パイプ煙草だけで暮らしていかれへんわけや。

なんぼ化けるほどシステム開発の現場で長いこと生きてるフリーランスのプログラマーで、他人の眼ェなんぞどうでもええちゅうたかて、完全自由人とはほど遠い、客先常駐形態の仕事しとったらあんた、パイプ煙草だけではどうにも生きていかれへんわ。

例えばあんた、通勤その他で道を歩いとうおりに、急にムラムラときたとしまひょか。

ムラムラくるっちゅうても、道行く小股の切れ上がった婀娜な姐さんのケツに劣情を催すのとちゃうで、煙草が吸いとうなるんやで。

まあ、たんまあに劣情を催すおりあるけど。そんなこたどうでもええねん。

僥倖にもあんた、近くにパブリック喫煙スペースがあったとしてもあんた、いちいちパイプなんぞ繰り出しとられへんわけや。

そういうおりには、しゅーっと出してちょぉーっと吸えるライツウエィツな紙巻煙草が重宝するわナ。

家におるときかてそうやデ。

なんしあんた、平日は毎朝『出勤』たらちゅうのしまっさかいね。

朝眼ェ覚ましてから仕事場へさして出立するまでは、こんなワタイでも、家庭のあわただしいルーチンワークのひとつのオブジェクトとして機能しとうわけであって、のんびり椅子に腰掛けてパイプ煙草なんぞ吸うとられへんわけや。かかにドタマ張られるデ。

ブレックファストを済ませて、うがい手水に身を清め、手甲脚絆に草鞋履き、縞の合羽に三度笠、肩には大小の振り分け荷物、口にふさ楊枝を咥えていざ出立という前に、紙巻煙草をしゅっしゅーっと一服ちゅうのがちょうどええのや。

「あの。機嫌ようお話のところ恐縮なんですけど、一体今日はなんの話なんでっか? どうもこの論旨が不明瞭で……」

コホン。

こんなあんた、ブログのざれごとに論旨も老子も韓非子もあらへんやろが。

まあ要するにメインをパイプ煙草にしたかて、やっぱし紙巻煙草は必要やちゅうことや。

それで、このワタイは、おのれの嗜好にぴたりとフィットした紙巻煙草がどこぞにないかないなと、ずっと探し続ける、天災バガボンドなんやちゅうことが言いたかったワケや。

分かった?

分かってくれたなら、いよいよテキに登場してもらおかいな。

はい。こっち出といなはれ。

実装者流-キスロマンティック

『キス・ロマンティック』

ロシア製。スリムサイズ二十本入り三百九十円。T3mg、N0.4mg。

とうとうこれでキスシリーズを全種類制覇したのやデ。

めでたしめでたしやな。

なにがめでたいのかよう分からんけど。

ちょっと残念なのは、せんに吸った『キス・ドリーム』も、この『キス・ロマンティック』もノンフレーバーでな、ほとんど同じ味ちゅうことや。

『キス・ドリーム』はT5mg、N0.6mgちゅうスペックやさかい、『キス・ロマンティック』はそのライト版ちゅうことになるわけやね。

ノンフレーバーですけど、ほんのり甘いで。

けどそれは煙草の葉の天然由来成分の甘みやのうて、どうも香料で甘みを出しとるような気がするねん。

別にその甘みを否定しとうわけやのうて、そこがキスシリーズの長所やと思うねんけど。

さて、最後の六箱めでやっと気づいたことがありまんねん。

フィルターがやけにツルツルピカピカしてますねんこのキスシリーズは。

なんでやろかしら思うたら、フィルターへさして、『パールチップ』ちゅうのが仕込んであんねんて。

そのパールチップのおかげで、えろう口紅が付着しにくいらしいわ。

おっさんのワタイにはなんの関係もないけどナ。

ワタイなんぞがけわいするちゅうたら、死んだおりの死に化粧ぐらいのもんでっしゃろさかい。

日本たばこも、おもろいことやりくさるおりあるもんやデ。

テレヴィジョンのニュース番組でも取り上げてるの観たことあるんで、ご存知の方も多いやしらん。

来月、『ザ・ピース』というピースのハイエンド銘柄が発売されるらしいのや。

なんでもあんた、最上級のヴァージニア葉を使うとうさかいあんた、二十本入りで一千円もするんでっせ。

日本たばこ製の銘柄だけにとどまらず、世界的に見ても驚愕の値段やわな。

ワタイが知っとう範囲において、それよか一本あたりの単価が高い紙巻煙草は、『ダビドフ・マグナム』『トレジャラー』ぐらいなもんですわ。

まあ、発売された場合、ついフラフラと買うてしまうか、それともすんでのところで思いとどまるかはこっちゃへおいといて、ワタイ、オリジナルのピースを吸うたことあらへんのやないかちゅうことに思い当たりましたのや。

