二十一本の紙巻煙草が収穫できましたのや。

「なんのこと?」

トップ・レギュラーでんがな。

せんに十一本ローリングしましたやろ。昨日はその残りを巻いてしまいましたんですわ。

ここでちょっとはっきりさせとかなあかんのは、ワタイの収穫方法です。

シャグ煙草ちゅうのは、収穫方法によって本数がガラリと変わりますよってナ。

ワタイの収穫方法は、全長七十ミリメートル、直径約八ミリメートルで、フィルターなしの両切り。

ショートピースありまっしゃろ。ちょうどテキと同じような煙草を目標に巻くわけでんナ。

当然あんた、太い細いありますけど。

しかし、十一グラムで二十一本とはおそれいりましたナ。

一袋三百四十円でやっさかい、一本あたり十六円二十銭、二十本やと三百二十三円八十銭ちゅう計算ですわ。

これはシャグ煙草にしては相当な歩留率でっせ(こんなとこで使う言葉と違うけど)。

それほど不味いこともないので(その代わり、びっくりするほど美味くもない)、いっぺん試してごらんになってもええのんと違いますやろかナア。

ところで、一緒にDRUMの残りも巻きましたんやけど、両方とも最後に一本分に足らん粉みたいなのが残りましたんで、ブレンドちゃんちゃこして一本巻いたりましたんや。

そんな煙草が美味しかろうわけないんですけど、まあ話のタネにと思うて。

案の定、甘いんやら苦いんやら辛いんやら薬品臭いんやら、ちょっともテーマの定まらん、ワケの分からん味になりましたワ。

一番往生したんはあんた、DRUMとトップで燃焼速度が違うモンで(トップのほうが早い)、煙草の半分だけがどんどん燃え進むことやったんですわ。

こらとても吸うてられんと思うたもんでやっさかい、半分ぐらいでほかしました。

DRUMと、フランドリア・ブラックのブレンドは成功裡に終わりましたけど、なんでもブレンドちゃんちゃこすりゃええちゅうワケやありまへんさかいな。

シャグならシャグ同士、リボンならリボン同士混ぜナどんならん。

さて、もうひと袋買い求めてある『トップ・ゴールド』は、来月たばこ銭がリセットされたおり、さや紙調達してきてフィルターつき煙草にしますわ。

やっぱし両切りはキツイでナ。
実は、アマテキ(ゴールデンブレンド・アマレットのこっちゃデ)、あとちょっとで終わりでんねん。

ぎゅっと詰めたら、四、五回分ぐらいとちゃいまっしゃろか。

やっぱしあんた、『買うた煙草は、なんぼ不味うても吸いきらんともったいない』という、ワタイのあんた宿痾であるあんた、せちべん根性が出ましてナ。

それとね、残り四分の一か五分の一ぐらいになったおり、『ダンシル965』とブレンドちゃんちゃこして吸うことを思いつきましたのや。

そらあんた、ケッタイな味になってまいますけど、アマテキ単独で吸うよかなんぼか美味しいでナ。

普通、着香モンとイングリッシュミクスチャーは混ぜまへん。

もしワタイが『八王子パイピスト倶楽部・スモーキンダディ』てなソシアルサークルに入会しとって、先輩諸氏の前で、そんなどろかいブレンド披露した日にゃぁ、一発で除名ですわ。

けど心配おまへん。

ワタイはフリーランスの一匹喫煙愛好者やさかいね。そんなサークルなんぞ絶対入会しまへんわ。

そういうとこにはあんた、絶対うるさがたがおりまっしゃろ。

パイプ喫煙道三十年とか四十年とかちゅうふれこみで、誰も任命してへんのにリーダー面して、二十年前に流行したカジュアルな装いで、職業不詳で、顔が妙に浅黒うて口しげなんぞ生やかして、キューティクルが全部抜け落ちて半分がた白うなっとるくせに、長髪にして後ろで束ねとって、

