長崎、城山小学校の夏
■夏休み絵日記(8月9日・水曜日・猛暑)
長崎原爆の日、城山小学校の生徒が「子らのみ魂よ」を合唱。
もう60年以上!も前に、僕はこの城山小学校に通っていた。
幼稚園と小学1年の2年間だけ長崎市に住んでいたから。
グーグル・ストリート・ビューで家を探したら…あ、簡単に見つかる。
階段を上った右手、とっくに建て替えられたみたいだけど、
灰色の壁の二階建ての家、その場所には昔、僕の家があった。
わぁ、タイガーダンススタジオも、堤たたみ店も、
立派なビルになって、あの頃と同じ場所で営業中。
そうだ、階段を更に上って高台を10分くらい歩くと大きな公園があって
そこで何か変ちくりんな建物の工事をやってたから、
裏側をこっそり探検したことがある。
平和祈念像だなんて幼稚園児の僕は知らなかったし。
そこから左に曲がって線路と川を渡ったとこに城山小学校。
生徒が多すぎて教室が足りないから、午前と午後の二部授業だった。
窓の外、今日の関東は記録的な猛暑。
病院の予約がダブルで入ってるけど、健康のためなら暑さで死ねる?
太陽が記憶を蒸発させる。
あの変ちくりんな像の裏に、校庭の隅にあった防空壕の穴の奧に、
僕がもうほんの何年か前に生まれていたら飲み込まれたはずの、
戦争があった。




