2. 始まりは・・・ | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

突然の揺れ。家中からガタガタと音が鳴り、あちらこちらで物が落ちる音。

退路を確保するために玄関のドアを開け、ドア枠にしがみついたまま動けない。

揺れが大きすぎて、自分の体を支えるためにはドアの枠にしがみついている

しか方法がないのだ。

 

いつまでたっても収まらない揺れの中、

『建物が崩れても、ここは大丈夫だろうか?』とか

『ああ、後片付けが大変だな・・・』とか、

この時点ではどうでもよいような事までが頭の中をよぎったりする。

狭い玄関の電気の明るさが不安定になり始め、ふっと消えた。停電だ。

 

ずいぶんと長い大揺れが治まり、時々くる余震のさなか、これからどうする

べきなのかを思案する。

あいにくラジオは持っていない。状況が全くわからない。ここのマンションの

住人は、下に集まり始めているようだが、自分も行くべきなのだろうか?

それとも、建物が壊れる事はなさそうだし、ここに残った方が良いのだろうか?

とにかく、正確な情報がほしい。ラジオを持っていない自分が情報を得るため

には、”避難所”か?

どのみちライフラインは途絶えているし、家の中はすっかりめちゃくちゃで、

頻繁に余震がくる中、家に留まるのは厳しいように思えた。

結局自分が出した結論は、『避難所に行く』 だった。