ブログネタ:お正月の一番の楽しみは?
参加中お正月と言えば朝酒だろう。
唯一、誰にも後ろ指を差されずに飲める期間?のはずだ・・・
そしてお節料理がある。
伊勢海老は普段食べないのが、一般的であるが、
時としてお正月には出てくるものだ。
私など伊勢海老様にお会いするのは結婚式とお正月ぐらいのものである。
出来る事なら月に一度は食べても良いかな・・などと思うが、叶わぬ夢である。
何はともあれお正月が待ち遠しい・・・
チーズをのせクリーム仕立てで表面が焼いてある。
「おっ!伊勢海老のグラタンか」嬉しさのあまり、声が大きくなる。
山育ちの人々は魚介類に弱く好きである。
そして今日は友人の結婚式に来ている。
友人と言うのは同級生の白田であり、当然ながら剛次郎も隣に座っている。
「タツ!嫁さん見てみろ!」剛次郎が至福の時に水を差す。
「うるさいなー!今、良いとこなんだよ」伊勢海老をジット見ていた私の肩を叩くのだ。
「お前、食べ物ばかり気にかけて拍手もしなかったろう」
確かに手にはグラスとフォークを離したことは無かった。
「仕方ないだろう!手が二本しかないんだから」言い訳にもならない。
私が相手にしなかったのが気に障るのか、剛次郎は少しふくれている。たぶん自分の結婚式をオーバーラップしているのであろう。私は伊勢海老にオーバーラップしてみたい。
その時、会場がザワメキ始める!
「うん?」さすがの私も伊勢海老から目を離し、久しぶりに新郎新婦に目線を促す。
「なに?あの花嫁さん?」思わず声に出してしまった。
文金高島田の花嫁さんが、頭を右往左往している。緊張とカツラの重さで今にも倒れそうになっている。しかし、晴れ舞台。ここは我慢の一言で有る。さすが白田が選んだ嫁である。
「白田!日本一」私は熱いエールを贈った。
さて、それはさて置き問題は伊勢海老である。殻の大きさに対して非常に身が少ない。だからクリームとかチーズで量を増やしているのだろうか?それとも元々そういう物なのか?謎の多い食材である?
などと言いつつ全部食べてしまった。
「結構いけるなー」と剛次郎の皿を見ると全く手を付けていない。それどころか背筋を伸ばし、前を向いてスピーチを聞いている。
「まだ話しているのか?団長は・・オット!」剛次郎に横目で睨まれた。
団長と言うのは山の温泉消防団の団長の事である。真面目で人の良い団長は皆から好かれている。剛次郎は鈴本団長に仲人を頼むつもりなのであろ・・・ナルほど、ナルほど・・・しかし話は非常に長い、うちの親父と五分五分だろう。
「剛次郎くん、その伊勢海老食べないのなら少しチョーダイ」可愛く言って手を出すと、
パッシ! 叩かれた。
「痛いなー何するの?」再び睨まれた。
スピーチは続いているし、伊勢海老は無いし、次の料理は来ないし・・
そうだ!殻を食べよう。ナイフとフォークで分解を始めた。頭の後ろにみそが入っていた。何とも言えない美味さである。これで味噌汁にしたらさぞかし美味いだろう・・などと言いつつ伊勢海老は粉々になり、まさしく骨までしゃぶられたのであった。
「そうーだ、剛次郎くん、頭だったらくれるよね?」頭だったらくれるに違いないと思いきや、剛次郎の奴それさえも拒絶してきた。
「しつこいなー、止めろって言ってるだろう」フォークで押さえる伊勢海老の頭。
「いいだろー!頭ぐらい」負けじとフォークで応戦した。
「殻を見ながら食べるから美味いんだよ!」さすが上野のレストランで修業したことはある。
その頃団長のスピーチが終わりを告げた。
「鈴本様、素晴らしいご祝辞ありがとうございました。さてここで、新郎新婦は・・あっ!」
新婦が御礼をする為に頭を下げた瞬間!カツラが落ちた。
会場は一瞬「シーン」と静まり返ってしまった。
しかし、そんなことは気にもせず二人のバトルは続いていた。
「わっかているけど!止められなーい」私がフォークに力を入れた瞬間!
「あ!-」「お!」二人のフォークから伊勢海老の殻は勢い良く飛んで行ってしまった。
ひゅー・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ぴった?
剛次郎と私のフォークから離れて行ってしまた伊勢海老の殻が、カツラを落とした花嫁さんの頭に被さったのである。
そして、会場から何処となく聞こえてきた・・・「お色直しだ・・」
その後、団長の説教は夜更けまで続くのであった。龍
