誰もが違うということを前提とした教育にしていこう! -30ページ目

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

私は発達障害について取材をし始めた頃、企業と福祉の意識があまりに違うことに驚きました。福祉業界の人達は(すべての人がそうとは言いませんが)障害者が作った商品を売る際に「障害のある人達が一生懸命作ったものなんです。ちょっと形やデザインはイマイチかもしれませんが、買ってください。そして、少しでも助けてやってください」とはおっしゃいませんが、何となくこういった気持ちがこちら側に伝わってくるのです。そして、障害者はかわいそうな人達だといった見方をしていて、だから助けてあげなければならないといった空気がいっぱい流れているのであります。

私は「完璧な人など、どこにもいなく、発達過程において誰もが何らかの障害は来すものであり、それが人間であり、みんな発達障害とも言えるのだからお互い様」と思っています。

発達障害の特性はすべての人が持っているものであり、その特性が濃いか薄いかだけで障害者か健常者かと人々は勝手に区別しているわけで、その障害者がかわいそうかどうかは本人が決めることであり他者が決めることではないと思っています。

実際に私の周りには「自分は発達障害に生まれてきてよかった。発達障害に生まれてきたからこそ、できることがある!こんな自分が大好きだ」と言っている人達がたくさんいます。物事をどう捉えてどう受けとめるかによって、幸せか不幸かが決まってくるわけで、障害があるから不幸だとは決して言えないのでは?

昨日、中国新聞を読んでいたら、福祉を語る会の代表・森さんが、私が思っていることと驚くほど同じことをおっしゃっていましたので、以下に、記事の紹介をさせて頂きます。
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広島市内の料亭で支配人として働きながら、障害者が作った製品を販売する手伝いを始めて20年になる。


小さな新聞記事を見て作業所を訪れたのがきっかけだった。ものづくりに対する真剣な姿勢に驚き、せっかく作った製品をもっと多くの人の手に取ってもらうにはどうすればいいのか考え始めた。

そしてこれまで、多くの作業所と関わってきた。

なかには売れ行きが芳しくない製品もある。根本的な問題は、企業と作業所の「ものづくり」に対する意識の違いにあると思っている。

企業の目標は当然ながら「お客さまニーズを満たすこと」である。一方、大半の作業所は今でも「障害者への理解」を目指しているようだ。

先日もある作業所の職員から質問を受けた。「なぜ、これは障害者が作った製品です、という売り方をしてはいけないのですか」と。

障害者が一生懸命作った製品を買ってもらい、彼らの存在価値を認めてもらいたいという職員の気持ちは十分理解できる。

しかし、「企業が一生懸命作った製品なのに、どうして買ってくれないのですか」という理屈が、世の中で通用するだろうか。

作業所は製品を販売している。まさに「商売」である。売り先を一般の消費者に広げるのであれば、企業と同じく「お客さまニーズ」が大切になってくる。「福祉」と「商売」は別の物である。

「商売」なら企業と同じ土俵に乗るしかないし、また、そうすべきではないか。

そんな視点から、私はこの10年間、作業所に「お客さまニーズ」を持ち込もうと挑戦を続けている。

現在の作業所の製品は、マーケティングなしに考案したものが多い。作ってからどう売るかを考えている。これでは売れる確率が低くなっても仕方がない。

また、企業が大量に販売するクッキーなどをまねて、同じ種類のものを多く作るケースもよくある。でも、まねても駄目だろう。こぢんまりとした作業所でこそ作ることができる商品。それは何だろう。

縁があって訪問した三重県の作業所では、使い古したネクタイ1本をリメークし、しゃれた小物バッグを作っていた。バザーで500円で売るという。

もったいない、と思った。それが亡くなった自分の父親や祖父のネクタイで作ったバッグだったら。擦り切れた風合いも思い出の一部で、大切な宝物になる。注文を受けて作れば価値ある製品を生み出せるのだ。

