スーパーで、気休めとも思える買い物をした後、ガソリンを探しに行く
事になった。今のままでは、完全に身動きがとれなくなる。
本当にガソリンがないのだ。
点灯したままの燃料残量警告灯にびくびくする。
『頼むからどこかガソリンスタンドやっていてくれ!』
しばらく走ると、長々と続く車の列に遭遇。
並んでいる車の男性に 「これってガソリンの列ですか?」 と聞くと
険しい顔のまま 「ガソリン」 と答えてくれた。とにかくこの列に並ぼう。
しかし、最後尾までぐるりと戻って並ぶには、ガソリンが無さ過ぎる。
とりあえず途中まで裏道を引き返し、車の大行列がある大通りへ。
あとは、列に入れてくれる人がいるかどうかだ。エンジンを止めて待つ。
数台の車が目の前を過ぎて行く。厳しいかな。
その時、若い男性が列に入れてくれた。感謝だ。本当に感謝だ。
友人は 「タイミングをみてお礼を言いに行かなきゃな。」 と言う。
自分も 「お礼しに行く時、ジュースの一本でも持っていったら?」
などと言いながら同意する。
車の列は、少し進んでは止まり、止まってはまた少し進む、という事
を繰り返していた。車が止まる度にみんなエンジンを止める。
前の車が進んではエンジンをかけて少し進む。
みんな、もうガソリンがないのだ。
自分達は、ガソリンスタンドまでガソリンがもつかどうか微妙という状態で、
いざとなったら、ガソリンスタンドまで二人で車を押そうというしょぼい覚悟
までしていた。
ガソリンスタンドまで何とかガソリンはもった。
一台2,000円分までという制限つきだが、今よりは遥かに状況が
良くなる。助かった。
ガソリンを入れてもらった後脇に車を止める。
列に入れてくれた男性のもとへ友人は走って行った。
戻ってきた友人に話を聞くと、相手の男性は
「困った時はお互い様ですから。」と言ってくれたのだそうだ。
もう感謝以外の何者でもない。
これからは常に、ある程度のガソリンをいれておくように心がけよう。