乳がんは、治療後に再発しない方も多くいらっしゃいます。
手術後、何十年も経過して、もう通院していない方もいらっしゃると思います。
引っ越して、治療した病院から離れてしまうと、定期的な通院も難しいでしょう。
乳がんで片側の治療を行うと、もう一方の乳房も乳がんのリスクが高くなります。
1年1回は、マンモグラフィ検査と診察を受けていただくことをお勧めします。
原則的には、術後2年間は3か月ごとの診察をします。
その後は、ホルモン治療をしない場合は6か月ごと10年間の経過観察です。
私は、検診施設でマンモグラフィの診断を行っています。
一般の方の検診マンモグラフィといっしょに、手術後の方の読影もしています。
そのように、治療を受けた病院で検査をしないで、乳がん検診をされている方もいらっしゃいます。
それもよろしいかと考えます。
東京都では、『医療連携手帳』というものを手術後の方に渡しています。
これに『治療開始時の診断と治療内容』を記載しています。
さらに、その後の治療や経過観察の内容も記載していきます。
患者さんが自分で持っている自分のカルテのようなものです。
それを色々な病院や医院での診療に役立てています。
診療情報を医療機関どうしで共有することは、とても大切だと考えます。
今後、治療を受けられる方は、ご自分の病気の診断や治療の記録を医師に記載してもらって、自分のカルテを持つことが望ましいと考えます。