もう、おてんとさん、頭の真上やで。

おい。起きんかい! こら。

・・・・・・。

え? どぶさっとう思たら、ごねてけつかる。

(出典:『らくだ』)



もうええ加減、耳にタコが住みついてはる思いますけれども、ワタイが独断と偏見とほんの僅かな客観性でもって定めるシガレットトップテン、堂々のチャムピオンは、『ザ・ピース』なんです。

テキゃホンマに日本の誇りですワ。

で、次点はと申しますと、メリケン製の『スモーキンジョー・フルフレーバー』となります。

あの、濃厚なヴァージニアのコクと甘みと干草スメルは、一度味わうと忘れられません。

しかしながらこの二銘柄の間に、張出横綱みたいなヤツが隠れてますの。

なんで表に出てけえへんかと申しますと、我が国では手に入らへんからや。個人輸入するなり、海外に在住する知人に頼むなりせなアカンの。そんなんランキングしても、試してもらわれへんやん。

その張出横綱銘柄こそ、『キャメル・フィルター』なんですナ。

ワタイが勝手に名づけてまんにゃけど、『ラム酒漬けお下品系シガレット』ちゅうカテゴリがおます。

具体的な銘柄をあげますと、『ハイライト』ですワ。

ハイライトを開封すると、なにやら独特な甘酸っぱいカザがしまっしゃろ。あれがラム酒でんナ。

で、いただいてみますとこれがかなり、キツいというか、お下品な喫味なんです。

『ラム酒漬けお下品系シガレット』にはほかに、『ホープ』『ウインストン』『わかば』『エコー』『うるま』『バイオレット』などがおまして、どいつもこいつも、しとくせふたくせある、オゲレツなヤツばっかりでっしゃろ。

で、こいつらの頂点に君臨するのが、『キャメル・フィルター』なんですワ。

キャメルの登場は一九一三年。伝統と格式(格式はないか。下品な味やよって)はハンパないのや。

歴史的に考えても、それ以外のヤツは、キャメルの真似したと考えられます。

せや。現在我が国で入手できる黒と白のやつは『キャメル』やないです。テキらはほとんど普通のアメリカンブレンドに成り下がってしもとうさかいね。『キャメル』仲間の面汚しや。

『キャメル・フィルター』は、開封時の甘酸っぱいカザ、そしてお下品な味と、それだけでどこへ出しても恥ずかしくない『ラム酒漬けお下品系シガレット』なんですけど、ほかのエピゴーネンと一線を画する特質がおまんの。

それは、『オリエント葉』がこってりブレンドされているということなんです。

『オリエント葉(シガレット用)』の金属表面をぺろんちょと舐めたような独特の酸味にいっぺん嵌ると、ちょっとやそっとじゃ抜けられませんデ。暗黒煙草よか中毒性がつおいかもね。

残念なことに、我が国で流通しとうシガレットには、オリエント葉混入銘柄はほとんどおまへん。もしかしてちょびっとぐらい混ざっとうかもしれませんけど、分からん。

しっかりオリエント葉の味が確認できるのは、ロシアの『カズベック・オーバル』だたひとつのみちゅうていたらくや。

我が国では人気ないんやナ。なんでやろ。

シャグ煙草には、オリエント葉がブレンドされてるのが多くありますが、あくまでヴァージニアのしきたて役として申し訳程度に混入しとうだけで、金属味が表に出てくるやつは、まずないですナ。

嘆かわしいこっちゃのぃ。これはほんに憂うべき状態や。

「えらいすんまへん。熱弁してはるとこ、ハナシの腰を折るようで申しわけないんですけど、そいだけキャメルを持ち上げるっちゅうことは、またぞおろ、どっかで入手してきたんでっか?」

ピンポン。入手しました。

その顛末は、次回に続くんですナ。
崩壊して、いく久しいですナ。

とくに、あっちゃこっちゃから見も知らぬ人々が集う都会では、地域共同体なるものなど、夏祭りのおりぐらいしか機能しまへいでからに、みな孤独に打ち震えとうワケや。

けども、なんでもええさかい組織に所属せんと、どうにも座り心地が悪い、おいどの穴がムズムズするっちゅのがニンゲンのサガでして、そこで、昔ながらの村落共同体に代わるものとして、特に都市部で勢力を広めてきたのが、所謂宗教団体なワケです。

組織には求心力ちゅうか、具体的に認識できるシムボルがひっちょですナ。

宗教の場合、それは神様やホトケ様であって、それをみなして、まんまんちゃんすることによって結束するワケや。

個人で神様やホトケ様やその他ワケ分からんありがたい存在をお祀りするだけならそれは単なる信仰ですが、集団でやると宗教になるんです。宗教とは、信仰をネタとして共同体を組織し、あんなことこんなことしょうちゅうシステムなんですナ。