「やっぱり、○○は××でなきゃ」

とか

「んーまいっちゃうナア。そんなことしちゃ駄目だよきみ。分かってないんだねえ」

とか言うとうオッサン。

そんなオッサンには、必ずというてええほど取り巻きが何人かおって、阿諛追従しくさるワケや。

「そうですよね。そうですよね」

とかとか。

生涯お前らの手下にはならんど。

「心配せいでも、手下にしたらへんわ、お前みたいな外道」

あ、さおか。
こんころもちやでホンマ。

実はな、ここのところずっと落ち着かせてもろとう会社が、今月末にしっこししますねん。

もうそらあんた、事務所はあんた、散らかりまくった倉庫みたいになってまっしぇ。

ダンボールや紙くずがたんまり入ったビニール袋やみながその辺に積みあがっとったりしてナ。

気ぜわしのうて、ちょっとも仕事が手につかんわ。なんし、平素から集中してよう仕事せんのに、輪ァ掛けて仕事でけまへん。

キーボード一本背中にせたろうて、お座敷がかかりゃあどこなと流れていくフリーのプログラマー稼業やってると、たんまあにこういうシチュエーションにでっくわしますわ。

もしかして、真面目に勤め人やったはるおかたよか、回数が多いのんと違いますやろか。

まあ、ぶっちゃけたとこ他人事なんやけどナ。

さて、煙草の話に移りまひょか。

実際のところ、今月はもう煙草買う心積もりしてまへんので(もしかすると紙巻煙草ひと箱ぐらい買うかもしれん)、なかなかネタがのうて困りまんねんけどナ。

今日は、パイプ煙草の奥深い世界のことがひとつ分かったような気がしましたんで、ご報告させていただこうと思うとるんですわ。

今月のあたまに買い求めた『ゴールデンブレンド・アマレット』なんですけどね、あれ、あんまし美味しいことありまへんねん。

それというのも、そうですなあ。着火して最初の一分ぐらいは杏のお酒の芳醇なカザと甘味がするんですけど、それ以降は辛いだけになってしまいますのや。

辛さにもふた通りありましてナ。ハバナ葉やみなの、熟成されたスパイシーな辛さは心地よいんですけど、ヴァージニア葉のピリピリは、悪る悪うドタマにきますのや。

アマテキの辛さは後者のほうです。

ちょっと、もっぺんアマテキの中身見てもらえまっか。

実装者流-アマレット中身


黒くてちいちゃいのがキャベンディッシュ、大きくて明るい茶色のがヴァージニア葉でね。

こいだけヴァージニア葉が大きかったら、そら辛いに決まってますわ。過燃焼も起こしやすいし。

要は、ワタイの喫煙技術が未熟で、このアマテキからは旨味をよう引き出せへんわけですわ。

この銘柄は、素人が手ェ出したらあかんかったんや。

なんとなく、パイプ煙草に関しては、『着香着味モンは入門者向け、イングリッシュミクスチャーは熟練者向け』というイメージを抱いてたんですけど、そんなことちょっともあらへんワケや。

着香着味モンにも素人向けと玄人向けがあるし、イングリッシュミクスチャーにも素人向けと玄人向けおます。

その証拠に、『ダンシル965』は、ワタイらみたいなモンでも、美味しゅういただけまっさかいネ。

これからパイプ煙草を始めてみよかっちゅうおかたにご忠告しときますわ。

煙草通販ホームぺいしの解説なんぞ読んで、

「この煙草、甘そうな味付けがしてあるみたいやさかい、素人のボクでも大丈夫やろ。値段もお手ごろやし」

と簡単に手を出したらえらいめェにあいまっせ。

もし、身近にパイプ喫煙者がいたはったら、アドバイスしてもらいなはれ。

それとな、『最初やから安いヤツでええわ』という考えは間違うてます。

一番最初に吸うやつなりゃこそ、値ェの高いやつにしなはれ。

煙草の世界は、名前だけで売るブランドとかあらへんさかいね。

値ェが高いほど美味しいに決まっとるんです。

安いやつは、喫煙技術が向上してから気分転換に吸うべきですナ。

昔から言いまっしゃろ。

『安モン買いの銭失い』

ちゅうてからに。

ところで、これも月初に買い求めた『メローブリーズ』ちゅうのが、開封もせんとまるまま残ったあるんやデ。

なんか気ィ重いワ。
おいらぁーが怒れば煙草を吸うぜっ♪

ムカついとうおりに煙草吸うたあかんデ。

幸せな気分のおりに美味しいやつ吸うて、余計しゃわわせな気分になるのがホンマの煙草とのつっきゃいかたなんや。

生産農家や加工業者やブレンダーのおっさんやみなに心から感謝して、大地の恵みである葉っぱに感謝して煙草吸うてみよし。

めったと肺がんや肺気腫や心筋梗塞にはならへんはずや。

ま、保証はでけんけどナ。

しかしあれです。

こう、とっかえひっかえいろんなジャンルのいろんな銘柄吸うてたら、どれが美味しかって、どれが自分の好みに合うてたんか、さっぱり分からん、どろかいチャンポンになってしまいますナ。

