ドバイワールドカップ(首G1) → Wikipedia
すでに各媒体で報じられているとおり、ドバイワールドカップ(首G1)はサンダースノーの圧勝に終わりました。
この日、メイダン競馬場ではダート競走が5レース開催されましたが、その内4レースがトラックレコードという高速馬場。
加えて逃げ切りが3レースという、前に行った馬が圧倒的に有利な馬場でした。
2018年 ドバイワールドカップ(首G1) 10頭
ダート2000m、北半球4歳南半球3歳以上、メイダン競馬場(3/31)、賞金総額1000万米ドル
レース結果 (Emirates Racing、Racing Post.com)
1着:Thunder Snow R2分01秒38 馬場状態:Fast
2着:West Coast 5・3/4馬身
3着:Mubtaahij
逃げると思われたノースアメリカが出遅れ後方から、ムブタヒージ、ウエストコーストが好スタートから先頭をうかがうが、大外から押してサンダースノーが先頭に立つ。
サンダースノーが逃げて、外目の2番手にウエストコースト、内にムブタヒージ、アウォーディーは後方から3番手、その外にノースアメリカ、後方2番手にフォーエバーアンブライドルド。
隊列はすぐに決まり馬群は一団。
第3コーナーあたりからウエストコーストが外からサンダースノーにプレッシャーをかけて行き、他馬もこれに合わせるように動き出す。
サンダースノーが先頭で最後の直線に入ると、後続を一気に突き放し独走状態。
今年のマクトゥームチャレンジR3(首G1)でノースアメリカが出した2分01秒17を0.23秒更新するトラックレコード。
ウエストコーストは脚が上がり、最後はムブタヒージをクビ差しのぐのが精一杯。
アウォーディーは勝馬から10馬身ほど離された6着でした。
このレースも前に行った3頭で決まり、極端な前残り傾向は変わらずでした。
勝利したサンダースノーは、地元UAE調教の4歳牡馬。まぁ、サイード・ビン・スルール調教師の管理馬なので、春から秋まではイギリスのニューマーケットで調教されています。
前走ノースアメリカに5馬身差で逃げ切りを許したので、大きく評価を落としていました。
これでクリテリウムアンテルナシオナル(芝1400m、仏G1)、ジャンプラ賞(芝1600m、仏G1)に続くG1・3勝、重賞6勝目、2歳時から3年連続のG1制覇となりました。
前走は鞍上O.マーフィー騎手と手が合わなかったのかもしれません、ずっと騎乗していたC.スミヨン騎手に戻り一変しました。
この勝利を受けて、気が早いですがBCクラシック(ダート10ハロン、米G1)の長期前売りでサンダースノーが1番人気になっています。
以下はただの感想です。
2018 Dubai World Cup(D2000m、首G1) レース映像
Thunder Snow(サンダースノー)愛国産 牡3(2014/3/24生)
戦績:7戦3勝 (Racing Post.com、Emirates Racing)
主な勝鞍:2017UAE2000ギニー(D1600m、首G3)、
2017クリテリウム・アンテルナシオナル(芝1400m、仏G1)
血統:父Helmet、母Eastern Joy、母父Dubai Destination (5代血統表)
調教師:S.ビン・スルール(英・首)、馬主:ゴドルフィン
ゴドルフィンの自家生産馬。
地元のエースとして出走するはずが、前走マクトゥームチャレンジR3(首G1)でNorth Americaに5馬身差で敗れたため一気に評価を下げました。
前々走マクトゥームチャレンジR2(首G2)はそのNorth Americaを差し切って勝利。
2歳時は6戦2勝2着2回、クリテリウムアンテルナシオナル(仏G1)を勝利。
3歳時は8戦3勝2着2回3着2回、メイダン競馬場のダートではUAE2000ギニー(首G3)、UAEダービー(首G2)を勝利、エピカリスに僅差で競り勝ったのは記憶に新しいところ。
愛2000ギニー(愛G1)はChurchillから2馬身半差の2着、セントジェームズパレスS(英G1)はBarney Royから1・1/4馬身差の3着を経て、ジャンプラ賞(芝1600m、仏G1)を勝利しG1・2勝目。
ジャックルマロワ賞(仏G1)で古馬と初対戦しAl Wukairから1/4馬身差の3着と欧州のマイルG1戦線で活躍。
3歳最終戦となったクイーンエリザベス2世S(英G1)は最下位の15着に敗れましたが、年初からの連戦が響いたのかもしれません。
今年、距離を伸ばす度にNorth Americaに差を詰められ、前走遂に逆転されました。
半姉Ithimal(父Shamardal)はメイヒルS(英G2)、UAEオークス(首G3)など重賞3勝。
半姉First Victory (父Teofilo)はオーソーシャープS(英G3)勝ち馬。
おばWest Wind(父Machiavellian)は仏オークス(仏G1)勝馬。
父Helmet(父Exceed And Excel)は、オーストラリアでG1・3勝の快速馬。
デインヒル系の種牡馬でダートのG1勝利は珍しいですね。
母父Dubai Destinationは、2015年凱旋門賞(芝2400m、仏G1)などG1・4勝し欧州年度代表馬に選出されたGolden Horn、2015年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)などG1・4勝したPostponedの母父でもあります。
そして本馬です、母父として大物を出す種牡馬ですね~
以下は個人的な感想。
勝利したサンダースノーは強かったと思います、トラックレコードの2分01秒38は相当速いです。
アメリカの計時は助走距離が結構長いので、アメリカ式の計時ならさらに1.5秒~2秒程縮まり、1分59秒台で走破していることでしょう。
ただ、ノースウエストの出遅れが展開に大きな影響を及ぼしたのは間違いないでしょう。
前走マクトゥームチャレンジR3(首G1)では最初の1ハロン24秒58、2番手だったサンダースノーは24秒87でした。
一方ドバイワールドカップ(首G1)のサンダースノーは、最初の1ハロン25秒73と前走に比べ1秒近く遅いペースで走っています。
そして1600m通過時点まではマクトゥームチャレンジR3(首G1)の方が時計は速かったのです。
マクトゥームチャレンジR3(首G1)
ドバイワールドカップ(首G1)
ノースアメリカが出遅れ、大外から果敢に打って出たC.スミヨン騎手の好騎乗も光ったレースだと思いました。
アメリカ勢については前走、前々走逃げたムブタヒージが逃げるノースアメリカを突きつつ、番手に付けたウエストコーストが前を射程に入れて、直線はB.バファート厩舎の馬2頭で抜け出すというイメージをしていました。
ノースアメリカが逃げられなくてもムブタヒージが引っ張るか、トラヴァーズS(米G1)の様にウエストコーストが逃げるかと思いきやそうではありませんでした。
B.バファート陣営については消極的なレースがこの結果を生んだと思います、着差ほどの力差は無いんじゃ無いですかね。
後方から行くフォーエバーアンブライドルド、パベル、ガンナヴェラについては、前残りの傾向が強いメイダンのダートでは厳しいと思っていました。
特に、ガンナヴェラについては水曜日の調教中に跛行を発生していたのでまず無いとみていましたが、日本の新聞では結構印が付いててビックリしました。
タリスマニックについては、初ダートがどうかというだけでしたがやっぱりダメでした。
アウォーディーについては自分の力は出し切ったと思います。