株式投資に役立つ知識をまとめていくシリーズ

 

株をいつ買って、いつ売れば良いのか。これは明確な答えはありませんが、

世の中のトレーダーは色々な「指標」を参考に売り買いをしていると聞きます。

 

この指標を知っていれば必ず儲かるという訳では全く無く、結局はマーケット次第

ではありますが、知らないよりは知っていた方が損した時に諦めがつくんじゃないかと

思って私は指標を参考にしています。そこで、指標の中でも代表的なものを紹介します。

 

PER (Price Earnings Ratio)=株価収益率

 

 

PER(ピーイーアール)とか、PE Ratio(ピーイーレシオ)などと呼ぶ指標です。

 

私の理解では、ざっくりと言えば、

 

「純利益を何倍すれば時価総額になるか?」という指標で、株が割安か、割高かを

判断するために用いるものです。

 

一応、計算式は

 

PER = 一株当たりの株価 / 一株当たり純利益

 

となっていて、一株当たりで計算するのが通常のようですが、全株で計算しても

同じことなのじゃないかと私は思っています(その方が直感的に分かり易い?)。

 

2022年9月時点だと例えば、有名どころのPERは下記の通りです。

 

トヨタ:9前後

ゼネラルモーターズ:6前後

テスラ:100前後(!!)

グーグル:18前後

アップル:25前後

 

一般的に日本の企業はPERが低め(割安)という印象です。そして、どんどん伸びている

企業はPERが高い傾向があります。テスラのPERは凄いですね。要は、今のテスラの

時価総額はテスラの純利益100年分とイコールということですね。

 

テスラの時価総額はトヨタを超えた!というのが昔話題になったような気がしますが、

PERを見ると、純利益に比べて時価総額がすさまじく高いことが分かります。

今後、テスラの純利益が伸びていくことを期待してみんな買っているのかもしれませんが

PERを見ると、「割高だ!バブルだ!」と言いたくなる人たちの気持ちも分かります。

 

このPERは国や業界によって数値がかなり異なるので、似てる会社で

比べると面白いと思います。グーグル検索で会社名+PERと打ち込むと出てきます。

 

PERが一定値より下がったタイミングで買う!という人たちもいるみたいです。

 

投資は自己責任で。。。

 

 

 

 

 

 

2021年2月、米国によるミャンマー制裁が復活しました。概要をまとめます。

 

 

経緯

2021年2月1日にミャンマー軍がクーデターを起こしました。これはイカンということで、2月11日に米国が制裁を開始しました。

 

制裁内容

当記事作成時点では10人の軍人と3人の法人が制裁対象者になっています。これらの者は資産凍結などの措置を受けます。

 

米国には「50%ルール」というルールがあり、制裁対象者が直接的or間接的に50%以上支配している法人(具体的には、50%以上の株を持っている場合です。)も同様に制裁対象となるのですが、このルールが適用される法人があるかどうかは調べてみなければ分かりません。

 

少し不思議に思ったのは、制裁対象者の法人の名称です。軍関係のイカツイ名前の法人なのではと思いましたが、実際に制裁対象者となったのは以下の法人です。

・Myanmar Ruby Enterprise;

・Myanmar Imperial Jade Co., LTD.; and

・Cancri (Gems and Jewellery) Co., LTD.

 

名称だけで判断すると、上から、一番上はルビーを扱っている法人、次はヒスイ、最後は宝石全般を扱っている法人でしょうか?どうやら、Myanmar Economic Holdings Limited (MEHL)という軍関係のコングロマリットの法人のようです。つまり、軍が宝石類を売って資金を確保するのを防ぐという意図なのかもしれません。

 

「United Nations」と上記の法人名をGoogleで検索すると、2019年に作成された国連関係の(と思われる)文書が出てきます。それによると、世界の過半のルビーとヒスイはミャンマーが産出国になっているとのことです。特にヒスイは90%以上がミャンマー産とのことです。

 

この制裁により世界のルビーとヒスイ市場に影響が出るのでしょうか?気になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RCEPの原産地証明方法について条文に沿って解説していく。

(赤字が筆者のコメント。黒字は協定仮訳)

 

第三・十六条原産地証明

1 産品が原産品であることについての利用可能な情報に基づく次のいずれかの文書を原産地証明とする。 

(a)次条(原産地証明書)の規定に基づく発給機関により発給された原産地証明書

→「第三者証明」

(b) 第三・十八条(原産地申告)1(a)の規定に基づく認定された輸出者による原産地申告

→「認定輸出者の自己証明」

(c)2及び3の規定に従うことを条件として、第三・十八条(原産地申告)1(b)の規定に基づく輸出者又は生産者による原産地申告

→「輸出者または生産者による自己証明」

→→つまり、RCEPは、第三者証明を含む上記三つの方法による証明方法が可能と明記されている協定となっています。これは自己証明しか許されていない日EU EPAとは異なりますね。ただし、次の2項に書かれているように、「輸出者または生産者による自己証明」は発効当初から利用できる訳ではないようです。