もしかすると、一本ぐらい誰ぞに貰うて吸うてみたことあるかもしらんけど、少なくとも自分で買い求めたことはないはずや。

これはちょっと拙いのんと違うかえ?

喫煙極道たるものがやな、え? なんです?

喫煙極道やのうて、喫煙ド外道といってよい活動っぷりですな」

誰やそんなことぬかすやつは?

陰でこそこそ言わんと、こっち出てきて言いなはれ!

ま、ちょっと当たっとうかもしれんけどナ。

その極道かド外道がやな、日本たばこが誇る伝統的超有名銘柄を吸うたことないとは、これまたなんちゅうこっちゃろかと恥じ入った次第なのや。

で、早速買い求めてきました。

実装者流-ピース

『ピース』

レギュラーサイズ十本入り、二百二十円。

T28mg、N2.3gっちゅう、今時やないハイスペックのバケモノ煙草ですな。両切りやし。

かかる十本入りのやつと、缶入りのやつとは微妙に味が違うっちゅう、まことしやかな都市伝説を小耳に挟んだことあるけど、さすがに五十本もいらんしなあ。

とにかく、そこらへんになんぼでも転がっとう凡百の紙巻煙草と同じように、なあんも考えんとちゅちゅーっと吸いこむと、あの『マニトウ・ゴールデンシャグ』でさえ、「こりゃとても敵わん。こうなったら、カラカラに干からびて出直してきますわ」と、しゅーっとどっかへ逃げていくほどの猛烈なピリピリがくるので、一回の吸引で二ミリ程度燃焼さして、ゆっくりゆっくり吸わんとどんならんで。

喫煙極道用語でいう、『スローバーニングを心がける』ちゅやっちゃ。ストレートなヴァジ系煙草を嗜むおりの鉄則やさかいナ。

そしたらあんた、ほんのりとした甘味が、じんわりと味蕾へさして直撃してきますわ。

それでも吸い終わった後、くちべろビンビン痺れとうけどな。

吸い終わったあとの残り香が、なんとのう昭和の高度成長期における家庭の茶の間を思い起こさせて、なかなかええもんやなあと、ふと思うたりしましたのやデ。

そや。

ちなみに、『プリンス・アルバート』は無事完喫いたしました。

言うても、こっちはフルタイムパイプスモーカーやさかいね。

パイプ煙草の消費は早いんですわ。

え?

なんでっかそこでボソボソと。

ん?

『フルタイムパイプスモーカーになって喜んどらんと、早うフルタイムライターになれ』

てですかいな。

ほっといてんか。

フルタイムライターなんぞ、いつでもなれるわいあほ。

収入の爆減をかかあが許してくれたらな。

何回も引っ張って申し訳ない。

明日は違うこと書くつもりなんで、もう一日だけ我慢してや。

職場に常駐していたカピートミニパイプとDRUMは撤収して、自宅へさして連れて帰ってもたワケや。

これがなにを意味しとうか分かりまっか?

わからん? 頼んないがっきゃ。

ほな言うたるわ。

基本的にワタイはパイプ喫煙者となったちゅうことなんやデ。

『ダンヒル・マイミクスチャー965』に完全にはまり込んでしまいましてな。ま、一時的なもんかもしらんけど、他の煙草を吸う気がせやへんのや。

なにごとも我慢するとストレスたまって体にようないでナ。

ここは一番、他人様の眼を気にしとったらラチあかん思いまして、平日日中でもパイプ遣うことにしたんですわ。

ちょっと恥ずかしいけど、よう考えたら、今までせえだいキセルやらミニパイプやらで煙草を吸うてきたわけで、喫煙所で顔を合わせる人々からは、既にケッタイなおっさんと認識されとんやさかい、普通のパイプ持ち出してきたかてどうちゅことあらへんのですわ。