このように「心の奥深く食い込む製品」を、一つ一つ時間をかけて作り、値段は少々張っても売れる製品づくりを目指してはどうだろうか。

製品のニーズを探るとき、私は実際に企業などに出向いて話を聞く。その上で、どうすれば作業所で製品化できるかを考える。バレーボールのJTサンダーズの公式グッズや、ひろしまフラワーフェスティバルのキャンドルなどは、こうして生まれた。

企業と作業所をつなぐコーディネーターがもっと必要だろう。福祉現場の職員が商売を勉強するのもいい。発想を変え、企業人が福祉を学ぶ方法もある。短期間で即戦力の営業マンを養成できるかもしれない。

近年の不景気もあって、これまで頼ってきた補助金が徐々に削減されている。障害者作業所は新しい方向性を模索するしかない。

「かわいそうだから作業所製品を買ってあげる」時代は既に終わった。作業所は「自分たちは弱者」といった発想を転換し、自らの強みを探してほしい。

企業と同レベルの仕事ができるようになった作業所が、もっと企業と連携できないかと思う。企業は障害者を「福祉」の視点だけでなく、新たな「労働力」として考えてはどうだろう。

「やってあげる側」と「やってもらう側」という関係でつながるのは、もうやめにしたい。「おたがいさま」の関係を築きたい。

料亭支配人 森浩昭。62年広島市中区生まれ。広島工業大卒。東京の機械メーカー勤務を経て、広島市中区の実家の料亭で支配人を務める。08年、広島市民賞。広島県就労振興センター理事。
[中国新聞 2013年4月9日(火)]


マザーテレサは数々の名言を残しています。
どの言葉もインクルーシブ教育には欠かせないものばかりです。

今日は、どうすれば、自分とは違う人達を愛することができるかを、
マザーテレサの言葉から学んでみたいと思います。

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私たちは、この世で大きいことはできません。
小さなことを大きな愛をもって行うだけです。

平和は、笑顔からはじまります。

あなたに出会った人がみな、最高の気分になれるように、
親切と慈しみを込めて人に接しなさい。

あなたの愛が表情や眼差し、微笑み、
言葉にあらわれるようにするのです。

私は、どんな人にあっても、
まずその人の中にある、
美しいものを見るようにしています。

この人のなかで、
いちばん素晴らしいものはなんだろう?
そこから始めようとしています。

そうすると、かならず美しいところが見つかって、
私はその人を、愛することができるようになって、
それが愛のはじまりとなります。
マザー・テレサ
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「この人のなかで、いちばん素晴らしいものはなんだろう?」と
思ってその人と接するというのは、
教師にも保護者にもとても大切ですね。

特に発達障害の子ども達と接していると、
悪いところばかりが目についてしまいますが、
平均的な子ども達とは違う言動をしたとしても
どうか彼らの美しいところだけを見てやって頂ければと思います。

そうすれば、必ず、彼らは得意なところを見いだし、
それを活かして生きていくことができるようになります。
それを支え、見守るのは私達大人の役目です。

発達障害のある子ども達は
周りの大人達から誤解を受け、
そして、いつも叱られ続けながら、
常にまた怒られるんじゃないか!?と、
びくびくしながら日々を送っています。

