ちゃんと話を聞くことの難しさ | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

広島でインクルーシブ教育と
発達障害への正しい理解を進めている
日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。

さて、夏休みまっただ中です。
昨日は、お家の中が大好きな2人(夫と息子)を連れて
早朝から実家(東広島の山奥)へ行っていました。

1時間ばかり野菜を採って、
草刈り後の枯れ草を熊手で集めて
畑で燃やしていたのですが、
途中、2人がダウンしたので早々に帰宅しました。

都会育ちの2人には(広島市内ですが…)
農作業というのは、実に過酷な仕事のようです。

今、広島の中山間地域は過疎地と化して
大変な状況になっています。
それで、私は何とか活性化できないものかと
試行錯誤している真っ最中です。

さて、農業というのは
そんなにコミュニケーション能力を求められることがないので
自閉症の人達には向いているのではないかと
私は思っています。

ただ、炎天下の中、作業をしますから
感覚過敏のある人達にはとても辛い仕事になってしまうので
早朝と夕方だけ仕事をする等の工夫をすれば
快適にこだわりを活かした仕事になるのではないかと思っています。

それで、コミュニケーションというと
いまだに自閉症の人たちに
「ちゃんと話を聞かないといけませんよ」と
言っている人たちがいることが
私は気になっています。

発達障害を正しく理解してもらうには
まだまだ時間がかかりそうな気がします。

自閉症の人たちの障害特性というのは
耳からの情報処理がうまくいかないということもあり、
本人も「ちゃんと話をきかないといけない」
ということは分かっているのですが、
うまく聞こうとしても時間がかかったり
混乱してしまうようです。

そこで、今日は、視覚的な支援や配慮というものは、
自閉症の人たちにとってはなくてはならないものだ
ということについて少しばかり書いてみようと思います。

耳が聞こえない人には、
手話や筆談という手段があるから
コミュニケーションが可能になりますね。

目が見えない人には点字があるから、
安心できる生活が可能になります。

それと同じように視覚的な支援や配慮は、
自閉症の人たちが豊かな生活を送るために
必要不可欠なのです。

でも、それらがなかなか取り入れられない現状が
いまだに社会全体にある気がしてなりません。

自閉症の人たちに
「ちゃんと話を聞いてください」とか
「空気を読んでください」というのは、
 足が不自由で車椅子生活をしている人に
『頑張って歩いてください』ということと同じなのです。

目で見てわかる障害に対しては、
私たちは無理なことや難しいことを言ったり、
要求をしたりしません。
すぐに、それに対して必要な支援や配慮を行いますね。

それと同じように、
私たちは、自閉症の人たちにとって
必要な支援や配慮ができる社会に
していかないといけない時がきています。

こういったことを一つ一つ丁寧に学んで
学校や家庭で活かすことができる
学習・発達支援員養成講座を
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