3.オスプレイに欠陥はあるのか
私は、オスプレイが欠陥機か、欠陥機ではないかは、ハッキリとは言えません。
私の実力では、オスプレイの欠陥は見えていません。
でも、気になる点はあります。
(1)チルトローター機構(モード切替)
オスプレイの欠陥として、チルトローター機構そのものを指摘する場合があります。
確かに、これがなければ、故障も、モード切替による事故も、無くなります。
ですが、固定翼機の引込み脚やフラップも、同じことが言えます。
脚の出し忘れによる事故も、フラップ出し忘れの事故も、時々発生します。
引込み脚やフラップが不要な設計にすれば、これらの事故はなくなるので、引込み脚やフラップを持つ機体は、逆説的に「欠陥機」と言えます。
定期航空路に就航している機体のほとんどが、引込み脚とフラップを待ちます。
小型機を含めても、フラップを持たない機体は、グライダーの一部に限られます。
つまり、固定翼機のほとんどが、欠陥機に相当してしまいます。
出し忘れ事故のマイナスがあっても、引込み脚やフラップを導入する理由があります。
特に、フラップは、ほぼ全ての航空機で使われるほど、メリットが大きいのです。
フラップは、失速速度(着陸速度)を下げ、主翼の小型化を補完します。
機体の大型化や高速化、航続距離の延長には、フラップは必須の機構です。
ただ、メリットが大きいので、フラップの出し忘れは、致命的な事故に繋がります。
チルトローター機構も、目的はフラップに似ています。
着陸速度を下げるとともに、高速化や航続距離の延長にも貢献します。
固定翼機との比較では、着陸速度はゼロにできます。
回転翼機との比較では、高速化や航続距離の延長にも関係します。
このような側面からも、チルトローター機構を欠陥と呼ぶなら、フラップも欠陥と呼ばざるを得ず、結果、固定翼機のほとんどが欠陥機となってしまいます。
この機構を、オスプレイの欠陥とするのは、無理があります。
ただし、チルトローター機構のメリットが大きいだけに、ここに故障が起きれば、致命的な事態に陥りやすくなります。
肝心なのは、そのリスクを下げ、メリットを享受できるようにすることです。
それを含めて、フラップと同じなのです。