【香港】インサイト・ダイアローグ リトリート①概要より続く。
香港ランタオ島にあるFa Hong Monasteryで行われた、インサイト・ダイアローグ / Insight Dialogue(対話する瞑想、以下ID) リトリートの記録◎
<経験者向けコース>
【1日のスケジュール】
5:30 起床
6:00 - 6:30 マインドフルストレッチ、ヨガ
6:30 - 7:15 座る瞑想、読経(パーリ語)
7:15 - 8:00 朝食
8:00 - 8:50 マインドフルにお仕事(お寺の掃除、料理等)
9:00 - 12:00 ID練修
12:00 - 14:30 昼食&自主練
14:30 - 17:30 ID練修
17:30 - 19:30 軽めの夕食&自主練
19:30 - 21:00 ID練修、シェアリング
22:00 消灯
ダンマホールの中では輪になって座る
IDを練修するにあたり、一人で瞑想する時間をもつことも、同じくらい大切にされている。
早朝と、朝、昼、夜それぞれのID練修の前には必ず、皆で座る(=瞑想する)時間が設けられている。
座り終わった後、先生のデイブとベスからインストラクションを受ける。
そしてペアになって、実際の練修を始める。
ペアを決めるには、まず皆がダンマホールをゆっくりと自由に歩く。鐘が鳴った時に目の前にいた人が相手になる。
同じ人とペアになるには1度きりで、毎回違う人と組む。一期一会。
互いに目を合わせて微笑んだら、ペアになったね、の合図。(これはインストラクションではなく、毎回自然にそうなった。)
ペアになると、向かい合って座る。
ほとんど知らない人と至近距離で向かい合って座り、目と目を合わせる経験は、私には今までないことだった。
だから最初の数日間は心に少し抵抗を感じていたが、それもよく観察し、集中(定、サマーディ)が深まるにつれ徐々に抵抗を感じなくなっていくのが分かった。
そして、先生からのインストラクションに従って、それぞれがペアでID練修を始める。
IDには6つのガイドラインがある。
日本語に訳しているものが今のところないようで、自分なりに訳してみた。
Pause・・・止まる
Open・・・開く
Relax・・・リラックス
Attune to Emergence・・・現れに 心をあわせる
Listen Deeply ・・・深く 聞く
Speak the Truth・・・真実を 話す
IDの練修には、様々な信仰を持った人が参加する。どんな信仰の人も疎外感を感じないように配慮されている。
また、マインドフルネス(MBSR等)や心理学からIDに入る人も多い。
分かりやすい言葉を使うことで、誰もが練修に入りやすくなっている。
リトリートではこれら6つのガイドラインをひとつずつ練修し、体験的に理解していく。
先生からのインストラクションは、例えば・・・
「最近あったストレスを感じた出来事を思い出し、パートナーに話します。
そして、今この瞬間に戻り、体と心がどのように反応するかに注意を向け、起きていることを話します。
そのとき、『止まること』『リラックスすること』というガイドラインを使ってみましょう。
話のストーリーに巻き込まれないように気を付けます。
それぞれ5分ずつ話します(一方が聞き手、もう一方が話し手になる)。
終わったら、オープンダイアローグ(聞き手と話し手を区別しない)で対話を続けます。」
私たちは毎回様々なテーマをもらって、対話瞑想をした。
今回参加してみて感じたことの一つが、IDをするうちに、
<五力>mindfulness(気づき), faith/confidence(信), wisdom(智慧), energy /effort(エネルギー), concentration(集中/心の安定)
が自然と高まって、心のバランスが整っていくこと。
パートナーと共にマインドフルネスを養うことで、気づきが強くなる。
よく観えるようになると、エネルギーが湧いてきて、好奇心が生まれる。
もっと観たくて常にマインドフルであるようになると、集中(心の安定)も高まり、洞察が生まれる。
そしてID練修への信も高まる。
このようなことが、数日間のうちに起こるのは、経験したことのないことだった。
きっと一人ではなく、人との関係性の中で、お互いサポートし合いながら瞑想ができるから、五力が強まる速度が何倍にもなるのかもしれない。
自分を養うことで、相手を養い、相手を養うことで、自分を養う。
「比丘たちよ、『自己を守るであろう』と、気づきの確立が慣れ親しまれるべきであり、『他者を守るであろう』と、気づきの確立が慣れ親しまれるべきです。比丘たちよ、自己を守っている者は、他者を守り、他者を守っている者は、自己を守ります」
セーダカの経 訳:関西パーリ語実習会
外を歩けば大自然が広がっている。(ランタオ島)
香港でのリトリートに参加し帰国したあと、オンラインでのID練修の機会が増えている。
オンラインでの練修は日本にいても世界中の人たちとできるため、本当に有難いと思う。
でも今、日本語でインサイト・ダイアローグの練修をしてみたいと強く思う。
それは単純に、自分にとって一番聞きやすく話しやすい言語が日本語だからだ。
そう感じていた矢先、デイブがスーパーバイザーを務めるID入門コースが、2月末に始まることを知った。
Introduction to Insight Dialogue(インサイトダイアローグ入門コース)
デイブは今81歳。智慧にあふれていて、チャーミングな人だ。
日本語が話せる友人にこのコースのことを話すと、興味をもってくれて、参加が決まった。
本当に嬉しい。
いつか、近い将来、日本語でのインサイト・ダイアローグ練修グループを始めたい。