しかし、ひとつ気づいたことがあってナ。

それはやっぱし、強烈な個性を持った煙草が記憶に残ってて、おりに触れてリピートしてるっちゅうことなんやデ。

シャグ系煙草の癖して、キューバシガーに使われてるハバナ葉とおんなし味のする暗黒煙草、『スタッドオートマールスム』がその代表や。

フロリーナ、フランドリア・ブラックにゴロワーズやみなは、スタッドオートマールスムがないおりの代打に過ぎんぐらいなんですわ。

ホンマのシャグ煙草なら、やっぱり『DRUM』でやっしゃろ。

かといって、別に飛びぬけて美味しいことはあらへんのやけど。

通人なら、『マニトウ・ゴールデンシャグ』に代表される、無添加ヴァージニア系の繊細な甘味をDRUMより高く評価するかもしらんけど、テキらには際立った個性がないわナ。繊細な味で差別化を図っとんやさかい当然っちゃ当然やわな。

翻って、DRUMはほんまにむちゃくちゃ個性的な味なんですわ。似たような味の煙草には今まで出くわしたことあらへんし。

やっぱりシャグなら『DRUM』でっせ。

さて、ほたら紙巻煙草の中ではどれがいっちゃん記憶に残ってて好きかっちゅうとナ、あんたいったいなんやと思わはる?

「やっぱり、ダビドフのどれかですか?」

ダビ山ドフ吉っとんなあ。テキらは確かに美味しかったけど個性に乏しいでナ、もうあんた、あんじょう味の記憶がどっか行って、ほとんどどんなんやったか覚えてへんのや。

そやさかい、ダビドフとちゃいます。

ワタイが、今まで吸うてきた紙巻煙草銘柄の中で、最も高く評価したいのは……。

おのろいたらあかんデ。

それは『ハイライト』ですわ。

あのラム酒のカザと野暮ったい荒々しい喫味は、ワキで味わおうたて味われへんで。

テキはやっぱり名作煙草や。

その辺でハイライト吸うてるくたぶれたオッサンらは、自分がどれだけすごい煙草を嗜んでるか、ちょっとも分かってへんやろけども。

あかん。

ハイライト吸いたなってきた。

ちょっと、よこまちのコンビニ行って買うてこよ。

初めて分かってくることもあるわけや。

本年度より、パイプ喫煙者の仲間入りさせていただいたわけですけど、パイプっちゅうもんがあんた、煙草をその中で燃やかす以外に、カイロの役目するとはちょっとも知らなんだデ。

安モンのパイプで、火皿もそれほど大口径ちゅうわけやないんですけど、ぎっしり詰め込むと、とてもやないけど一回じゃ吸いきらんわ。

しゃあないよって、適当なところで、ケブリが治まったのを確認してそのまま自席に持ち帰るわけですけどあんた、中ではあんた、まだ種火がくすぶってますわなあんた。

あんじょうカイロ代わりになってあんた、手ェが温いことあんた。

一回で吸いきってまう、カピートでは想像もでけんこっちゃ。

今年の冬は、ご案内のとおり寒いよって、重宝しますわ。

よう考えたら、えろうあむないねんけどナ。

カイロ代わりになって手ェが温い反面、辛いおりもありますわ。

なんしあんた、小型の灰皿持ってうろちょろするわけでやっさかい。

ワタイらあんた、平素ぽっぽぉーっと、なんやしょうもないこと考えながらいのいてるもんで、ときおり手ェ滑らかして、パイプを取り落とすおりありますねん。

まだ火をつけてない煙草の葉ならまだしも、室内で灰をぶっちゃかしてみなはれ。

そのおりの後悔と脱力感と自己嫌悪たるや、並みならんもんがありまっせ。

かかにはえろう叱られるし。

しかしながら、そういう試練を乗り越えてこそ、立派な喫煙極道への道が拓けてくるワケなんや。

ところであんた、そろそろ『スタッドオートマールスム』が店頭に出回ってきたみたいやデ。

ワタイにはあんまし関係おまへんけど、『マニトウ・ゴールデンシャグ』も出まわってきてるみたいでっせ。

ありがたいこっちゃね。

しかし、どないしょうかな。

せんに買い求めた『フロリーナ』、封も切ったあらへんし。

暗黒煙草、ふた袋も抱えたってしゃあないでナ。

けど、テキのストックがあると、なんやしらん安心するさかいナア。