今日も身体に感じる余震が絶え間なく続いている。
そのため、家の中で寝る気にはなれなかった。
さて今日は何処で寝ようか。やはり車かな。
家にいても特に出来る事は思いつかないし、もう車へ移動しよう。
車に乗り込み再度悩む。ここで寝ようか、それともまた昨日の駐車場に
行った方が良いのか。
少しでも安心感を得るためには、やはり昨日の駐車場だろう。
『ここに長居する理由もないな。』 ということで、早速出発。
昨日と同様、携帯の充電とラジオを聴くのは忘れない。
駐車場に着いたのはまだ9時前だった。それは子供が寝る時間。
しかし自分達にはもう、とりたててやることが無い。特別会話も弾まない。
「やる事も無いし、もう寝ちゃおうか。」と言ってみる。
友人は 「もう寝るの?まだ9時前だよ。」 と笑ったが、とりあえず布団を
かぶってみた。温かい?・・・気がする・・・かな。
気温は昨日と変わらない。既に氷点下目前だ。
一応足元の隙間を毛布等でふさいではみたが、それでも少しはスースー
する。腰の周囲の隙間風は、自分をくるむように布団を引っ張る事で
ごまかした ・・・ ごまかしきれていないけど。
頭の下には部屋着を丸めてつっこみ、まくら代わりとする。
とにかく、寝る努力あるのみ!
自分の瞼が力んでいるのに気づいては、力を抜いてみる。
頭の中を空っぽにする努力もしてみる。寝ろ!自分。
ずっと何かの音が聞こえる。自分の頭の中ではない。勿論この車でもない。
『うるさいなぁ』 周りに視線を走らせた。
自分の車の少し後ろに白い車がぼやけて見える。エンジン点けっぱなしだ。
『そちらは随分温かそうなことで。』
こっちは同じ事をしたくても、ガソリンがないのだ。
『頼む、うるさいから、もう少し離れた所に駐車してくれ。』
このだだっ広い駐車場で、なにもこんな近くに駐車しなくたっていいだろうと、
少々イラつきながら、再度頭から布団をかぶりなおした。
うるさい ・・・ 寒い ・・・ 眠れない。
睡魔 (スイマ) よ、頼むから襲ってきてくれ。この際バタフライでもクロール
でも何でもかまわない。
ばかな事を考え始めた自分、睡魔はそっぽを向いてしまった。
隣では、昨日と同じく友人が大きな寝息をたてている。
自分は頭を抱えながらため息をつくしかなくなった。
無情にも、空は少しづつ白み始める。
結局今日も、自分は眠れなかったのだ。