45. 最後の炊き出し | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

7時半頃目が覚めた。ぬくぬくの布団の中から出たくない。

ああそうさ、自分はみの虫と呼ばれてもかまわない。

もう少し、このささやかな幸せを味わっていたい。

しかし長くは続かなかった。

友人が布団を片付け始める。自分のささやかな幸せは奪われてしまった。

愛しい愛しい布団達、また夜に会おうね。

まだ食材が心もとないという事を考えて、今朝も炊き出しに行く事にした。

実は米も3kgあるかどうかなのだ。

避難所へ到着すると、もうほとんど配り終えているようだ。

前日の御老人に偶然出会う。ご老人は、

「早く貰ってきた方がいいよ。」と声をかけてくれた。

「はい。」と言って軽く会釈し、炊き出しの場所へと急ぐ。

他の避難所で食材が少ないため、ここの避難所に炊き出しをもらいに来る

人もいるそうだ。そのため、少ない量でもがまんしてほしいとのこと。

炊き出しを受け取ると、また人気の少ない場所へ行き、友人と二人で

冷たいコンクリートの階段に腰を下ろした。

今朝の味噌汁も豆腐だらけだ。

しかし、一人分がやけに少ない。寂しい。

いつものように乾燥わかめを放り込みかき混ぜる。

お腹は満たされないが仕方ない。

体育館横の水飲み場で、飲料水を汲んで帰ろうか。