朝7時半頃目が覚めた。ぬくぬくの布団の中から出たくない。
ああそうさ、自分はみの虫と呼ばれてもかまわない。
もう少し、このささやかな幸せを味わっていたい。
しかし長くは続かなかった。
友人が布団を片付け始める。自分のささやかな幸せは奪われてしまった。
愛しい愛しい布団達、また夜に会おうね。
まだ食材が心もとないという事を考えて、今朝も炊き出しに行く事にした。
実は米も3kgあるかどうかなのだ。
避難所へ到着すると、もうほとんど配り終えているようだ。
前日の御老人に偶然出会う。ご老人は、
「早く貰ってきた方がいいよ。」と声をかけてくれた。
「はい。」と言って軽く会釈し、炊き出しの場所へと急ぐ。
他の避難所で食材が少ないため、ここの避難所に炊き出しをもらいに来る
人もいるそうだ。そのため、少ない量でもがまんしてほしいとのこと。
炊き出しを受け取ると、また人気の少ない場所へ行き、友人と二人で
冷たいコンクリートの階段に腰を下ろした。
今朝の味噌汁も豆腐だらけだ。
しかし、一人分がやけに少ない。寂しい。
いつものように乾燥わかめを放り込みかき混ぜる。
お腹は満たされないが仕方ない。
体育館横の水飲み場で、飲料水を汲んで帰ろうか。