46. 子供達の息抜き | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

水飲み場の前は幅3~4m程の通路になっている。

水飲み場の対面は一輪車置き場になっていて、両者の間の通路では

4,5人の子供達が一輪車で遊んでいた。

まだあまり慣れない様子である。

友人が水飲み場で飲用水を汲んでいた。

一人の子供が友人の後ろに突っ込む。といっても、それほど勢いよく

突っ込んだ訳ではないが。

傍で見ていた自分は、少しヒヤッとする。

その場には避難所でボランティアをしていた男性も立ち会っていた。

別の子供が、故障したらしい一輪車をその男性の所へ持っていく。

男性はにこにこと「大丈夫、なおしてあげるから。」

などと言っている。

しかし自分が心配なのは、子供達が一輪車で遊んでいるこの場所だ。

避難所横の水飲み場。

この場所に来るのは、避難所にいる人達や、この地域で飲用水が復旧

していない家の人達である。

お年寄りもいれば、少々足の不自由な人もいるだろう。中には妊婦も

いる可能性だってあるのだ。

さっき子供が突っ込んだ相手が、友人だったから怪我等なくて済んでいる。

しかしそれが、上に挙げたような相手であったなら・・・。

そう考えた時、この場所が子供達を遊ばせるのに適した場所とは、考え

づらい。

少なくとも避難している人達が頻繁に行き来する場所からは離れるべき

ではないのか。

ほんの5m程ずれるだけで、水飲み場の範囲からはずれるのだから。

大人が一緒にいて、子供が一輪車で友人にぶつかったのを見ていたなら、

そのくらいの配慮があっても良いと思うのだが。

家に戻ると、管理人室の前に何枚もの張り紙がある。

そのうちの一枚には、給水槽の水を飲んでも大丈夫という内容が記述

されていた。

明日からは、あの避難所の水飲み場へ水を汲みに行かなくても大丈夫だ。