どうか、彼らの心に寄り添うことができるように
発達障害について勉強してください。
勉強すれば、必ず、世の中が平和になりますから。

よろしくお願い致します。


先日、ご紹介した建築家・寅さんから、ディスレクシアのお子さんを持つお父さんとお母さんへのコメントがFBに届きましたのでご紹介いたします。

お父さん、お母さん

子供が苦しんでいるのと同じように、みなさんも悩んでおられることと思います。

知っていていただきたいのは、「同じ方法ではないかもしれない」ということです。

みんなと同じ方法であることが目的ではなく、子供が学んでいけることが目的ならば、どうか、柔軟に手だてを探ってください。

もちろん、保護者の方だけでは難しい事もあるかと思います。

今は、たくさんの専門機関があります。信頼できる方とつながって、子供の学びを支える方法を一緒に探してください。

みんなにできる事ができない自分を、子供は「恥ずかしい」と思っています。はずかしくてくやしくて、「困っている」と言えずにいるかもしれません。

大事な大好きな家族から、「なんで」「こんな簡単な事」というメッセージをうけとってしまうと、もっともっと言えなくなります。

本当は「助けて」と言いたいのに、言えずにごまかしたり逃げ出して1人で泣く事しかできなくなってしまいます。

どうか、「なんでこんなこともできないの」ではなく、「こうするとできるね」を与えて下さい。

理解が進んだとはいえ、まだまだ日々の中で悲しい気持ちになる場面がたくさんあります。

だからこそ、一番の味方でいたください。

みなさんにがっかりされる事が、子供は何より辛いんです。

大好きなお父さんやお母さんをがさかりさせてしまっている自分は、
なんてダメなヤツなんだと、思ってしまうんです。

子供は、「わかりたい」「勉強したい」と願っています。

「なんで」と聞かれても、彼にだってそれはわからないんです。

どうかそのことを、忘れないでいてください。

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皆さんは、ディスレクシアという言葉を聞いたことがありますか?

ディスレクシアというのは読み書き困難のことです。全然読めないわけでもなく書けないわけでもありあせんが、脳の機能障害によって、一般の人達と同じようには読んだり書いたりすることが困難になります。また、理解の仕方や学び方も違うため、一般の人達が何度も繰り返して書いたり読んだりして学ぶようなやり方では苦痛をともなってしまいます。

以下に、50歳になられたディスレクシアの建築家・寅さんが私のFBに書いてくださったコメントがありますので、ディスレクシアの子どもの心を知って頂ければと思います。

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私は、ディスレクシアという困難を抱えています。
私は、音と文字の一致の難しいタイプだと言われています。
ディスレクシアといっても、色々なタイプがあるそうです。

私は、聞く・話すという部分には何も問題がなく、むしろおしゃべりで機転の利く方だったため、「読めない」という状況は、子どもであった自分自身はもちろん、周囲にも全く理解されないものでした。

「なまけている」と言われ続け、その場を凌ぐためのいい訳は「嘘つき」と罵られてきました。

みんなが簡単にできる事が、どうがんばってもできない自分に絶望し、たくさんのことを諦めて生きてきました。

ディスレクシアであるということは、目や足の不自由な人と同じで、本人の努力ではどうしようもない部分がある事を、ぜひご理解下さい。

私たちにとって、自分にあった学び方を求める事は、わがままでもなんでもなく、眼鏡や車いすのように、当たり前に必要なものなのです。

どうかどうか、先生方の目の前にいる、たくさんのディスレクシアな子供達が、彼らに必要な学び方で授業に参加する事を、支えてください。

彼らはは子どもです。
自分の特性も、周囲の子達との違いも、自分では気づけません。
必死で、本当に必死で、先生の求める方法で学ぼうとしているはずです。

みんなと同じ方法でないといけないと、もがいているはずです。
彼らの慟哭に、どうか気づいてください。

そして彼らを、スタートラインに立たせてやってください。彼らは「方法」なしには、そこにたどりつくこともできないんです。

私は子供の頃、先生に100回書け!と言われた事も、ため息とともに遮られた事も、何度もあります。

50歳になった今も、思い出すと体が震えるほど苦しくなります。

彼らにとって、先生が何を見つけ、何を与えてくださるかというのは、とても大きいです。

今は、たくさんの方法があるとききます。
実際、自分はict機器を使うことで、ずいぶん日常生活が支えられています。

今まで願う事もかなわなかった資格試験にも、挑戦することができました。

50を過ぎた自分でさえ「学ぶ方法」が保証されれば伸びるんだと思うと、まして子ども達にとっての可能性は大きいと思います。

見てわからない困難です。

本人にも説明がつきません。

どうか、知ってください。

そして、学ぶための方法を、一緒にさがしてください。

みんなに必要でなくても、この子には必要なんだと、先生が心から思ってくださる事が、周囲の友達からの理解にも必ずつながります。

音読が困難をより大きくする子がいるということを、
音の一致が難しくても、読んでもらいながらだと、
きちんと意味が取れる子がいるということを、知って下さい。

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そして、寅さんが作ったVTRを見て、ディスレクシアの子どもの心に寄り添ってやって頂ければと思います。




「うちの子、発達障害だったんです」と泣きながら
私のところへやってくるお母さん達が後を絶ちません。
一方、「うちの子は障害者じゃない!」と
怒りを露にするお父さん達もいっぱいです。

皆さん、そんなに普通がいいですか?
そんなに普通になりたいですか?
人と違ってはいけませんか?

