加筆していたら文章が長くなり過ぎたので前編、後編に分けることにしました
エギへのエサ巻きについて、
豚バラ
とり皮
魚の切り身
などなどいろいろなエサが巻かれています。
たまに他のお客さんから「この前はあのエサがよかったー」という声が聞こえてきます。
エサ巻きにするとなんとなく
生エサが付いているから釣れそう。
と思われる方が大半だと思います。
実際、大多数の魚種においては疑似餌と生エサでは生エサに軍配が上がります。
例えばアオイソメを食べる魚種において人工虫エサと生エサどちらが良く食ってきますか?
と聞いた際に大半の方が生エサと答えると思います。
キス船に乗ったときも人工虫エサを使っている人はほぼ見かけません。
生エサを触れない方がごくたま~に使っているぐらいです。
キス釣りのエキスパート勢においても人工虫エサのほうが釣れると仰る方には未だお会いしたことがありません。
タコにおいても大多数の魚種と同じく生エサ絶対有利なのか?
答えはNO!
だと考えています。
そもそもな話
東京湾伝統のテンヤ釣り
テンヤに付けるエサはタコの大好きなでっかい蟹さん🦀
The 生エサ
ですよ。
お世話になっている浦安 吉野屋さんはテンヤ釣りが基本でエギ釣りもOKというスタンスです。
テンヤ:エギの比率は日によって異なりますが、テンヤとエギが混在した状態での釣りになることが多いです。
生エサが絶対的に有効であればこのような環境においてテンヤの方が圧倒的にタコが乗る頻度が増えるはず・・・
ただ残念なことにいつもそのような状況にはなっていないのが現状です。
シーズン開幕の6月~11月中旬ぐらいまではテンヤ優勢と思われる結果がほとんど出ていません。
開幕直後は子ダコが多くテンヤだと合わせてもすり抜けやすい。バラしやすい。
これに対してエギだと子ダコも掛けやすい。だから数釣りならエギが有利というということはよく言われています。
しかし、テンヤ勢の動きを見てあからさまにエギより乗りが多いかと言えばそうでもありません。
エサ巻きの有無で比較しても大きな差が出ない。むしろエサを取った方が良く乗ったなんてことも(笑)
※2本竿で同一色のエギ、オモリを付けて比較検証した結果です。
集魚剤の類も試してみましたがこの間に明確な差を感じられる結果は出ませんでした。
3年前にそのことに気づいてから私の中でエサ巻き絶対有利という概念が無くなりました。
ただ、11月中旬以降~12月末の間はテンヤ優勢と思われる日が散見されるようになります。
エサ巻きが効いたと感じる日は大体テンヤ優勢な日と被っています。
あとテンヤに乗るタコは良型が多い。巨タコ狙いならテンヤの方が有利ということもよく言われています。
実際に2kg、3kgサイズが潮先のエギ組をスルーして潮ケツ側のテンヤにドン!という光景も度々見ますのでこれは間違っていないと考えています。
※内心超悔しいですが(笑)
一体何が違うのか
色々調べていたところ、一つの疑問に辿り着きました。
そもそもタコはエギを餌と認識して抱き着いているのか?
まず、11月中旬以前と以後で何が違うか
大きく違うのは水温です。
東京湾奥の場合、6月~9月中旬ぐらいまでは水温25℃→28℃→25℃
そこから徐々に水温が下がり始め、11月中旬で17℃前後、12月末で13℃前後まで低下します。
※年によって多少変動します。
くわしくはこちらを参照願います↓
この水温変化がタコにどのような影響を与えるかを想定するためにネットで調べたところ下記の文献を見つけました。
海洋生物環境研究所 海生研研報,第2号,1-351,2000
海生生物の温度影響に関する文献調査
下茂繁・秋本泰・高浜洋
https://www.kaiseiken.or.jp/publish/reports/lib/2000_02.pdf
こちらのP296~P297にマダコの発育段階における水温の影響が記載されています。
一部引用して要約すると
・水温28℃以上、もしくは7℃以下で昇天
次にタコの知性の高さ、学習能力、好奇心について
タコは他の生物にはない高度な学習能力を持っています。
これについてはネットなり書籍(※下記参照)に多数の情報が出ていますので詳細は割愛しますが、タコが好奇心や学習意欲だけでエギに抱き着いている可能性も十分に考えられると確信しました。
この2点からベースになる水温を基準にして好奇心優勢なのか食味優勢になるかがおよそ決まっているのではないかと考えています。水温が高い時期は体調もよろしく、元気があるのでいろいろなものに興味を持てる余裕があるため基本的に好奇心優勢。逆に水温が低い時期は元気がなくなって引きこもりたくなるので無駄なことはしたくない、従って食味優勢になると考えられます。