マンションが鉄筋コンクリート造りのせいだろうか。車に比べると、
家の中は数段温かい。最低でも15度前後を下回る事はない。
今日は眠れるかも知れない。
押入れから座布団と敷布団を引っ張りだす。
適当に座布団を敷きつめて、その上に敷布団を敷く。
勿論二人分。場所は玄関前。
夜、家の一番奥にある寝室で眠るのは、まだ少々怖いのだ。
午前中仮眠したベッドから、掛け布団と毛布と枕を運び寝床作成完了。
蝋燭の入ったステンレスボールを頭側に置き、それぞれ布団に潜り
込む。勿論服は着たままで。蝋燭の明かりを眺めながら、雑談。
・・・しかしすぐ終了。
友人はもう寝かけている。残念ながら、自分はそれほど眠くない。
仕方ないので蝋燭を吹き消し、洗面台の中へ置く。
眠れるかどうかわからないけど、とりあえず、おやすみ。
普段から、あまり寝付きの良くない自分。
寝る前にいろいろな事が頭の中をめぐる。
これは、自分の寝付きが更に悪くなる一因でもあるのだが。
今日ガソリンの例に並んでいる時、横を自衛隊のトラックが何台も通過して
いった。『何か物資でも運んできてくれたのだろうか。』
その後、ガソリンを入れ終わって、炊き出しに行った時には、バナナの箱が
山積みになっていたっけ。
ああいった自衛隊のトラックを見た途端、自分のいるこの地域が “被災地”
なのだという事を、改めて実感してしまうのだ。
敷布団の下に敷いた座布団の凸凹が気になる。床の固さも。
・・・ 気にしない、気にしない ・・・ 気にしないぞ。
何度も寝がえりをうちながら、自分にあったポジションを探す。
もぞもぞごそごそするうちに、いつの間にか自分は眠ったようだ。