と、小学生のおり、待ち遠しかった遠足の前日に、先生に対して問いかけたか、問いかけているクラスメイトの真剣な横顔と、澄ました顔をして佇んでいる先生の顔を交互に見つめた記憶を誰しもお持ちのはずだ。

「確かに記憶はありますが、標題の文言には大変な違和感があります」

え? どっかおかしい?

私が小学生のおり(四十年以上前)は、遠足のとき持参してよいおやつは百円までと決まっていた。

今時百円ぽっちではなにも買えないが、昔はそらあ持ちきれんほど大量のおやつが贖えた……。わけではなく、子供心にも『物足りないナ』と思える大変微妙な金額で、デザートとして持っていくバナナやみかんの価格が、その百円の中にインクルードさせると困るわけである。

先生の応えは「もちろん別です」と決まっているのだが、それが嬉しくて、遠足の前日には必ず質問していたのである。

さて、おやつならなんでも持ってきてよいかというとそんなことはなく、ちういんゴムは禁止となっていた。なぜなら禁止だからだ。

だが、クラスで一人だけ、ちういんゴム持参を許された子がいた。彼の名を○○クンという(すっかり名前忘れてしもたのや)。

というか、遠足のおりは常に、ちういんゴムをワンセットしか持ってこなかったのである。

そういえば、おべんとも持ってきていなかったような。

ちういんゴムしか食べられない特異体質であったとは考えにくいから(給食残さずくてたし)、今から思えば、家が貧乏で遠足のおり子供におやつ代を百円もあげられなかったのだね。それに、豪勢なおべんとなど、もってのほかだったのだろう。

確かそのおりは、ロッテのちういんゴム一個十円とか二十円だった記憶がある。

ちういんゴムであれば長持ちして、寂しい思いをせんでもええさかい、学校も特別に許可したのだろう。

ところがこの○○クンが気のええやつで、彼の複雑なる家庭事情を鑑みない悪ガキに、なけなしのちういんゴムを請われるがままあげたりしていたのだ。

○○クンよ(名前忘れた)。チミは今、子供の遠足のおり、限度額一杯までおやつ代を提供できるような家庭を築けたかね?

四十年の歳月をへらまこいて今、八王子の空の下、この実装者は心よりそうであらんことを願っておるぞ。

「なんのハナシでやんねん?」

あ。

実は先日、このようなものを手回してきましたのや。

実装者流-マイヤーズ

『マイヤーズ・ダークラム』
七百十四円。二百ミリリットル、アルコール分四十パーセントというスペックだ。

「どっから見てもお酒ですな。これは煙草の日誌だったはずですが」

別に、これを瓶なりグビグビ飲んで、へべれけオヤジになろとて贖うてきたわけではないのだ。

先日、『ブローアップ』というシャグ煙草を買うてきて、さまざまな紆余曲折があり、結局チュービングしたところ、ハイライトに近い味になったのだ(倍ぐらいきついけど)。

「これで、ラム酒で味付けしてあったら、ほんまにハイライトやな」

と考えたとき、この喫煙極道の生き腐れアタマのシナプスがピピピと悪いほうへ結線したのである。

もうお分かりだろう。

『ブローアップ』はもう全部チュービングしてしまったので間に合わないが、ほかのやつに、加湿を兼ねてこのラムテキを振りかけちゃんちゃこしてみたろと考えたのだ。

たとえば、まだぎょうさん残っている『プリンス・アルバート』とかな。

テキはバーレー葉のブレンドなんで、そらラム酒をチューっと吸いまっせ。

パイプ煙草の世界では、加湿も兼ねてダークラムをふりかけ、味を調えるのは常套手段みたいでやっさかいナ。

「加湿目的なら、クレーム・ド・カシスがいいのでは?」

それはあれでっか? ニワカでっか?

かしつかしすの。 え?

