が

「さっきの米さ、もっと買ってもいいんじゃない?」

自分も同意見。

すぐに米が置いてあった場所へ戻った。

しかし、すでに米達は全て誰かの手に渡った後だった。

『ああ、夢のような値段のお米達、自分の所にはもう来てくれないんだね。』

普段自分が食べているお米より、ずっと美味いのにずっと安いあの米達に、

自分はもう二度と出会えないだろう。

今日自分の夕食となる、弁当と総菜はしっかり確保した。