『椿と女囚』&『SelectionTheater』終幕。 | なおりんの日々是精進。

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生涯現役の舞台役者を目指す飯田南織がなんとな~く綴る、犬と舞台と時々デザインの日記です。

おはようございます。

相変わらずブログ更新が滞ってしまい申し訳ありません。

 

今日書き逃してしまうと、

また次の公演に向けての準備が始まってしまって

書けずじまいになってしまいそうなので、

取り急ぎこの2月〜3月にかけて立たせていただいた

2作品の終演ご報告、並びにお礼の言葉を書かせてください。

 

2月20日〜24日にかけて上演した

ortensia第二回公演・2人芝居『椿と女囚、月の夜』、

 

3月1日〜10日にかけて出演させていただいた

SelectionTheater東京ハイビームSIDE A『俺たちの旅路』。

 

おかげさまで本当にたくさんの暖かいお客様に見守られ、

無事に全公演を終え幕をおろす事ができました!

 

ご来場くださいました皆様、

ご来場できずとも応援くださった皆様、

共に走り抜いて下さった共演者の皆様。

 

素敵な脚本と役をお預けくださり

優しく見守り導いてくださった作・演出の

小西優司さん、吉村ゆうさん。

セレシアとOrtensiaの並行となってしまった私を

色々とお気遣い下さったIZAMさん。

 

音楽と照明で皆の心を支え奮い立たせてくれた

四谷天窓のぴんくさん、アクト青山の桃木さん。

後半戦で素敵なピアノの音色で作品を支えてくださった

ピアニストの三木さん。

ベニバラ兎団SIDEの音響照明をして下さり、

横について数カ所お手伝いさせて下さった

四谷天窓comfortの副島さん。

 

本当に色々とお世話になった

四谷天窓のタイキさん、くりんさん、

comfortの宮野さん。

たくさんのお気遣いをして下さった

東京ハイビームの皆様、株式会社Kittyの丹下さん。

忙しい中、受付を手伝ってくださった、

彩香ちゃん、黒木綾ちゃん、青野楓花ちゃん、アクト青山の皆様。

 

その他、この公演に携わってくださった全ての皆様に、

心から感謝と御礼を申し上げます。

 

本当に本当にありがとうございました!

 

 

『椿と女囚』も『SelectionTheater』も同じ2月20日が初日。

 

その為、

『セレシア』の前半戦には参加できなかったのですが、

何となく人知れず、一人でもう一つ別の団体も股にかけて

『一人セレシア』をしているような気持ちでした。。

 

『セレシア』に足をお運び下さった皆様の中でも、

『椿と女囚』にもご来場くださった方がたくさんいらして、

一緒にこの期間に3団体の全く異なる作品に触れて頂けた事が

とても嬉しかったです。

 

同時に、本当はお預かりしている役たちの影響で

実はとても精神は不安定でしたが、

それでも「私ごときが泣き言を言ってはいけない」と

気を引き締めることができたのは

計5作品を全身全霊で持って見事に駆け抜けた

久下恭平くんの存在のおかげです。

あの姿を見て、私も負けていられないと

心から思う事ができました。

本当に有難うございました。

 

『椿と女囚』終演翌日からセレシア千秋楽に至るまで、

ベニバラSIDEの『リリアン』にてロレンス神父として

僭越ながら前説を担当させていただきましたが、

せめてそのような形ででも、

ほんの少しでもそれが彼への恩返しと援護射撃となり

ほんの僅かでも皆様にご観劇前のリラックスできる時間を

お届け出来ていたのであれば幸いです。

フリーダムな彼による拙い前説でしたが、

暖かく受け入れ耳を傾けて下さった皆様、

本当に本当に有難うございました。

 

そして今回お預かりした大切な役たち。

『椿と女囚、月の夜』の栞さん。

 

夫から日常的に暴力を受け続け、最終的には母親と浮気をされ、

夫を殺してしまった死刑囚。

大切な子を抱えながら歩いた雪の夜道。

赤い血。雪。冷たい独房の薄汚い壁、扉。炎。冷たい床。月。

見えた数々の景色が今でも鮮烈に目に焼き付いています。

 

おそらく彼女は父親からも暴力を受け続けてきたのだと

思っています。

「自分は何のために生まれてきたのか」

かろうじて残る正気と狂気の間をうつろいながら、

あれだけゆったりと、何も気にせずに、

ただ心に浮かんできた言葉を掬い上げて喋り続けるという事は

今までにない体験でした。

毎公演、完全に身体をお渡ししていたような感覚でした。

 

彼女が死の1週間前に看守に告げた己の人生。

栞の生きた軌跡が、抱えた人生が、少しでも看守を通して

皆様のお心に届いたのであれば幸いです。

 

この作品は役者として、この上なくしんどくて、

そしてこの上なく『楽しい』公演でした。

 

相手が全力で信頼し敬愛している俳優である

小西さんだったからこそ出来た事だったと思います。

本当に有難うございます。

 

Ortensiaの次回公演は9月。

今度は今までとはまたガラッと変わった作品となりそうです。

どうか楽しみにしていてください。

 

そしてSelectionTheater東京ハイビームSIDE A

『俺たちの旅路〜サダオシリーズ〜』にてお預かりした

マスター。

 