ひょっとして、目で見て分かる障害のある人達を
あなたは「かわいそう」だと思って生きてこられましたか?
それとも、障害は自分とはかけ離れたところにあると
思っていましたか?

「マチガイだらけの自分」というお話を
広島大学の町田宗鳳先生が書かれているので、ご紹介します。
人はみんなマトモじゃないから、
マトモになるために生きているのかもしれませんよ~!

「マチガイだらけの自分」
この地上に肉体をもって生きている者で、
完璧な人間になどになれるものは一人もいません。
ブッダやイエスですら、
人間として何かの欠点をもっていたはずです。
私たちと同じ欠点もある人間だった彼らが、
深い知恵に目覚め、それを語ってくれたからこそ、
私たち凡夫も彼らの教えを理解できるのです。
だからあなたも、そう気負いせず、
マチガイだらけの自分であることを素直に認めてください。

人間は、人生のどこかで徹底的に
自分に絶望してみる必要があります。
手も足も出ないほどの絶望の中で、人は祈ることを学びます。
まだ自分で何とか出来ると思っているうちは、甘いのです。
とはいうものの、完璧な人間にはなれなくとも、
今よりも少しはマトモな人間になろうという志は尊いものです。
その努力は、息を引き取る最後の最後まで
なされるべきものです。
しかし真剣かつ誠実に生きようとすればするほど、
自分の至らなさが目につくものです。
それが、人間の良心というものです。
良心の正体は、懺悔の心にほかなりません。
それにしても、マチガイだらけの自分も他者も許しながら、
互いに支え合って生きているところに、
人間社会の尊さも美しさもあるような気がするのですが、
そうは思いませんか。
[町田宗鳳先生の言葉]


筋ジストロフィーという病気で、気管切開のため呼吸器をして寝たきりの蔭山武史さんが作詞したCD「ソラノカナタ」が、2013年2月23日から発売になりました。

蔭山さんは入院中の闘病生活の苦しさや、筋ジストロフィーという病気で亡くなった友人を思い出しながらも、前向きに生きる詞を書いています。

この詩を聴いて、すべての人に通じる生きる希望や喜びなど、
何か光のようなものを感じてもらえればと思います。

また、蔭山さんは「難病飛行」という本も出版されています。この本は、弱い力でも操作出来る特殊なマウスを使い、パソコンを打って書かれています。


発達障害者支援会社「Kaien」社長 鈴木慶太さんのすばらしいお話が「NHK解説委員室 解説アーカイブス」に出ています。皆さん、読んでみてください。発達障害の人達の就労がなぜ困難になるのかがよく分かります。

 わたしは3年ほど前に、発達障害、強みを活かす、そして仕事をする。この3つの輪が重なる領域で、事業を展開する会社を立ち上げました。具体的には、大人の発達障害の方向けの職業訓練や企業への人材紹介。発達に凸凹があるお子さんへの基礎学力支援やお仕事体験のセッションの運営などです。


 発達障害は医療関係者や福祉関係者にすら、多様でわかりづらいと言われています。今日は、発達障害の子どもを持つ一人の親として、また発達障害に関する事業をゼロから立ち上げた職業人として、発達障害と現代の社会、特に雇用の問題について、論じていきたいと思います。

 そもそも発達障害とは何なのか?簡単に言うと脳の働きの違いです。男性と女性の脳が違うのと同じように、発達障害の人たちはそれ以外の、いわゆる健常者の脳と、若干ですが違う作り、働きをしていると思われています。この違いによって、客観的に物事を見ることが苦手で空気がよめないと言われてしまったり、臨機応変に対応することが難しくてドン臭いと言われたり、常に否定的に物事を考えて暗いと言われてしまったり、しています。

