4.改正案に反対するとどうなるのか?

 

『賛成』すると、改正案の全ての条項に賛成したことになると、説明しました。

 

では、『反対』は、改正案の全て条項に反対したことになるのでしょうか。

そんなことは、ありません。

 

『賛成』すると、全ての条項が施行されます。

また、為政者が発議しているので、改正案がしこうされれば、為政者の要望が通るので、当面は改正の発議はないはずですし、そうであるべきです。

 

では、『反対』すると、どうでしょうか。

当然、改正案の全ての条項が、施行されません。

でも、為政者が本当に改正が必要だと考えているなら、修正案を発議するはずです。

だから、安心して『反対』を投じることができます。

 

「自主憲法を制定しよう」との声は、改憲派から聞こえてきます。

我々国民にとって、改正案の提案も発議もできないのですから、「自主憲法」と言えるようにするためには、納得できるまで『反対』を投じ続けるべきです。

ある意味、『反対』票は、改正内容への提案でもあるのです。

全ての改正内容に納得できるまで、『反対』を投じ続けるのが、国民投票の意味です。

もちろん、全ての改正内容に納得できたなら、『賛成』を投じなければなりません。

それが、当たり前の投票行動です。

 

 

 

後述することになると思いますが、現行の国民投票法は褒められる内容ではありません。

なぜなら、『反対』票の意味がわからなくなるからです。

一括で賛否を問うため、『反対』した場合に、国民がなぜ『反対』したのか、曖昧になってしまうからです。

改正の条文毎に賛否を問えば、どの条文に『反対』したのか、わかりやすくなります。

 

 

同じ理由から、自民党改正案にも、大いに不満があります。

あまりにも変更箇所が多く、改正の焦点が定まっていないように見えます。

この際だから、思い付く全てをもりこんでおこうとしたのか、意図的に焦点をぼかそうとしているのか、真偽はわかりませんが、全てが改正を必要としているとは思えません。

本当にこれだけの量の改正が必要だったなら、多くの法案が憲法問題で国会は空転し続けたはずです。

 

仮に、反対多数で否決されたなら、真に改正したい条項に絞って、再度の発議があるはずです。

その時こそ、真の議論ができるのではないかと、私は考えています。

 

積極的に『反対』した方が、良い改正に繋がるはずです。

もちろん、全てに納得できた時には、必ず『賛成』を投じることが基本です。

 

 

 

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