本当に本っっ当に楽しい役でした。

水曜会のメンバー達と共に生きる事が楽しくて仕方なかった。

 

作中ではサラッと触れただけに止められていますが、実は

飯田版のこの方は『女性の身体に男性の心』を持った人です。

 

なので実は2月の水曜会は

セクシャルマイノリティ3人+ノーマルな男性(マスター)、

そして3月の水曜会は

様々な形のセクシャルマイノリティ4人の集まりと、

実は設定が変わっておりました。

 

せっかくWキャストでやらせていただく以上は、

ちゃんとその設定の違いが出るといいなぁと考えていたので、

2月版と3月版、両方をご覧下さった皆様が、

水曜会の雰囲気や空気感が違っていて面白かったという

ご感想を寄せてくださっていて本当に嬉しかったです。

 

そして同時に、

私なりのマスターも受け入れて頂けたように思え

本当に本当に安心いたしました。

 

「男役」ではなく「男前な役」と書いていたのには

そういった拘りがあったりしたのでした。

 

なんというかこの人はもう超越してしまっている人。

悩みの只中にいるわけではなく、

様々な葛藤や苦しみを超えて

ある意味では開き直って生きている人だと感じていた為、

水面下で悶々と孤独に過去の形成をして、

その先の状態で毎稽古に臨めるように努めていました。

 

皆と同じような境遇にいながらも既にそこを超えた存在、

それ故に兄貴分的な立ち位置というか。。

皆をからかいながら飄々と笑って

何でも受け入れて誰でも懐に入れそう、

でも仲間を心から大切にしていそうな人物として

この人が映ったらいいなと考えていました。

「こんなマスターのいる店に行ってみたい、通ってみたい」と

思って頂けたらそれが一番の言葉だなぁと。。

なのでそういったご感想をたくさん頂けて

本当に本当に嬉しかったです。

 

また水曜会の時に彼がやんちゃにはしゃいでいるのは、

きっと幼少期に男の子達と一緒に遊べなかった過去を

今、取り戻している部分もあるのではないかと思っていました。

 

父親の事で悩んでいたサダオも、

いじめられていたブービーも、恐らくギャップも、

そしてジャイアンも、実は皆、

何かしらを抱えた幼少期を過ごしていて、

それでも不器用に必死に今を生きている。

 

ジャイアンに向けて皆が「フレー」を言っている時に

無言でただ見守っていた彼。

アドリブではありますが、実は最後の最後に乾杯をする前。

マスターが皆に「(缶を)振れー!」というアドリブの言葉を、

「フレー」とこっそり勝手にかけていたりしました。

彼の秘密のエールに気がついて下さった方が何名かいらして

何だか妙に嬉しかったりもしました。

 

吉村さんの愛にあふれたこの作品が本当に好きでした。

様々な愛に溢れたこの物語の暖かさを

少しでも皆様にお届けできていたのであれば幸いです。

 

と、なんだか駆け足になってしまいましたが。。

 

今回も本当に大切な役達に出会うことができました。

またいつか再会したい。心からそう思える役達です。

貴方たちの人生を預けて下さって本当に有難うございました。

 

勿論、ここには書ききれない程の沢山の事を

今回も悶々と考え試行錯誤いたしましたが、

お客様が見て感じ取って下さったことが全て。

後はこっそりと私の心の奥底に閉じ込めておきます。

 

そんな役達を預けて下さった小西さん、吉村さんに

改めて御礼申し上げます。

 

そして様々な登場人物たちによって紡がれる物語を

一緒に体感し、見守り、見届けて下さった皆様にも、

改めて心から御礼申し上げます。

 

本当に有難うございました。

 

まだ頭の中が上手く整理できていないので、

相変わらず支離滅裂な長文となってしまって申し訳ありません。

 

様々な出来事に立ち会いながらも

信頼のできる素敵なメンバーに恵まれた座組で走り抜けた

2つの公演。

そして私自身は出演していませんが、

劇団員として『椿と女囚』以降は受付に立たせていただいた

ベニバラSIDEの『リリアン』。

本当にたくさんの方々に支えられ、

無事に全公演の終幕を迎える事ができました。

 

支えてくださった全ての皆様に、

そしてご来場くださりこの作品達を見届けてくださった皆様に、

心から感謝と御礼申し上げます。

 

本当に有難うございました・・・!

 

そして今回もご来場に加え、

心のこもった差し入れやお手紙を本当に有難うございました!

受付お手伝い時含め、たくさんの皆様にお声掛け頂けて、

またチェキも撮って頂けて本当に嬉しかったです。

 

普段、なかなかご挨拶出来ない皆様にも、

受付に立つ事で直接少しでも交流をする事が出来たセレシア。

劇場に足を運んで下さる方がこんなにいらっしゃる事、

舞台を観る事を楽しみにして下さっている皆様が

沢山いらっしゃる事を感じる事が出来て幸せでした。

そして改めて背筋が伸びる気持ちでした。

 

これからも変わらず、真摯に、

皆様のご期待を裏切らぬ作品と時間をお届けできるよう

日々精進して努めて参ります。

 

まずは取り急ぎ、ご報告と御礼申し上げます。

 

それでは、改めまして、

この度はご来場、誠にありがとうございました!!