 発達障害の特性が弱みとして出るのが、コミュニケーションの場面です。現代日本の職場環境では、上司や同僚、あるいはお客様の気持ちや立場を考えながら、その場に相応しい発言、行動を瞬時にしていく能力が強く求められます。

 これは当社がまとめた職場での発達障害の弱みリストです。すべての方がこういった弱みがあるわけではないですが、同時に仕事をすすめるのが苦手、優先順位がなかなかつけられない、新しい人や環境に臨機応変に対応や適応が出来ない、などが上げられます。

 発達障害の人たちは人口の2%とも6%とも言われ、十数年前の10倍ぐらいになったという人もいます。しかし、私は発達障害の人たちが増えたわけではなく、世の中が大きく急速に変容したために、発達障害の特性を持った人たちがあらわになってきたのだと思います。別の言い方をすると、社会が高速化し、ルールが多様になり、ものからサービスへの経済に変化する中で、取り残されてしまっているともいえます。今の日本の職場は発達障害の人たちに苦手な要素の塊になってしまっているわけです。

 ただ、こうした「弱み」としか捉えられない特性が、環境によっては「強み」にもなることを示した会社がデンマークにあります。デンマークのあるIT企業は、発達障害の人の、ルール通りに行う真面目さ、嘘をつきにくい特性、を活用して、ソフトウェアのバグ探し、つまり間違え探しを事業として行なっています。

 この逆転の発想を頭に入れた上で、先ほどのリストを見てみましょう。すると、職場における発達障害の弱みとして紹介した点は、実は職種によっては、一つのことに集中できる力だったり、ルールや指示をきちんと守る生真面目さだったり、丁寧慎重に作業をする力だったり、というようにプラスに活かせる事がわかります。

 発達障害の特性が変わりにくいパズルのピースならば、そのピースを無理やり合わない職場に当てはめるのではなく、会う職場を探していけばよいというアプローチです。ピースがハマる職種は、作業手順がはっきり見える下流工程・後工程の作業というのも最近分かって来ました。そこで当社では、職場に近い環境を設定した職業訓練を行い、個々人が、特性の弱みではなく強みを活かせる仕事を探していっています。極端な言い方になりますが、障害者として配慮を求めるのではなく、強みを活かせる戦力として企業にアピールしていくことを目指しています。

 具体例として、日本でこの特性を上手に活用し、成功している2つの職場をご紹介します。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービスの会社が、障がい者の方々が最大限能力を活かして働けるように立ち上げた会社です。およそ半年間で20人以上の発達障害者を雇い、多くは人事、総務関連の業務で、各種申請内容の確認やデータ管理をしています。また社内外で収集した情報、アンケート資料、社内業務書類などの紙データのデータベース化といった業務もあり、数値的な分析が優れた人は端末およびWebを使用したコンテンツのチェックといった仕事も任されています。仕事の堅実さと質の高さが認められ、開設後半年で関連会社から様々な仕事が任されるまでに頼られる存在になってきています。

 もう1社はアパレル・飲食・生活雑貨などの多様なブランドを扱う会社の事例です。こちらでは、社内のイントラネットの管理をしたり、画像編集ソフトを使って商品の写真を加工したり、社内のセミナーの内容を文字起こししてまとめる作業を、発達障害の人たちが行なっています。ここでも10人以上のスタッフに、請け負えないほどの業務が依頼されるほど、社内での評価が高まってきているといいます。

 こうした事例を見ると、職場においてなにか特別な配慮や環境整備が必要と思われる方もいるかも知れません。障害者を受け入れるには医療や福祉の専門性が必要ではないかという懸念です。しかし発達障害に限っては、いつもではありませんが、福祉よりもビジネスの考え方が有効であることが多いのです。

 発達障害の人たちには、数十年も前から王道といえる支援法があります。それは、見える化、構造化、目的・目標の明確化です。実はこうした支援技術は福祉の専売特許ではありません。ビジネスでは当たり前のように行わないといけない部分です。というのも、営利の世界での良い上司は、部下に指示を出すときにも、口頭指示だけではなく文書にまとめたり、グラフや画像も取り入れながらわかりやすく伝えるスキルを持っています。またスケジュール管理についても誤解がないようにみんなで視覚的に共有するルールを作ることができます。これが発達障害の人が求める情報整理にとても有効なのです。

