(4)滑空

 

次に、指摘されたのは、回転翼モードでの両エンジン喪失からの滑空です。

回転翼モードから固定翼モードへの転換には12秒掛かるので、低空では滑空に入れないとの意見です。

オスプレイはチルトローター機なので、チルトウィング機とは違い、固定翼モードに転換しなくても、滑空できます。

もちろん、エンジンナセルが空気抵抗源となってしまうので、滑空性能は低下します。なので、固定翼モードへの切り替えは、同時に行うでしょう。

回転翼モードでは、プロペラをフェザリングにすると空気抵抗が増えますが、固定翼モードへ移行しながら、フェザリングに切り替えるのだろうと思います。

ただし、充分な前進速度がなければ、極めて厳しいだろうと思います。

 

逆に、同じ条件から、回転翼機はオートローテーションに入れるのでしょうか。

オートローテーションにも位置エネルギが必要なので、高度が低すぎれば、オートローテーションへ移行できません。

従来の回転翼とオスプレイでは、どの程度の差があるのでしょうか。

固定翼機でも、離陸時にV1(離陸決心速度)以降にバードストライク等で両エンジン喪失が起きると、不時着も困難です。

このように考えると、三者で大きな差はないように思われます。

 

 

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