「ちょっと待ったらんかい。能天気な喫煙日誌や思うてたんねてきたら、わけの分からん宗教論展開しとうでここ。もうどっかいこかしらん」

まあまあ。

ちゃんと煙草のハナシになるさかい、もうちょっと待っときよし。

「あ。こいつが住んどうとこ、八王子やぞ。八王子ちゅうたらあの、なんかを科学したり、信者を参院選に出馬させたものの、誰一人当選せなんだりする、幸福に関係ある宗教団体のでえっかいタテモンがあるぞ。いや、それよりなにより、○価大学がそびえ立っとうやないかあい。こりゃ怪しい。やっぱ、どっかいこ」

関係ないってば。

ワタイのばやい、基本的に無神論者ですが、ウチの嬶は知り合う前から宗教に入ってます。

むろん、怪しげな新興宗教やのうて、カソリックや。キリスト教ですナ。

けど、世辞にも敬虔とはゆえまへん。

ミサには、行ったり行かなんだり、行かなんだり行かなんだり、やっぱり行かなんだり、突然思い出したように行ったりする程度の信者です。自ら進んで信徒やみなの世話役員になったり、聖堂掃除のご奉仕をしたりちゅうこともおまへん。

ミサのお布施なんぞ、多くて百円。それがなけらな、一円玉や五円玉やみなジャラ銭かき集めて寄進してます。自宅でお祈りは毎日しとうみたいですけど。

カソリックなんぞ、二千年の歴史があって、信徒の数も何億万人いてまっさかい、しとりやふたり、そんな心がけの悪いのがおったかて、意にも介さんフトコロの深さがおます。

ワタイもたんまあにミサに付き合いまっせ。

断固拒否する理由もおまへんのでね。十字架を見て、たらりたらぁりと四六の蝦蟇みたく脂汗を流したり、聖水かけられたら、ぎゃーとかゆうて、ジューと皮膚が溶けてケブリが出る特異体質でもおまへんし。

ミサにおいでになっとう信徒さんは、九割がお年寄りです。それと、まだ自らモノゴトが判断でけん、ぼっちゃんじょうちゃんたちですナ。かかる状況は、どこの宗教団体かて似たり寄ったりでっしゃろね。

さて、よく見かける信徒さんの中に、おそらく八十は超えとうやろちゅう、残念ながら矍鑠としてご壮健とまではゆえん、はっきしゆうて、もうあんまし長いことなかろっちゅう、おじいちゃんがいたはります。

このおじいちゃんがですナ、ミサが終わると、信徒会館の入り口にしつらえられとうベンチに腰掛けて、若干バイブレーションがかかったお手々で、おもむろにプカァーっとパイプをくゆらせはりますのや。

無論、煙草吸うてええ場所とちゃいまっせそんなとこ。灰皿もないし。しかしながら、誰も文句はいいまへんナ。

あれくらい年を経ると、周囲に迷惑かけるとかそういった俗事を超越してまうんやね。それに、みなから『先生』て呼ばれてますので、ま。それなりの人物なんでっしゃろ。

ワタイも早いことそないなりたいモンや。

使うてはるパイプかて、そらあ年季が入ってまっせ。となると、「かかるベテランパイプスモーカーは、どないな銘柄を好むのかしら。ぜしたんねてみたいナ。たんねるべきや。いや、も一歩進んでたんねてやろう」と思うのは、これまた人情でっしゃろ。

で、たんねてみたです。

「ぼかァずっと、ヴァゥクム・リフッだね」

最初、しぇんしぇが答えはった銘柄が、なにか分からんかったんです。すわ自分の知らん新銘柄出現かと興奮したんですけど、その四秒後、腑に落ちましたのや。

「『ボルクムリーフ』ですか?」

「そう。ヴァゥクム・リフッ」

ボルクムリーフはスウェーデン産でっしゃろ。かの国では『ヴァゥクム・リフッ』と発音するんでっせきっと。なあんし、ベテランパイプスモーカーのしぇんしぇがゆうてはるにゃさかい、まちごいおまへん。

ちゅうことで。

ヴァゥクム・リフッ

『ヴァゥクム・リフッ』

スウェーデン製。五十グラム入り、一千二百四十円です。

ヴァゥクム・リフッ(かなり面倒臭くなってきた)は、『他人のソラーニ』シリーズをプロデュースした天才ブレンダー、ルドガー・ウィルを一躍スターダムに押し上げた名品中の名品といわれています。

ホンマかしらん。

多分バーレーが激辛やでこのテキ。

それと、どうつっきゃうかがポイントやナ。
逆巻けパイプ

吸おう乗り出せ七つの海へ

アロスイ求めて、出費を下げろ

(出典:『海賊王子』ほとんどの読者は知らんやろこんな古いアニメ)

アロスイ系もなかなかええもんやのい。

と、最近思うワケですナ。

なあんし、基本的にグラム単価が安いのがええワナ。ワタイらビンボ人にとっちゃあ。

ここんとこのパイプ煙草運用実態を赤裸々に公開させていただきますと、『ブルーノート』及びそれを完喫せしあとは、『マックバレン・セブンシーズ・レギュラーブレンド』の単独運用となっとりまんの。