ま、というわけでな。

このラムテキ購入金額をたばこ銭に加えるべきか別にするか、大層悩んでいるという次第なのだ。

せんせ。もういっぺんおたんねもうします。

おやつはバナナに入るんですか?
今月はあんた、大台突破確実でっしゃろな。

「大台ってなんのこと?」

ようそんな、頼んないひつもん投げかけてきはるナア。

決まってまんが。月間たばこ銭がやな、昨年十月の大増税以来初めて大台を突破しまんねんが。

「はつはぁーん、十万円突破しまんねんな?」

アホかいなあんた。ワタイらみたいなベタベタの庶民が、たばこ銭に月十万円遣うてどないしまんねんあんた。

一万円です。

そらワイかて、

「今月は、そらもう、『コイーバ マデューロ 5 ヘニオス』を二十五本まとめ買いしちゃったりしてからにサ。おかげさまでたばこ銭が軽く十万円突破しちゃったりしてもてサ。のはは♪」

と、江戸っ子弁と関西弁混ぜこちゃんちゃこして、己の経済力をひけらかしたいデ。

「あーあ。今月はたばこ銭によけ銭遣うたナ。ほんまワイは極道やデ」

と、後悔と『ワイはそこらへんの喫煙者とはちゃうのや』という面映い誇りがないまぜになった感慨を抱くためには、すけのうても三万円は遣いたいがナ。

けどそれは土台無理な相談なんや。

そんな銭あるんやったら、タブレットPC買うわ。ほんで、アンドロイドプログラミング勉強して本書いて元取るわ。

なんしあんた、『もしかすると一万円突破するんと違うか』と思うただけで、しょんべんチビりそうになっとるんやさかい。

せんど『チェ・シャグ』を買うてきた時点で、早くも先月のたばこ銭五千六百七十五円を越えてもたさかいね。

ほんであんた、月末にとある計画を実行に移すつもりで、それにはあんた、それなりにまとまった銭が必要でね。

それに加えてあんた、年末年始の休暇がありまっしゃろ。ライター稼業は休みなしでっけど、システム開発の仕事が休みになりまっさかいナ。

そうなると、ちょっと事情があってキセルやパイプ使えまへんさかい(葉っぱがそのへんにこぼれるんで、かかに叱られる)、普通の紙巻煙草を仰山ストックしとかんとあかんデナ。

なんか、こんなこと書いてたら、めちゃめちゃブルーなこんころもちになってきたわ。

このさい、月賦でタブレットPC買うてきて、アンドロイド勉強しょうか。

みんな元気にシガレッてる? おされタバコの実ネエよ。

なんかさあ、ここんところ実装者ちゃんが、安もんシガーにうつつを抜かしているもんだから、アタイの出番が全然回ってこなかったのサ。

おされタバコを買う予算も締め付けが厳しいしサ。

おまけに、本当はおとといあたりに登板する予定だったんだけど、急遽『チェ・シャグ』を紹介したいからってんで、ズレズレになっちまったのサ。

待ち遠しかったでしょ?

オンナノコには葉巻なんて必要ないものだって。

オンナノコがさ、カストロやチャーチルやオーソン・ウェルズみたく眉間に皺寄せて、ぶっといダブルコロナの葉巻咥えててごらんなさいアアタ。周りのオトコ、みんなピューッと走って逃げちゃうわヨアアタ。

