私は「完璧な人など、どこにもいなく、発達過程において誰もが何らかの障害は来すものであり、それが人間であり、みんな発達障害とも言えるのだからお互い様」と思っています。
発達障害の特性はすべての人が持っているものであり、その特性が濃いか薄いかだけで障害者か健常者かと人々は勝手に区別しているわけで、その障害者がかわいそうかどうかは本人が決めることであり他者が決めることではないと思っています。
実際に私の周りには「自分は発達障害に生まれてきてよかった。発達障害に生まれてきたからこそ、できることがある!こんな自分が大好きだ」と言っている人達がたくさんいます。物事をどう捉えてどう受けとめるかによって、幸せか不幸かが決まってくるわけで、障害があるから不幸だとは決して言えないのでは?
昨日、中国新聞を読んでいたら、福祉を語る会の代表・森さんが、私が思っていることと驚くほど同じことをおっしゃっていましたので、以下に、記事の紹介をさせて頂きます。
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広島市内の料亭で支配人として働きながら、障害者が作った製品を販売する手伝いを始めて20年になる。
小さな新聞記事を見て作業所を訪れたのがきっかけだった。ものづくりに対する真剣な姿勢に驚き、せっかく作った製品をもっと多くの人の手に取ってもらうにはどうすればいいのか考え始めた。
そしてこれまで、多くの作業所と関わってきた。
なかには売れ行きが芳しくない製品もある。根本的な問題は、企業と作業所の「ものづくり」に対する意識の違いにあると思っている。
企業の目標は当然ながら「お客さまニーズを満たすこと」である。一方、大半の作業所は今でも「障害者への理解」を目指しているようだ。
先日もある作業所の職員から質問を受けた。「なぜ、これは障害者が作った製品です、という売り方をしてはいけないのですか」と。
障害者が一生懸命作った製品を買ってもらい、彼らの存在価値を認めてもらいたいという職員の気持ちは十分理解できる。
しかし、「企業が一生懸命作った製品なのに、どうして買ってくれないのですか」という理屈が、世の中で通用するだろうか。
作業所は製品を販売している。まさに「商売」である。売り先を一般の消費者に広げるのであれば、企業と同じく「お客さまニーズ」が大切になってくる。「福祉」と「商売」は別の物である。
「商売」なら企業と同じ土俵に乗るしかないし、また、そうすべきではないか。
そんな視点から、私はこの10年間、作業所に「お客さまニーズ」を持ち込もうと挑戦を続けている。
現在の作業所の製品は、マーケティングなしに考案したものが多い。作ってからどう売るかを考えている。これでは売れる確率が低くなっても仕方がない。
また、企業が大量に販売するクッキーなどをまねて、同じ種類のものを多く作るケースもよくある。でも、まねても駄目だろう。こぢんまりとした作業所でこそ作ることができる商品。それは何だろう。
縁があって訪問した三重県の作業所では、使い古したネクタイ1本をリメークし、しゃれた小物バッグを作っていた。バザーで500円で売るという。
もったいない、と思った。それが亡くなった自分の父親や祖父のネクタイで作ったバッグだったら。擦り切れた風合いも思い出の一部で、大切な宝物になる。注文を受けて作れば価値ある製品を生み出せるのだ。
このように「心の奥深く食い込む製品」を、一つ一つ時間をかけて作り、値段は少々張っても売れる製品づくりを目指してはどうだろうか。
製品のニーズを探るとき、私は実際に企業などに出向いて話を聞く。その上で、どうすれば作業所で製品化できるかを考える。バレーボールのJTサンダーズの公式グッズや、ひろしまフラワーフェスティバルのキャンドルなどは、こうして生まれた。
企業と作業所をつなぐコーディネーターがもっと必要だろう。福祉現場の職員が商売を勉強するのもいい。発想を変え、企業人が福祉を学ぶ方法もある。短期間で即戦力の営業マンを養成できるかもしれない。
近年の不景気もあって、これまで頼ってきた補助金が徐々に削減されている。障害者作業所は新しい方向性を模索するしかない。
「かわいそうだから作業所製品を買ってあげる」時代は既に終わった。作業所は「自分たちは弱者」といった発想を転換し、自らの強みを探してほしい。
企業と同レベルの仕事ができるようになった作業所が、もっと企業と連携できないかと思う。企業は障害者を「福祉」の視点だけでなく、新たな「労働力」として考えてはどうだろう。
「やってあげる側」と「やってもらう側」という関係でつながるのは、もうやめにしたい。「おたがいさま」の関係を築きたい。
料亭支配人 森浩昭。62年広島市中区生まれ。広島工業大卒。東京の機械メーカー勤務を経て、広島市中区の実家の料亭で支配人を務める。08年、広島市民賞。広島県就労振興センター理事。
[中国新聞 2013年4月9日(火)]
