35. 数日ぶりの家寝 | 憂さ憂さうさぎ

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世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

マンションが鉄筋コンクリート造りのせいだろうか。車に比べると、

家の中は数段温かい。最低でも15度前後を下回る事はない。

今日は眠れるかも知れない。

押入れから座布団と敷布団を引っ張りだす。

適当に座布団を敷きつめて、その上に敷布団を敷く。

勿論二人分。場所は玄関前。

夜、家の一番奥にある寝室で眠るのは、まだ少々怖いのだ。

午前中仮眠したベッドから、掛け布団と毛布と枕を運び寝床作成完了。

蝋燭の入ったステンレスボールを頭側に置き、それぞれ布団に潜り

込む。勿論服は着たままで。蝋燭の明かりを眺めながら、雑談。

・・・しかしすぐ終了。

友人はもう寝かけている。残念ながら、自分はそれほど眠くない。

仕方ないので蝋燭を吹き消し、洗面台の中へ置く。

眠れるかどうかわからないけど、とりあえず、おやすみ。

普段から、あまり寝付きの良くない自分。

寝る前にいろいろな事が頭の中をめぐる。

これは、自分の寝付きが更に悪くなる一因でもあるのだが。

今日ガソリンの例に並んでいる時、横を自衛隊のトラックが何台も通過して

いった。『何か物資でも運んできてくれたのだろうか。』

その後、ガソリンを入れ終わって、炊き出しに行った時には、バナナの箱が

山積みになっていたっけ。

ああいった自衛隊のトラックを見た途端、自分のいるこの地域が “被災地”

なのだという事を、改めて実感してしまうのだ。

敷布団の下に敷いた座布団の凸凹が気になる。床の固さも。

・・・ 気にしない、気にしない ・・・ 気にしないぞ。

何度も寝がえりをうちながら、自分にあったポジションを探す。

もぞもぞごそごそするうちに、いつの間にか自分は眠ったようだ。