大体ね、自分で意識するほどには他人様はなんとも思うてへんもんやさかいね。

誰もワタイのこと見てまへん。

見て見んふりしとうだけかもしらんけどね。あほがうつる思うて。

カピートミニパイプとDRUMがのうなった今、非常にすがすがしいこんころもちです。

DRUMはチュービングして、なんぞのおりのときにでも吸いますわ。

ところで、問題はテキらや。

『プリンス・アルバート』はもうじきのうなるさかいええとして、せんだって買い求めた『ゴールデンブレンド・アマレット』と、『メロウブリーズ』の着香着味煙草や。

あんなもん買わんと、エゲレス系とか、ケンダル系とか、バルカン系にしといたらよかったのやで。やっぱし、どうしても着香着味もんは、煙草としては薄っぺらいでな。

ちょっとも減らへんし、多分ダンヒルのほうが先にのうなるのと違いますか。

ダンヒル965ばっかし吸うてました。

ラタキアのケッタイな喫味はまあこっちゃへおいといて、最初は煙草としてえらくストロングで苦くてかなわいんわいと思うてましたけど、その味に慣れ、詰めかたや吸いかたを工夫するようになると、俄然美味しゅう感じるようになってきたんでっせ。

なんし今日なんぞ、パイプとコンパニヨンとセットで職場へつれてきたぐらいでやっさかいね。

さすがにちょっと照れくさいんで、朝早いおりぐらいしかよう吸わんと思うけど。

吸うて暫くするとまた吸いたくなってきますねん。ほかのタバコやと、なんや頼んない感じでナ。

これは癖になりますわ。

なんか、習慣性の成分が入っとんとちがうか。

「とんなん、実装者はん、ワタイはその習慣性の成分に心当たりありまっせ」

え? ほんまでっか?

「とらあんた、ニコチンなガナ」

ちゃいまんがな、ニコチンやったらどんな煙草でも混入しとるが。

ワタイが言うてるのは、ニコチン以外の怪しげな成分のことなんでっせ。

「ほたら、サンコチン!」

ニワカしてる場合ちゃいまっせあんた。サンコチンてなんでやんねん?

けど、ニコチンが正解かもしらんな。

きっと、紙巻煙草なんかに比べて桁違いのニコチン含有量なんと違うかしら。

『ダンヒル・マイミクスチャー965』を開けてしまいましたのや。

せめて『プリンス・アルバート』がなくなるまでは我慢せなどんならんと思うてましたんやけど、まあダンテキは缶入りで密封性が高いよって、早めに開けても問題なかろ思いましてナ。

こんなんです。

実装者流-965中身

そらああんた、えげつないラタキアのカザでっせ。

正露丸臭とはようも言うたもんや。

その驚愕のカザと味に、ワタイがそこらじゅう走り回ると期待してはった人には申し訳ないようなけど、まあ想像しとった喫味ですわナ。

なんしこっちは、既にイングリッシュミクスチャーの上等なやつ体験済みでやっさかいね。

それは他でもない、『マクレーランド・ブラックシャグ』ですわ。

テキはあんた、深煎りヴァージニアとラタキアほぼ1対1の、どこへ出してもはずかしゅうないイングリッシュミクスチャーやったんやさかい。

『マクレーランド・ブラックシャグ』のほうが美味かったような気もします。

ちなみに、リンクを貼った先の記事には、『マクレーランド・ブラックシャグ』のことを暗黒煙草と誤認識してますけど、それっちゅうのが、どっかの素人が、ブログで紹介しとったのを鵜呑みにしてもた結果でしてな。なあんの、ちょっとも暗黒煙草なことあらへん。ラタキアばりばりのイングリッシュミクスチャーやったのや。

『ダンヒル・マイミクスチャー965』は五十グラム千六百円なのに対して、『マクレーランド・ブラックシャグ』は同じ五十グラムで二千五百円でやっさかい、値段からしてもそうでなきゃならん。ラタキア葉も向うのんが上等っぽいし。

『ダンヒル・マイミクスチャー965』は、ちょっとラタキアの配合度合いがすけなくて、他の葉の苦味とピリ味の後ろに隠れてしもてるような気もします。

吸った後は、やっぱり口の中が、らたきあらたきあしてますけど。

火着きがあまりようなくて、安定するまで手間掛かりますけど、それはまあワタイの喫煙技術のなさですわな。