皆さんこんばんは。
時刻は21時前。
既に意識が朦朧とし始めている俊雄コーチです。
家に帰るなり、まずはお風呂。
べたつく暑さの中、たくさんのアカデミーファミリーの皆さんが伊勢に集いました。
鈴鹿・桑名ともに予選会が中止になってしまい、初めての種目に出場するお友達もたくさんいましたが、それぞれに普段とはまた違う精悍な表情で頑張っていました。
コーチはサブトラックとスタンドの往復で、ウォームアップ場へのアテンドと招集所へのアテンド。
全くと言っていいほど、皆さんの競技時の頑張りを見届けることはできていません。
でも、皆さんを安心安全にスタートラインまで送り届けるという大事な役目でしたので、試合は見ることができなくても、一緒に最後までやりきったと感じています。
そのおかげで、顔は真っ赤に・・・。
写真撮影も許可されていませんので、試合の振り返りをコーチからメッセージとしてブログに掲載することはできませんが、どうかお許しください。
【積極的な行動】
本日、最も印象に残った光景は、3年生男子チームのしっかりとしたサブトラック(ウォーミングアップをする競技場)での行動でした。
まず、りゅうがさんが荷物を置いたら、颯爽とトラックに駆け出しました。それに慌てることなく、はるとさんやこうしろうさんも自分の事前に決めたやるべきことを、しっかりと取り組んでいました。
文字では簡単に感じますが、初めての大きな競技場で、初めての県大会。
そんな簡単にできることではないのです。
実際、桑名校のタイム測定の時でも、周りの友達の様子を伺いながら取り組む光景が多かったのに、この大舞台で堂々とした立ち振る舞い。
もう、感激と驚きしかありません!
もちろん3年生男子以外の皆さんの取り組みも素晴らしかったですが、特に印象的でした。
【なぜ、試合時にはアドバイスをしたくなるのか?】
サブトラックで皆さんのウォーミングアップを見ていると、ついついアドバイスという名の余計な口を挟みたくなります。
『もっと〜したほうがいいよ』 などです。
でも、試合直前に技術的なことを言ったって、邪魔なだけ。
そのアドバイスは自分自身が不安だから、アドバイスという名の邪魔を選手にして、自分の存在を認めてもらうという行為。
無駄!
なので、でしゃばりな口を必死に押さえ込んで、ただただ皆さんのウォーミングアップを見ていました。
いや『しっかり水分とって』は言ってましたね。
皆さんが主役。コーチは荷物持ちと道案内くらいがちょうどいいと思います。
だからこそ、レッスンでは大切なことを何度も取り組むし、言うのです。
【振り返りの重要性と気づき】
試合後は必ず振り返りをします。
面倒と感じるかもしれませんが、それをしなければ次への頑張りが分からないからです。
その振り返りの中で、印象的だったのは、えいとさんとの振り返りでした。
100mを走り終えてから
『目標記録を超えたから、うれしいけど、あと少しで決勝に出れたことを思うと、やっぱり悔しい。』
自分の素直な気持ちをコーチに教えてくれました。
なぜ悔しいのか?
それは、本気で頑張ったからです。そして、悔しいと思える人は、さらに成長できます。
以前えいとさんには伝えました。
『心が変われば行動が変わる・行動が変われば結果が変わる』
中途半端ではなく、やるなら本気でやってみなさいよ。と。
そこから、彼は質問もたくさんしてくれますし、気遣いもレベルアップしました。だからこその今日の自己ベストと気持ちを得たのだと思います。
試合は勝ち負けで判断することが最も分かりやすいです。
でも、勝ち負け以外で得ることのできる事は、山のようにあります。そして、その得られることの方が勝ち負けより大切だと思います。
それは、『生きる』ということに直結した学びだからです。
今回の試合で、皆さんは何を得ましたか?
できなかったこと、うまくいかなかったこともまた財産なのです。
うまくいかなかったということは、何かが普段と違うからです。
雰囲気?真剣度?意識?時間?技術?準備?会場?人?
その何かが違う点を見つけることができれば、より本番で自分の力を発揮することができるのです。
失敗は悪いことではありません。失敗と思えたなら、それは成功の基準やイメージができている証拠です。あとは、どうやってそこにたどり着くか・・・。
もっとできることに気づけたわけです。
大いに喜びに変えるべく、明日からの行動に変化を加えましょう。
それこそが『正しい努力』と言えるのではないでしょうか。
【素直さ・謙虚さ・感謝】
試合を見ていると、たくさんの人が参加するだけあって、様々な光景を目にします。
思わず嬉しくなる光景や、逆にがっかりする光景。
主役は皆さんですから、皆さんは思いのままにその舞台を楽しんでもらいたいと思いますし、コーチも親御さんもそれを影から見届けるのが大切な役割。
ですが、やはり素直さや謙虚さ、感謝の気持ちは自分を成長させてくれる意味でも大切だと感じています。
強い=偉い そう思った時、一気に全てが崩れ始めます。
自分が仲間を大切にするから、仲間も自分を大切にしてくれる。
その関係性は離れていたって、時には誤解が生まれたって、乗り越える力を持っています。
それが本当の友達です。
勝ち負けがあるからこそ、共に競技をする仲間に対して感謝することが大切です。
友達に応援してもらえる人と、関心を持たれない人。
残念ながら、現実として明確に行動は分かれています。
その根源をたどると、やはり普段の行動が大きく影響していると言えます。
自分の試合がうまくいかなかった場合、いい気分ではないでしょう。
しかし、仲間の時はその気持ちは一旦置いておいて、応援できる人。
自分の試合が終わったら、疲れもあって早く帰りたくなるでしょう。
しかし、仲間の試合を見届け、時にはゴールまで迎えに行く人。
自分が優勝したいと願い努力してきたのに、叶わなかった場合、優勝した人を憎らしく思うこともあるでしょう。
しかし、悔しくても、まずは素直に『おめでとう』と拍手を送れる思いやり。
自分が優勝したり、願いを叶えた場合、それは天にも昇る達成感が押し寄せることでしょう。
しかし、一緒に競技をした仲間のことを思い、派手な喜びの表現ではなく、淡々と自分の気持ちを落ち着かせる自律心。
スポーツだから得ることのできる心の成長。
アカデミーの皆さんには、とても大切にしてほしいものだと思います。
【誰のおかげで今日という日が送れたのか】
帰り際に、親御さんともお会いできましたが、お顔はもちろん、脚まで赤く日焼けされていらっしゃいました。
大変な蒸し暑さの中で、本当にお疲れのことと思いました。
そのような中でも、早朝からわざわざ試合のためにご協力くださったことに、心よりお礼申し上げます。
親御さんの理解なくして、この経験はできません。重ねて厚くお礼申し上げます。
また、早朝から最後まで安全で円滑な試合の運営をしてくださる、三重陸協の皆様のおかげで、私たちは試合に参加することができます。
1人にとっては、たった100mを1回走るだけのことかもしれません。しかし、その裏にはエントリーからプログラム編成など事前はもちろん、当日は公平公正な審判と多大な労力を割いていただいた上に成り立っています。
私たちは、そのことを忘れてはなりません。
ご尽力賜りました皆様に、心よりお礼申し上げます。
誠にありがとうございました。