空へのあこがれ
フライトトレーニング 2日目(場周経路訓練・パタントラフィック訓練)
初日の訓練で、とりあえず、離陸、水平飛行、着陸の手順を『経験』することができた.
自分自身で、操縦輪やスラストレバー、スイッチなどの操作をしたのだが、あくまでも、インストラクターの指示に従っての操作だった.
今後は、これらの操作を自分一人でできるように訓練を重ねる.
飛行機は、一旦離陸したら、必ず、着陸しなければならないので、「安全に、確実に着陸することができる」という事が当面の目標となる.
そのため、当面は、離着陸の練習となる.
そのため、訓練は、トラフィックパターン(場周経路)フライトの訓練が中心.
場周経路の各レッグの名称:
トラフィックパタンは、滑走路と並行に、1〜2マイル離れた逆向きのコースと、それらをつなぐ長方形のコースで作られている.
基本的に、空港に離着陸する航空機は、
エンルート(巡行)→ アプローチ → トラフィックパタン → 着陸
と飛ぶのが基本.
(計器進入などで直線で着陸してくる旅客機などは、例外な飛び方をしている)
<実際の空港(米国:Frederick municipal Airport KFDK)のトラフィックパタンの例>
黄色の線がRway23-05の時の場周経路、赤の線がRway12-30の時の場周経路
通常は、場周経路は左回りだが、この空港は、街の上を飛ばない配慮などから、Rway05とRway12の時は、右周り経路となる
初日のところで、解説したが、トラフィックパタン(場周経路)は、飛行機の飛行場への着陸では最もベーシック(基本的)な技術.
基本的に、飛行機は目視で着陸するため、
1.先ず、着陸する滑走と並行に(着陸する方向とは逆向きに)飛び(Down wind leg)、滑走路の様子や障害物がないかを目視で確認.
2.飛行高度
単発小型機、レシプロ機など、滑走路の標高+1000ft
中型、大型の飛行機などでは、滑走路の標高+1200〜2000ft
ヘリコプターだと700〜800ft
に設定されている
3.滑走路周辺には、着陸に必要な情報を提供してくれる設備があるので、飛行場の様子の観察も重要.
・空港内の滑走路脇に、少なくとも一箇所、吹き流しが設置されている.
吹流しは、航空赤🟥と白⬜️の生地で作られている
取り付けられているポールは航空赤、夜間でも見えるように照明が付いている
風向きの方位がわかるように地面にペイント(か石など)で示されている
・滑走路の灯火類、PAPI、VASI、進入灯などの設備も様子も観察できる
4.(昔だと)このパタンを飛んでいると、垂直尾翼や胴体側面に描かれた、登録番号(テールナンバー、米国ではNナンバーともいう)を管制塔などから双眼鏡で確認ができるので、場周経路を飛ぶことが必要だった.また、離陸しようとしている飛行機も、このパタンを飛行機が飛んでいれば、自分が安全に離陸するチャンスがあるかどうかの判断ができる.
場周経路への入り方などは、後日、訓練空域へフライト訓練の際に紹介することにして、今回は、場周経路の中の様子を紹介する.
これら目標を達成するためには、まず、飛行機に馴染まなけばならない.
飛行機の姿勢や高度、速度を調整するためには、飛行機の操作をするのだが、どこに何があるかがわかっていないと、それを探している間に、時間が経ってしまう.
まずは、飛行機そのものに馴染む必要がある.
練習に使っていた飛行機(N415CA、N324LT 共にパイパーアーチャーPAー28−181)に、他の訓練生やレンタルの予約が入っていない時間に、操縦席に座り、スイッチの位置、計器の位置、フラップの操作、トリムセット等々をシミレーションしたり、実際に操作してみたりして、目をつぶっていても操作できるまで練習をした.
(エンジンをかけなければ、費用がかからないので、スケジュールが空いている飛行機での練習は、比較的容易.
日本では、座席に座った時間を課金する所が多いようで、エンジンをかけなくても、料金を取られる所が多いようだ.
当時、私が所属していたフライトクラブは、ハブタイム(エンジンが掛かっている時間)だけ、料金が発生するシステムだったので、使用者がいない間は、こういう練習ができた)
チェックリストにリストされている事項(スイッチのON・OFF、レーバーやハンドルのポジション)・順番についても、ほぼ、自動的に手が動くようになるまで、何遍も操作手順を繰り返し覚える.
飛行機では、空中に居る時(ある程度の高度がある時)は、何かがあっても、状況の把握・判断などに比較的時間的な余裕があり、必要に応じてPOHなどで調べてから対応できる.しかし、離着陸時は、高度が低く、数秒で墜落ということもあるので、大概の事については、自動的に対応できるようになるまで練習を繰り返す必要がある.