ブログネタ:予防接種した?
参加中私はした! 派!
2011年始めて見る太陽は南の空にあった・・・
ポストには既に年賀状がある。
そして私の机にも年賀状がある・・?しかも私宛てでは無い・・
2011年始めて口にした言葉は「しまった!」だった。
年賀状を出し忘れていたのである。
12月15日に旅立つはずの彼たちは私の机の上に礼儀正しく並んでいた。
空港でチェックインは済ましてゲートインをしない状態だろうか・・
年賀状が出発ロビーで心配そうに添乗員を待つ光景が目に浮かぶ。
・・・取りあえずポストに入れてきた。
フライパンで鶏ももの皮だけを焼き、その油で白葱を焼く。
醤油仕立ての汁を作り、それらを入れ込む。
大根おろし、小麦粉、卵を混ぜ合わせ大根餅を作る。
汁が煮立ったら大根餅を入れ特性雑煮の完成である。
三つ葉、柚子皮を入れて食する。
2011年初めての「美味し!」は大根餅であった。
揚げ焼き餅の雑煮
私の好きな雑煮には別バージョンがある。
以前紹介したが、餅をごま油で揚げ焼きをするのである。
汁に入れた瞬間「ジュ!ジュ!」と音を立てて美味さをアピールするのだ。
その年は正月だと言うのに熱を出してしまい、已む無く店を臨時休業した。
寒さが自分の体温を上げたのだろうか、熱が寒さを感じさせるのか、判断が出来ない。
置き薬など何処にもなく自力で買いに行くこともできない。
近くの病院は休みで緊急病院まで車で二時間はかかる。
・・・ここは雪深い山村である。
しかし私には救急車を呼ぶ勇気は無かった。
当時インフルエンザの予防接種など受ける者もいない。
掛っても寝ていれば治るが常識であった。
熱の為に色々な事が頭の中を駆け巡ってきた。
始めて車を買った時の事を思い出していた・・・中古のセダンだった。
それでも嬉しくて毎日夕方になると水洗いをしていた。
「ねーお兄さん。この車動くの?」
振り返ると小学生の男の子が大きなランドセルを背負って話しかけてきた。
「はー?動くに決まってるだろう。自動車って言うんだから」むきになって答えてしまった。
「ふーん、動くんだこれ」不思議そうに見ている。
私は無視をしてタイヤを洗い始めた。
すると・・「このタイヤ細いね」とか「ここキズがあるよ」などと言ってくる。
あまりにうるさいので「もう遅いから家に帰りな」と言った瞬間。
「うわ!」突然ホースから水が、飛勢い良くび出してきた。
少年が蛇口をひねったからであった。
ホースは暴れまくり私と少年はずぶ濡れになってしまったのである。
怒る前に私はふと考えた。
もしこのまま帰したら親は「どうしたの?」と聞くだろう。
そしてあそこの家の「知らないお兄ちゃんにかけられた」と言うに決まっている。
仕方がないので家まで一緒に付いていくことにした。
「何これ?」道路からは見えなかったが林の奥には立派な邸宅があった。
山村とはいえ別荘地としては有名な場所には違いないが・・・
小学生なのだから永住しているのだろうか?
「ここ、お前の家?本当に」聞きなおすと「うん」と返事をした。
母屋の途中にガレージがあり、中にはフランスの高級車であった。
少年の父親は著名な作家であり医者でもあった。
出迎えた母親に事情を話すと直ぐに理解して信じてくれた。
それから少年は毎日、毎日、私をからかいにきた。
そのうちに夕飯も食べて行くようになったのである・・・
私はベットの中で熱にうなされながら思い出していた。
「そういえば去年の正月に揚げ焼き雑煮を作ってやったら喜んでいたよなー」
その時電話が鳴った。
電話帳を店に置いて来てしまい誰にも連絡が取れなかったのだ。
両親の店は正月の忙しさに電話を取る暇もない。
「助かった」私はもうろうとしながら受話器を取った。
「もしもし、たっちゃん」少年の母親からだった。
「あのね、うちの子がお雑煮を食べないのよ、タツさんの作るお雑煮って言っているのだけれど何度作っても違うって言うの・・・困っちゃって忙しいと思ったのけれど電話したのごめんなさいね・・・」
「いえ、今日は休みましたので・・・」私は最期の力を振り絞ってお雑煮の作り方を説明した。
説明が終わって受話器を降ろし横になった・・・「しまった」自分の状況は説明しなかったのである。
再び電話のベルが聞こえた・・少年の母親だった。
直ぐに迎えに行くから玄関まで出ていなさいと言われた。
そして病院に連れて行ってくれた。
そこには少年の父親が白衣を着て待っていてくれたのである。
電話の話声で尋常では無いと気付き、院長と相談して病院を開けてくれたのだった。
インフルエンザだった。もう少しで肺炎になりかかっていた・・
もしあのままの状態でいたら最悪の事態が起きたかもしれなかった。
後日聞いた話では旅行に出かける時だったそうだ。
少年が出かける前に雑煮を食べたいと言い、
私の様子が変だと言うと助けてって言ったそうである。
少年と今はなきご両親には何時までも感謝して止まない。
正月になると特にこの時の事を思い出す。
末っ子だった少年は現在立派な実業家になっている。
遠方より何時も感謝と応援をしている。
予防接種は自分の為である。
しかし、感染もそうだが時として身内や他人に迷惑を掛ける。
私は教訓を活かし真っ先に予防接種を受けている。
偶然や奇跡は何時までも続かない、
最期は自分なのだから・・・龍

