健康志向が高まって、有効とされる食品やそのエキスを濃縮したサプリメントを積極的に利用されることも多いと思います。
乳がんに関しては、一時、イソフラボンに予防効果があるとされました。
ところが、反対に乳がんのリスクを高めるという意見もあるようです。
本当のところはどうなのでしょうか?
『内閣府 食品安全員会』が詳細に調べて、現状でのイソフラボンの利用について指針を発表しています。
http://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html
今回は、そのホームページを参考にして、イソフラボンについて考えてみましょう。
大豆イソフラボンは、大豆胚芽に多く含まれる植物エストロゲンのひとつです。
その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、体の中のエストロゲン受容体に結合します。
そして、エストロゲンの働きを高めたり、抑制したりして働くようです。
その結果、イソフラボンのエストロゲン様作用が「有効性」と「有害性」の両方に働く可能性があり、現在も研究されています。
有効性としては、骨粗しょう症、乳がん、前立腺がん等の予防効果や更年期障害の軽減等が期待されています。
有害性として、乳がん等の発症、再発のリスクを高める可能性が懸念されています。
内閣府 食品安全員会の指針は、下記のようになっています。
食品安全委員会新開発食品専門調査会では、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品(イソフラボンのサプリメント)の安全性評価の基本的な考え方」において、現時点における大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70~75mg/日と設定しました。
特定保健用食品(サプリメント)としての、大豆イソフラボンの安全な一日上乗せ摂取量の上限値を30mg(大豆イソフラボンアグリコン換算)としております。
なを、長期的な摂取に関しての安全性は明記されていません。
また、日本乳癌学会では、乳がんを発症した方に、イソフラボンのサプリメントの摂取をすすめていません。
さらに、アメリカでは、サプリメントの妊婦と子供の摂取を禁止しています。
食品として大豆製品をとることは、健康上良いことのようですが、サプリメントの使用は注意が必要だということのようです。
乳がんに関しては、サプリメントはおすすめではないようです。