Q25(その2):マンモグラフィは痛いので超音波検査だけではだめですか? | 乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査

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Dr.ちずこの診療日記
ims東京腎泌尿器センター大和病院レディースセンター乳腺科

A25(その2):乳房超音波と乳がん検診について

乳がん検診は、その有効性が認められたものが行われます。

その検査をすることで、『乳癌発見率が上昇する』あるいは『乳がん死亡率が減少する』という結果が統計的に示されることが必要です。

平成 23~25 年度がん研究開発費「科学的根拠に基づくがん検診法の有効性評価とがん対策 計画立案に関する研究班」が作成した、『有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン 2013 年版』に、つぎのように示されています。

超音波:推奨グレードI 

感度・特異度の報告はあるが、死亡率減少効果を検討した研究はない。このため、超音波検査による死亡率減少効果を判断することはできない。従って、推奨グレード I と判断した。対策型検診の実施は推奨しない。ただし、任意型検診として実施する場合には、死亡率減少効果が不明であることと不利益について適切な説明を行うべきである。適切な説明に基づく個人の受診は妨げない。  
(推奨グレードI:
現段階においてがん検診として実施するための証拠が不十分であることを意味するが、今後の研究成果によって将来的に判定が変更する可能性がある。)


つまり、次のような結論になったようです。

超音波検査を行うことで、乳がんの発見は多くなるという報告はあるようですが、乳がんの死亡率を少なくするという研究結果がないという結果でした。

したがって、区や市などで行う公的助成金を使っての乳がん検診(対策型検診)では、超音波検診を行いません自主的な検診や会社などで行っている検診(任意型検診)では、不利益を理解していれば、超音波による乳がん検診を行って良いです。今後、研究が進めば、超音波検診の評価があがる可能性もあります。

また、これは40歳から74歳を対象にした基準であり、それ以下の年齢については検討されていません。

現在、マンモグラフィと超音波検査を併用した乳がん検診について研究中です。

超音波だけの乳がん検診についての研究は今のところないようです。