 

2 オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム国、中国、インドネシア、日本国、韓国、マレーシア、ニュー ジーランド、フィリピン、シンガポール、タイ及びベトナムは、この協定がそれぞれ自国について効力を 生ずる日の後十年以内に1(c)の規定を実施する。カンボジア、ラオス及びミャンマーは、この協定がそれぞれ自国について効力を生ずる日の後二十年以内に1(c)の規定を実施する。

 

3 2の規定にかかわらず、締約国は、物品に関する委員会に対してその決定を通報することにより、1(c) の規定を実施するためのより長い延長期間(十年を限度とする。)を求めることを選択することができる。

→2項と3項は「輸出者または生産者による自己証明」は発効時に導入しなくても、発効後、一定の期間内に導入すれば良いということを言っています。そのため、「輸出者または生産者による自己証明」がいつから利用できるのかよく分かりません。

 

4 締約国は、この協定が全ての署名国について効力を生ずる日に、この条の規定の見直しを開始する。こ の見直しにおいては、原産地証明として輸入者による原産地申告を導入することを検討する。締約国は、 別段の合意をする場合を除くほか、当該見直しの開始の日から五年以内に当該見直しを終了する。

(注) この4の規定にかかわらず、日本国は、この協定が同国について効力を生ずる日から、1の規定に基づく原産地証明と同様の 方法により、輸入者による原産地申告を原産地証明とみなすことができる。この場合において、同国は、輸入者による原産地申告に関し、第三・二十四条(原産品であることの確認)1(b)から(d)までに規定する手段による確認手続を行ってはならない。輸入者は、産品が原産品であることを証明するための十分な情報を有している場合に限り、原産地申告を作成するものとする

→4項は、協定が発効したら「輸入者による自己証明」について検討を始めようということを規定しています。日EU EPAで可能な証明方法ですね。そして、日本は輸入者による自己証明に前のめりであり、発行当初から「輸入者による自己証明」導入してもよいと規定しています。

 

5 原産地証明については、次のとおりとする。 

(a)書面又はその他の媒体(輸入締約国が通報した電子的様式を含む。)によるものとする。

(b)産品が原産品であり、かつ、この章に定める要件を満たすものであることを記載する。

(c)附属書三B(必要的記載事項)に定める必要的記載事項を満たす情報を記載する。

→原産地証明書の形式について規定している。ただそれだけ。

 

6 各締約国は、原産地証明について、その発給又は作成の日から一年間有効なものであることを定める。

→原産地証明書が1年間有効と規定している。ただそれだけ。

 

まとめると?→RCEPは過去のEPAに登場した証明方法全てを使えるようになる書きぶりになっている。しかし、最初から全てを使える訳では無いので、どれが使えるかは要確認。「第三者証明」と「認定輸出者の自己証明」は輸出国・輸入国を問わず発効時から利用できると思われます。「輸出者または生産者による自己証明」は発効後、各国で徐々に導入されると思われます。「輸入者による自己証明」については各国で導入されるか不明ですが、日本への輸入だけは発効時から利用できるかもしれません。税関のサイトを注視しましょう。

EARや米国の制裁関係に限らず、米国の法令を調べていると「USC」や「CFR」というものがでてきます。これは何であるのか、また、米国の法体系について私の理解を書いていきます。

 

 

米国の法体系も日本と同様、最上位は憲法で、法体系は以下の通りです。

 

The Constitution of the United States(憲法)

↓(授権)

Federal laws(米国の連邦議会で可決された法律。個別のLawはActとも呼ばれるそうです。)

↓(授権)

Regulations(米国の行政機関が定めるルール。日本的には政令や省令などの「令」が同じレベルだと思います。)

 

上のFederal lawsをまとめたものがUnited States Code(USC)です。日本的にいえば、民法、民事訴訟法、会社法などの法律をひとつにまとめた本のようなものが存在するとイメージしてます。そのUSCですが、中身は50くらいのTitleに分かれています。分野毎に法律がまとめられていると思ってください。そして、各Titleの中がSectionで分かれています。アメリカの法律を検索すると「Section XXX」と書いてあることがありますが、その法律はUSCのどこかのTitleに所属していて、その中のSection XXXなのだと私は理解しています。

 

例えば、ECRA(The Export Control Reform Act of 2018)はUSCのTitle 50(War And National Defense)の中のChapter 58 Export Control Reform (Section 4801-4852)に格納されています。

 

次はCode of Federal Regulations(CFR)です。USCは法律をまとめたものですが、CFRはRegulationをまとめたものです。米国の官報であるFederal Registerに掲載されたRegulationがCFRにまとめられていると理解しています。

 

尚、日本の法律の世界では国会で可決されたルールのみを法律と呼び、それ以外の政令、省令などは法律とは呼びません。この記事はこの整理を念頭に書いてあります。

 

より詳しく調べたい場合は以下のサイトを見てみてください。

United States Senate Website

Office of the Law Revision Counsel United States Code Website