何気なく考えた“アレ”のこと。
みんなの管理をする“アレ”
学校に行けば必ず“アレ”がいる。
かなりの頑固者で、みんながどれだけ
文句を言っても聞く耳持たず。
みんなが楽しい事をしていても、
「はーい!やめっ!」って。
みんなが何かを始めるときは、
「はーい!はじめっ!」って。
僕たち、かなり操られてたね。
この歳になるとなかなか会う機会も
ないけれど、この前学校の近くを通ったら
“アレ”の怒鳴り声が響いてた。
なんか声を聞いていると、
楽しかった事。
辛かった事。
怒られた事。
悲しかった事。
嬉しかった事。
友達の事。
先生の事。
学校で起きた、ありとあらゆる思い出が、
鮮明によみがえってくる。
僕の学校生活は“アレ”と共にあったんだな。
なんだか心地よい気分になる。
どうやら。
この歳になると“アレ”の怒鳴り声は
思い出の起爆剤になるらしい。