 指示を明確にせず、気持ちばかりくみとろうとして、曖昧な状態なままで部下を混乱させる上司・職場が多いのが現代日本の大きな課題です。日本の企業を強くするためには、さまざまな方策があるとは思いますが、発達障害の人を部下に持つ経験は、上司に色々と気づきを与えてくれると思っています。もっと言うと、視覚化や構造化、目的・目標の明確化こそがユニバーサルマネジメントなのです。発達障害の人たちへの管理方法は、発達障害の人たちにやさしいだけでなく、他の健常者といわれる人にもやさしい管理方法ということです。

 現在の資本主義から追い出されがちの発達障害の人たち。その人たちをまた職場に呼び戻す力は、実は営利組織の常識だというのは、皮肉にも感じますが、希望にも感じられます。発達障害の人たちの雇用が進み、会社組織がより強くなる。お互いに利益のある関係を、当社ではビジネスを通じて、より多く作って行きたいと思います。
[NHK解説委員室 解説アーカイブス]


支援教育の専門性高めよ

 愛知県西三河地方の小学校で1月上旬、特別支援学級の担任教師(58)が、知的障害を伴う自閉症の4年生男子児童(10)の行動に腹を立て、両手をひもで縛り、保護者への連絡帳に「たいほしました」と書いていたことが明らかになった。自閉症などの発達障害の子は増えているが、教師の知識や教育技術は、まだまだ遅れていることが多い。これは子どもにも教師にも不幸な状況だ。国は特別支援教育の専門性を高めることにもっと力を注いでほしいと思う。
(編集委員 安藤明夫)

対処法分からず

 この事件では、男児が休み時間に机を片付けだし、教師がやめさせようとしたが、聞かなかったため「逮捕する」とビニールひもで両手首を縛った。「もうしないか」と問うと「もうしない」と返事したため、1分弱で解いたという。この男児は何をされたのか理解できていない。教育として無意味で人の尊厳を冒す行為だ。なぜ、こんな体罰が起きたのか。

 教師は50代半ばで同学級の担任になり、男児の入学から関わってきた。もともと男児はおとなしくて静かな子だったが、家庭環境が変わり自宅の引っ越しを伴ったことがきっかけになって、昨年秋から教室で机を片付けたり、電気を消したりするようになった。対処方法が分からなかった教師は、しかっても聞かないことに腹を立て、体罰に至ったようだ。昨年11月の連絡帳にも、やめさせようとして声を荒らげ、男児が大泣きしたことが記されている。

 事件の後、発達障害に詳しい小児科医が教師たちに指導した。自閉症という障害の特性を説明したうえで、時間割を絵カードなどで視覚的に示したり、集中力を高めるためについたてを使うなど、子どもが落ち着きやすい環境づくりをアドバイスした。また、障害児教育の経験のある教師が担任に加わり、同学級は教師3人態勢となって、「すっかり落ち着いて登校しています」と男児の母親は喜ぶ。

いじめに発展も

 発達障害は、障害の表れ方が千差万別で、その子の抱える苦痛や混乱が周囲から理解されにくい。言動が「身勝手」と誤解されることも多い。教師の知識不足が問題をこじらせたり、普通クラスではいじめの対象になる場合も珍しくはない。

 発達障害の増加に対応するため、国も教員の知識・技術の向上を急いでいる。特別支援教育の推進に関する中央教育審議会の昨年7月の報告では「すべての教員は、特別支援教育に関する一定の知識・技能を有していることが求められる。特に、発達障害に関する一定の知識・技能は、発達障害の可能性のある児童生徒の多くが通常の学級に在籍していることから必須である」と提言している。

