魔法のような瞬間ーMagic momentーを | フィギュアスケート応援(くまはともだち)

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氷上で華麗で過酷なスポーツ。
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羽生結弦選手の演技で涙がこぼれます。
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Patinage Magazineの記事を眺めていたら興味深いブライアン・オーサーコーチのインタビューがありましたのでご紹介します。この記事は欧州選手権(2020年1月20日~26日)に出場するエカテリーナ・クラコワ選手に帯同するためにグラーツ(オーストリア)を訪れた時のもの。
全日本選手権2019後の羽生選手の様子を語っています。そしてブライアンの言葉の中から、「ファイナルで勝ちたい」という強い思いから本来もつ羽生選手の良さを見失って4回転ジャンプを多く跳んで勝とうとしていたことについて、その時の思いも吐露しています。もしかしたらブライアンの言葉をきつく感じたり、コーチなのに他人事のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですがブライアンは羽生選手の本質をしっっかりと見ていて、そして、羽生選手に「魔法のような瞬間」を見せてほしいと思っていることが伝わってきます。
Q羽生結弦の調子はどうですか?どうやってすべての旅行から戻ってきましたか?
 
ブライアン・オーサー:
ゆづは、NHK、グランプリファイナル、そして全日本、とても難しいスケジュールでした。彼は短時間でたくさんの旅行をしました。彼は勝てなかったので、全日本選手権から戻ってきてから落ち込んでいました。彼の競争心を取り戻すためにはしばらく時間がかかりました。実際、彼は疲れ果てていて休む必要がありました!
 
Q結弦とネイサン・チェンのライバル関係についてどう思いますか?
ゆづは、ゆづが一番得意なことをする必要があります彼はとてもクリエイティブです。ですから彼が魔法のような瞬間(Magic moment🪄)をもつ時、彼は何度かこれを見せたように。それから彼は最高です。私たちは彼がこれを達成するために彼とトレーニングに取り組まなければなりません。トレーニングは順調に進んでおり4大陸選手権でそれ(魔法のような一時)をもつことができると願っています。
ネイサンはスケーターとして成長しましたね。ある意味、ネイサンはかつてのゆづのようです!ネイサンは間違いなくライバルです。彼らのライバル関係はフィギュアスケートにとっても、ジャーナリストにとっても良いことです。また2人はとても異なるタイプのスケーターです。どの戦略がトップにするかを決めるため、そのことが、さらに(闘いを)面白くします。
ゆずが魔法の瞬間を持っているとき、そしてそのような瞬間が自分のキャリアの中でほんの一握りでしかないとき、彼がこの種のスピリットですべてをまとめるとき、彼は勝つことができます。
トリノでは結弦が4回転ジャンプを多く着氷させたいという姿を見たことが印象的でした・・・。
ゆづは自分の品質、流れ、スピード、パワーを追求する必要があります…。プログラムにもっと積極的に取り組み、振り付けに注意を払わなければなりません。魔法を生み出すために必要なものはこれだけです。彼はそれを知っています。
 
結弦が4回転アクセルを試しているのを見ましたか?
はい、結弦は、ある時点から4回転アクセルを着氷させる使命を帯びています。それは信じられないでしょう。誰かが4回転アクセルをするなら、それは彼です。結弦のトリプルアクセルはとても大きいです…私達は今はで怪我をしたくないので、彼はまた4回転アクセルへの挑戦をする適切な時期を見つけなければなりません。
(ざっくり意訳終わり)
今だから、ブライアンの気持ちもわかる気がします。一年前に読んでいたら、もしかしたら「えっ!」思っていたかもしれません🤭💦
ともともとブライアンは羽生結弦選手が4回転ループへ挑戦していた時も「新しいおもちゃを見つけた」と否定的でした。ジャンプよりももっとトータルパッケージでプログラムを魅せるべきだと常に言うブライアン。難しいジャンプを入れて、それをプログラムの中に融合させて進化していきたいという羽生選手。意見が合わないことがあったかもしれません。2012年からずっとそばで見てきたブライアン。羽生選手にはプログラムを表現する才能があり、高難易度なジャンプがなくても素晴らしい演技ができると感じていたのでしょう。いつも全力で練習をする姿を見ているからこそ、ケガのリスクがあることも、心配していたのかもしれません。