なんかね、伝統的なインギリッシミキシチャやオリエンタルなヤツと並行運用するのも面倒でナ。

「もう、これで充分やん」とか、ガラにもないこと思うたりして。

以前はあいだけアロスイ銘柄をこきおろしとったくせに、このジャガーチェンジぶりはいかなることぞと、我ながら不可解に感じてます。

「ふん。とうとうパイプ煙草のなんたることか、なんたるちゃに気づきよったナ。何年かかっとうねんこのオヤヂ」

と、アロスイ系の信奉者、ナチュラルチョイスさんの会心のほくそ笑みが、ありありと目に浮かぶようや。

ちゅうて、ご本人にはお会いしたことないねんけどね。

ですので、ほくそ笑み部分だけやけにリアルで、残りの顔のパーツはぬっぺっぽうでんねん。

寂しいよって、ふなっしーみたいなおめめ描いてみたろか。ヒャッハー。ぷ。おもろ。

想像上のナチュラルフェイスで遊んどうバヤイちゃいますナ。

アロスイ銘柄を見直したついでに、例のキースシャグシリーズの美味さに感銘を受けまして、マックバレンブランドを擁します、ハルバーグ社についても見直させていただきましたのや。

で、まあ以前から気にはなっておりました、この銘柄を誂えてきたワケです。

桃山II

『桃山II』
製造デンマルク(マックバレン)、販売JT、五十グラム入り、一千二百四十円。

これは、知る人ぞ知る国産パイプ煙草ですが、今はマックバレンに製造委託されとうヤツですナ。

かなり味が変わってしもたようですが、ワタイなんぞ、幸か不幸か国産時代のヤツを知らんさかい、どうでもええもんね。

現行のヤツだけで勝負や。

さあて。どんな味なんでっしゃろか。

『ピース・アロマ・クラウン』(タール六ミリのほう)をいただいてみましたのや。

結論から先に申し上げますと、美味しいです。

ま。そんなん、ハナから分かってたんですけどね。

ただし、残念ながら『ザ・ピース』には、一歩及びません。

ま。これも、ハナから分かってたんですけど。値段の差を考えりゃ、じねんと分かりますわそないなこと。

まずカザを比較してみまひょ。

『ザ・ピース』を開封すると、一流デパートの一流洋菓子店のショーケースに、どや! とばかりに陳列されとう、一流レモンケーキのカザが、むわわあんと立ち込めます。

しかるにこの『ピース・アロマ』の場合、JR浜松町駅と都市モノレールの連絡通路にあるミヤゲ屋さんの、手垢が一杯ついたショーケースのすまんだに、申し訳なさそうに陳列されとう、二流レモンケーキのカザなんです。

「めっちゃ具体的な表現のわりには、いまいち本質的なとこが伝わってこんな」

さおか。けど、オボロゲなニュアンスは伝わりましゃろがい。

※すんません。
浜松町からは、モノレールはでてません。新橋といっしょくたになってました。
地下鉄との連絡通路ですナ。

次に喫味ですが、『ピース・アロマ』には、残念ながら若干ヴァジピリ(ヴァージニア葉が乾燥すると繰り出してくるピリピリした不快系刺激)があるナ。

しかしながら、ピース愛好家の皆さんにしてみりゃあ、「このピリピリがないとピースやない!」ちゅうとこかもしれまへんけども。

グダグダ書きましたけど、端的にゆやあ、『ロングピース』『ザ・ピース』の中間ぐらいの美味しさちゅうことなんや。

けどね、シガレット仲間じゃ、かなりハイレベルなところに位置するのは間違いないデ。

『ザ・ピース』が美味すぎるです。

なあんし、『ザ・ピース』は、世界最高のシガレットでやっさかいね。

ま。テンから勝負にゃならんわナ。

ちゅうことで、ご報告が遅れましたが、ちゃんと買うてきましたで。

九月一日発売やのに、なかなか登場しやへんさかい、ヤキモキしとったんちゃう?

ピースクラウン

『ピース・アロマ・クラウン 100's』
JT製、ロングサイズ二十本入り、五百円。
T6mg、N0.6mg。

ピースロイヤル

『ピース・アロマ・ロイヤル 100's』
JT製、ロングサイズ二十本入り、五百円。
T10mg、N1.0mg。

いやあ。うれしやないかあい。

かかる気合いの入ったしんしょうしんが発売されますと、ムスっとしとこ思いましても、じねんと顔がほころんで、あっちゃこっちゃべろべろ剥げてきて、急いでつつくらなあかんようになりますナ。

ワタイなんかね、それまで吸うてたケント・テイストプラス・八ミリメートルがのうなりまして、いよいよピースに手が伸びかけたおり、急にせちべん根性がでて、そんないきなり吸うてええんやろうかと迷いまして、思わずラーク・ロイヤルブレンド買うてきてもたくらいやさかいね。

けど、結局我慢でけんようになりまして、アロマ・クラテキを開けてまうっちゅう、ちょっとしたコントを演じてまいましたワ。

ラーク・ロイヤルブレンドの立場はどうなるの?

ま。そのうち吸いますけど。

さて、味はどうでしたやろか。

当然それは、次回に続くんですナ。