 しかし、新しい知識を身に付けるための教員研修の受講率は全国平均で63.4%と決して高くない。一定の研修や専門教育を受けた教員に与えられる「特別支援学校教員免許」も、特別支援学校の教員は70.3%が持っているが、特別支援学級だと小学校32.8%、中学校27.0%にとどまる。他の教員から相談を受けるべき立場の人がこの数字だ。問題を起こした担任教師も持っていなかった。

 さらに、新しい研究成果が次々に発表されている今、同免許を持っていても専門性があるとは限らない。辻井正次・中京大教授(発達臨床心理学)は「発達障害に特化した教員免許を新設する必要がある」と話す。それぞれの子の特性を正しく理解して教育計画を立て、子どもの混乱や苦痛を軽減していくには、各校に本物の「プロ」を配置することが大事だという。

 学校外部の専門家や保護者との連携も重要だ。「この子は何に困っているのか」「どうしたら苦しみを軽くできるのか」を意見交換できる場があれば、体罰など起こらないはず。そのためには学校側の意識変革だけでなく、医師や臨床心理士たちも、もっと障害児教育に協力する姿勢を持つことが必要だと思う。
【中日新聞2013年3月10日】


今朝、広島大学でインクルーシブ教育のChristine Forlin博士の研修を受けてきました。Forline博士はインクルーシブ教育の世界的第一人者で(4ヶ月だけですが)現在、広島大学にいらっしゃいます。しかし、今月いっぱいでオーストラリアに帰られるのです。あ~もっと、学びたかった!

さて、今日の研修内容は多様な学習者のニーズを満たすための学校環境、カリキュラム、教育の適応についてでした。この「多様な学習者」という言葉を聞いて、皆さんはどんな子ども達を思い浮かべますか?ほとんどの方が通常学級に在席する発達障害の子ども達をあげられると思います。

しかし「多様な」という言葉の中には、いろんな子ども達が含まれるのです。例えば、イジメを受けている子ども、障害のある兄弟がいる子ども、性的虐待をうけている子ども、法の抵触下の子ども、祖父母の保護のもとで育つ子ども、天賦の才能を持つ子供、孤児、薬物、貧困、栄養失調、刑務所にいる親、うつ病等、かなりの多様性があります。こういったさまざまな状態や環境の中で育つ子ども達をクラスでインクルードしていこうというのがインクルーシブ教育です。

インクルーシブ教育をすすめていくためには、専門的な知識が必要となってきますが、その専門性をここで書いていると、長~くなってしまいますから、私が考える最も大切で効果的なアプローチをお伝えします。

それは、先生おひとりお一人の心に「温か~いもの」があると、子ども達ひとり一人をインクルードしやすくなるということです。子ども達はしっかり先生の心の中を見ることができるのであります。それも、恐ろしいほどに、、、。

今日は、Forlin博士と一緒に写真を撮りました。

発達障害は「理解とサポート」があれば個性になる!-Forlin博士と一緒

今日は、少しばかりですが、eラーニング・オンラインワークショップシステムを紹介しようと思います。このシステムは柏陽平さんという方が作られました。柏さんは自動車メーカーにてITシステムの技術標準策定、海外のサービスセンター業務の立ち上げやマネジメントなどを担当後、ダイバーシティ・コンサルティングを設立されました。ご自身の経験から、現在、発達に「かたより」がある人の強みを仕事に活かす事業を行っていらっしゃいます。

さて、その柏さんが開発したeラーニング・オンラインワークショップシステムですが、発達障害の人達に役立ちそうです。

例えば「なぜか、うまく他の人と関われない」「無理をして、他の人と合わせているのが、とてもつらい」「どうせ自分はだめなんだ、と思ってしまう・・・」など、こういった悩みを持ちながら、いつも自分の気持ちをおさえて、周りに合わせて、疲れ果ててしまうといった方が多いように思います。不安な気持ちでいることことにさえ気づかず、がんばるのはしんどいですから、具体的にどうすればいいか分かると安心です。

そこで、柏さんが作られたeラーニング・オンラインワークショップシステムでコミュニケーション能力を高めてみるのもいいかもしれません。

こちらから楽しめます→発達に「かたより」がある人のためのeラーニング・オンラインワークショップシステム