羽生選手は平昌オリンピックで連覇を果たし。トレーニングをともにしてきたハビは引退。
人生の大きな目標を叶え、羽生選手、曰く「ふわふわ」していた状態だった時。奮い立たせるためにモチベーションを4A成功と定め、2018-19シーズンは「スケートを楽しんでいた頃」の純粋さを大切にしたいと、憧れのプル様とジョニーのプログラムを選びました。
「点数や勝ち負けではない、やりたいことをやる」そんなシーズンを過ごすつもりだったと思うんです。これまではポイントが低くなるからと入れなかったコンビネーションを入れたり、新しい挑戦を楽しみ、過ごしてきた中でロステレコム杯で負傷してしまいます。そして十分な練習ができない中、迎えた世界選手権での銀メダル。
「ふわふわ」していた状態は微塵もなくなり「メラメラ」と闘争心に火がつきました。
プログラムを継続した2019-20シーズン。
オータムクラッシックで不可解な採点。素晴らしいスケートカナダでの勝利後から、世界を旅するいそがしいスケジュールも相まって、疲労も蓄積していき、心と身体が乖離していくと苦しんだ時期がありましたね😭。オトナルとオリジンは、類を見ないほど素晴らしいプログラムですが、天と地とを見た今ならば、“羽生結弦らしさを出せるプログラム”として求めていたものは、こうだったんだと理解できます。
 
「ゆづは自分の品質、流れ、スピード、パワーを追求する必要があります…。プログラムにもっと積極的に取り組み、振り付けに注意を払わなければなりません。魔法を生み出すために必要なものはこれだけです。
 
ブライアンが話していたように、羽生選手はMOIでSEIMEIを滑り、そして『羽生結弦らしいスケートをしたい』と気づき、そしてオリジンとオトナルは素晴らしいけれど『羽生結弦らしいプログラム』ではないと四大陸選手権で変更。

本当は和の曲で滑りたくて探したけれど時間がなく、これまでの中で一番『羽生結弦』らしいプログラムSEIMEIとバラード1番に力を借りることで、もう一度、自分自身が求めているスケートは何かを再確認できたのかなと思うのです。

そして世界選手権2020が中止。
新型コロナウイルスの恐怖、練習拠点の閉鎖、帰国。モチベーションを保つことも困難な状況の中で、卒業論文に取り組みながら、新しいフリーの曲、『和』であり、羽生結弦でしか演じられないようなそういう曲を探し続けていたのでしょう。
先日発売されたLIFEには音響デザイナー矢野桂一さんのインタビューが4ページにわたって掲載されていました。羽生選手とのメールでのやりとり、羽生選手らしい感謝の言葉。気遣い。そして曲とプログラムへの思い。
スケーターと一緒にプログラムを作り上げていくことのやりがい、喜び。
矢野さんも新型コロナウイルスでアイスショーが軒並み中止となり、仕事が空いていた時期、羽生結弦選手からの「天と地と」との依頼。あの歴史に刻まれた名プログラムSEIMEIを作った時のような、やりがいのある仕事にどれだけ救われたのでしょうか😭
そして、「こんな感じでつくってください」とサンプル音源を編集して作って矢野さんに送ってくるという羽生選手の凄さ。
音楽に対して、プログラムに対して、こだわりぬいていることが伝わってきます。
また、羽生選手から支持があった部分の音源を、あえて何をいれたを言わない矢野さんが
「彼(羽生選手)は気づいていないと思う」と誇らしげに、少しいたずらっ子のように語っている部分が、年齢など関係なく才能のある者同士が音楽でも究極を目指して、極めていくことが伝わってきてすごく読み応えがありました。
 
話しがそれてしまいました💦
新型コロナウイルスという誰もが未曾有の災難に見舞われている中で、羽生選手はさらに殻を脱ぎ捨てて、美しく大きな羽根を手に入れ、さらに輝きを増していることが全日本選手権で伝わってきましたよね✨
 
魔法のような瞬間

全日本選手権はまさに、そんな瞬間でした😭

そしてきっと再び、魔法をかけてくれる瞬間がくると心から信じています。


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