餃子は何故、美味いのであろう。
焼き餃子、水餃子、蒸し餃子の調理法に加え、具材により無限に創作が広がる。
私の好みは焼き餃子の中の一口餃子である。
皮のパリパリ感がたまらなく良いのだ。
またかと思われそうであるがビールが美味い。

一口餃子の発祥地は大阪らしいが、私が初めて食べたのは九州だった。
昼食時に入った店にポスターが貼られてあった。その写真には一人前と書かれ、18個の餃子が写っていた。その日は仕事中なので食べずに来たが、何時か食べようと固く決心した・・・
「S君、今食べてきた食堂で食べなかったけど九州の人って18個餃子好きなの?」説明が下手である。
S君はしばし考え・・「あっ!一口餃子ですね」そう言うと、嬉しそうに手を叩いた。確かに今の説明で理解できるとは流石一流画商である。
「へー・・・一口餃子って言うんだ」関東育ちの私には初めて聞く名前だった。私は心の中で残念がっていた。それは18個であの値段なら断然お得であったからだ・・・
そして九州出身の彼の説明では、大阪のチェーン店が九州にも新出してきたそうである。そこで負けじと地元中華街でも一口餃子を出す店が増えてきたそうである。しかも本場の腕前を十分に発揮しているとの事だった。
閉店時間が近づいた頃・・
「S君、一口餃子ってニンニク入っているのかな?」私がS君に聞いていると、
「先生!ニンニクお嫌いですか!」見るからに豪快な男性が割ってきた。
「いや・・好きですけど」 唖然とする私に・・
「始めまして、美術部の西郷です」名刺を差し出す彼を見て、もしこの人が名字当てクイズに出場したら一発で正解されてしまうだろうと思った。
「先生、今日は餃子パーティーと行きましょうか、」
「・・・パーティー?」S君と顔を見合わせていると、
「ばってん、ニンニクばどうのと話していましたが」
「それは口臭の事ですね、私も気なりますよ」察しの良いS君が西郷どんに説明をしている。
「わいがなんばいいよっとか、男がニンニクば気にせんめぇ」???・・・?
なんやかんやで中華料理店に行くことにした。5人で行って初めに20皿頼んだ。一人4皿の計算だが伊藤さんと坂本さんの女子が二人混じっているし食べきれるかなーと思いきや、なんとそのあとに、私たちは20皿を追加した。
一皿18個で8皿・・・144個を食べたのである。しかもニンニク入りでの注文である。いくら一口サイズと言っても食べすぎだった。次の日ホテルの部屋はニンニク臭で充満していた。
出がけに、このまま百貨店に行って大丈夫だろうかと思ったが、美術部の人が気にするなと言うので会場に出かける事にする。
しかし驚愕の事態となる。
会場入りして驚いたことベスト3
3位・・・「おはようございます」のあいさつの後、必ず嫌な顔をされたこと。
*九州の人は気にしないはずでは無いのか?
2位・・・「おはようございます」のS君の声が妙に高かったこと。
*S君は息を吸いながら挨拶をしている様だった。
1位・・・「おはようございます」美術画廊スタッフに挨拶したが初めて見る顔ぶれだったこと。
*・・・?
「西郷さんや伊藤さん坂本さんは遅番ですか」私も息を吸いながら聞いて見た。
「あ、西郷さんたちは今日は非番です」一歩下がって教えてくれた。
「非番・・・?て休みですかー?」声が裏返っている。
「はい、今朝の電話で、宜しく言ってました」既に遠くに移動しているスタッフ。
今更ながら事態の重大さに気付く二人。
「S・君、、、ガ・ン・バ・ロ・ウ、、、」さらに裏返るわたし、
「ハ~~イ~~」ビブラートまでかかっているS君
そして、その日一日は、二人とも宇宙人の様に話すのだった。 龍
絵・文 君島龍輝