チェ・ゲバラだって用なしヨ。

というワケでね。今日は以前紹介したキスのシリーズにしようと思うのヨ。

実装者流-キス・ストロベリー

『キス・ストロベリー』

ロシア製。スリムサイズ二十本入り、三百九十円。 T5mg、N0.6mgってスペックよ。

前にご紹介した『キス・エナジー』の記事では、T5mg、N0.5mgってなってたけど、あれは嘘で、T5mg、N0.6mgが正解よ。

お詫びと供に訂正させていただくわ。

相変わらず安っぽいパッケージだけど、この『キス・ストロベリー』は、マジ美味しいわヨ。

いちごフレーバーなんだけど、甘ったるくないわ。

本当のいちごも甘いとは言えないでしょ。いきなりガツンと甘味がこないじゃない。

酸っぱくて青臭いスクリーン越しに、遠くかすかな甘味の存在を感じとるわけでしょ。

そのへんをこのタバコは、絶妙な着味テクニックで再現しているのサ。

自然の風味っていうのかな。まあ百パーセント果汁を使ってるわけないんだけどサ。

対極にあるのが、リトルシガーのブラックストーン・ストロベリーね。

あんなもの、フレーバーなんて生易しいものじゃなくて、芳香剤だものアアタ。

アタイなんか、このタバコをより一層美味しくいただく方法を発見しちゃったのヨ。

グラスに牛乳をトクトクトクと注ぐの。それへさして、スプーン一杯のグラニュー糖をぶっちゃけて攪拌するのサ。

それをチビチビ飲りながら、キス・ストロベリーを吸ってごらんあそべ。

立派ないちごミルクのできあがりヨ。

……。

冗談だからネ。

ちょっとぉ。冷蔵庫開けて牛乳パック出さなくていいってば。

おさとうも仕舞いなさいってば。

どうでもいいけど、この芽生姜みたいな外見だけはなんとかならないものかしらネエ。

初めて腑に落ちたんやデ。

なにがって。ゲバテキ(チェ・シャグ)の緊急発売理由でやんが。

どうやらゲバテキはな、スタッドオートマールスムやフロリーナの代打やのうて、『マニトウ・ゴールデンシャグ』の代打として登場してきたみたいなんやデ。

あんまし実害がないのんで、ふーんと思うてただけなんやけど、実は『マニトウ・ゴールデンシャグ』があちこちで品切れ起こしてまんのや。

テキは人気モンやさかいナア。

ま。スーでも代役が務まって余りあると思うけど、『マニトウ・ゴールデンシャグ』フアンは我慢でけんのやろね。

チェ・シャグは、ヴァジ甘ヴァジピリで、極めて『マニトウ・ゴールデンシャグ』に近しい味になっとります。

なるほどなあ。

煙草吸いの気持ちがようわかっとうちゅうのか、商魂逞しいっちゅうのか、さすがや。

よう、似たような喫味のやつ調達してきよるモンやデ。

今は安定供給されるようになっとるけど、ちょっと前まで小粋がよう品切れ起こしてたおりには、すかさず宝船連れてきよったしな。

ほな、スタッドオートマールスムやフロリーナの代わりになるやつ、ちゃっちゃと探してきておくれやす。

どうでもええけどな、この『マニトウ・ゴールデンシャグ』に酷似した味の煙草とやな、チェ・ゲバラのおやっさんと、なんの関係があるわけ?

どこでどう繋がるん?

余談でっけど、チェ・シャグは常喫煙草に任命することにしたのや。

ほんで、宣言どおり常喫煙草の地位をこんころ落ちたブローアップは、チュービングされて、結局二十五本のフィルターつき紙巻シガレッツになりました。

ほんまは、シャグなんぞちゅうもんは、いっぺんにシガレッツに変身させたらあかんねんけどね。

加湿しといて、当面吸う分だけシガレッツにしたほうが美味しくいただけるねん。

けど、めんどくさいよってな。

え? なんです? 収穫本数がすけない。

そんなもんでっせ。経験上からすると、シャグの場合はグラム数×1.1ぐらいしか本数は取れまへんわ。

大体今まで二本分ほどパイプで吸うたとして、二十七本でっしゃろ。

ブローアップの値段が五百七十円やよって、巻紙代は計算に入れんかったとすると、一本二十一円で、二十本換算で四百二十二円ちゅうことになりますわナ。

その辺で売ってる煙草とちょっとも変わりまへんわ。

何べんも言うようやけど、シャグ煙草が経済的っちゅうのは、パイプでせちべん喫煙した場合のみ適合することでな。

巻いてしもたらあきまへん。

世の中、煙草のみが得するようにはでけてへんワケや。

ゲバテキ(チェ・シャグのことやで)はヴァジ系やったわい。

なんし、ウジウジ悩んどってもしゃあない思うてね、えいやっと開封したところが、なんの変哲もなさそなヴァージニアメイン系煙草やったんや。

ちょっとショックやデ。

移す器がないさかい、蓋を開けてみたところの写真で堪忍してや。

実装者流-しもた

どうです。

どっからみてもヴァジでっしゃろ。マニトウ、スー系でんな。

こんな怪しげな銘柄を、暗黒煙草品薄のおりに緊急発売せえでもええねん!

ほんま紛らわしい。

どないしょ。

ここは一番、せんに買い求めたブローアップはチュービングして普通の煙草にし、ゲバテキを常喫にしてみよかい。

最近葉巻ばっかり買うとんので、なんぞのおりに吸う煙草が心もとないさかいナ。