”日航機と海保機が衝突・炎上した事件について考察” | 「ぶわっ」

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 事故の詳細は省略しますが、管制官は交信記録にもあるように海保機のみずなぎ1号機へ「C滑走路の手前にある停止位置C5」へ行きなさい、と指示を出しています。しかしなぜか滑走路の停止位置のC5を通り越して滑走路へ入った海保機は滑走路上で停止する。この停止までの動きはゆっくりと離陸許可を待つ待機の姿ではなく、急いで離陸するための動きです。海保機の機長は離陸許可を得ていると確信して早く離陸しようと操縦しているように見えます。

 では海保機みずなぎ1号の機長が「離陸許可が出ていた」と誤解して滑走路に入ったとしましょう。
 一般に誤って飛行機が滑走路に入った場合はどうなるか。当然ながら事故の危険性があります。滑走路に入った飛行機のクルーは何らからの理由で勘違いしているため、自分が間違えていることにも、危険が迫っていることにも全く気が付きません。
こうした状況で事故が起きてしまった場合、100%誤侵入した飛行機が悪いので事故の全責任を追うということになるのでしょうか。

責任論は一旦置いておくとして、問題は、当たり前ですが空港の運営精神は何よりも安全を図り飛行場において事故を起こさないことです。
そのため、「安全管理」の責任は飛行機の機長だけではなく飛行場の運営をする側、具体的には管制塔などにいる管制官などの指示を出す側にもあるはずです。

もとに戻って、誤進入した飛行機があった場合、空港運営側はいち早く誤進入に気がついて当該飛行機へ「危ないから滑走路から出なさい」あるいは「すぐに離陸しなさい」など危険回避の指示をするとかすべきでしょう。
今回の場合、こうした指示は管制官から海保機へまったく出されていません。
管制官は海保機が滑走路上にいるということを全く認識していなかったと思われます。おそらく管制官は滑走路手前のC5で海保機が停止していると思いこんでいたのでしょう。あるいは、海保機がどこにいるのか、見失っていたのかもしれません。
もし、管制官が滑走路上に海保機がいることを知っていたらあるいは着陸機へ「滑走路に飛行機がいるから着陸するな」とか指示も出したかもしれません。

実際に多くの飛行場でこうした誤進入による現場を目撃した管制官が咄嗟の判断で危険回避をした事例は過去にあったはずです。

 今回の羽田での事故においても海保機は滑走路に誤進入して40秒間そのまま居たと言われています。もし管制官が海保機の誤進入に気がついていたら40秒間に打つ手はあったのではないでしょうか。むしろ、管制官は海保機の誤侵入に即座に「気が付かないといけない」立場ではなかったでしょうか。
 
 管制塔は飛行機が稀ではあっても誤進入することが「ある」あるいは「絶対に誤進入することはないとは言えない」という大前提で飛行機を誘導する仕事をしているはずです。
しかし今回の場合、海保機が誤進入してから着陸する日航機と衝突するまでの40秒間に管制塔は何も海保機へ通信していないと言われています。
この間、管制官は何をしていたのでしょうか?
その管制官への聞き取り調査情報も何ら発表されていません。
それでいながら自己責任がすべて海保機の機長にあると言うのは公正性を欠くというものではないでしょうか?

このあたり、事実を追究して報道すべきメディアは管制官や羽田空港への聞き取りや調査をしているのでしょうか?国交省やメディアの動きは海保機の機長の責任という結論を全力で作り上げているように見えます。これは由々しき事態です。

 


報道では「離陸許可が出ていた」と確信していた海保機の機長の判断が思い込みの誤りだっとされています。そうであるならば「海保機は滑走路手前で待機しているはずだ」と確信していた管制官もまたそう思い込んでいた誤認識だったという可能性も否定できません。この二重の思い込みが大事故を呼び込んだと言えるかもしれません。

 問題は空白の40秒間です。

 あるいは管制官は40秒間、海保機の居場所を見失っていたのかもしれません。
 待機場所に海保機はいないし、あれ、どこにいるのだろう、まだ、着いていないのかな、遅いな、でもそのうち来るだろう、などと思っていたのかもしれません。
 ここは想像です。
 滑走路手前で待て、と指示を出している管制官は海保機がまさか停止線を越えて滑走路に入り込んでいるとは夢にも思わなかったでしょう。もし停止線手前に海保機が見当たらない場合は、先にある滑走路ではなく、手前側の誘導路のほうを探すのは人間心理として普通です。海保機を見失って焦った管制官は、どこにいるんだと誘導路を何度も探していたのかもしれません。
 そのため滑走路で炎上、爆発が起きたのを見て管制官は何が起きたのだと呆然としていたのは当然です。そこにいるはずのない海保機がまさかそんな場所にいたとは・・・・・。自分は滑走路手前で止まれと指示したはずだ。そこに止まっているはずの海保機が・・・。
 滑走路上で海保機が炎上しているとは管制官の想像を越えていたんだろうと思います。

 このほか海保機は自分の位置を自動的に発信する最新型のレーダーを搭載していなかったと言われています。もしレーダーを搭載していれば、海保機が滑走路上にいますという信号を自動的に発信しているため、管制官の見ているモニターにも海保機の位置信号が映るだろうし、あるいは着陸しようとしていた日航機も、その信号により海保機の誤進入に気がついた可能性もあります。
 ほかにもC5の停止線に設置されている停止信号が壊れていたので機能していなかったとも言われています。この信号が正常に機能していれば海保機が自らの誤進入に気がついた可能性もあります。

  
 

 

 

 

 

    
  ●一言●
  
  羽田空港の海保機を誘導していた管制官にお聞きしたい。
  「あなたはあの40秒間に何を考え何をしていたのか?」と。
  この空白の40秒間が今回の事故を防げたかも知れないのです。
  国交省にはぜひともこのあたりを詳細に調査し公表していただきたい。