ウチューのトチュー ~  池田モノリス -14ページ目

(0611)ソラの もう半分

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ウチューのトチュー 1テラ1ナノ物語


(0611)
ソラの もう半分


■東京タワー■(3-3)


「ねぇ、ローズさん。
このまま、デザイン学校がなくなったらさぁ…
あの3階の教室とか、大きな白板とかも
一緒に消えちゃうんだよね」

「え、何?…あ、学校」

ローズさんは
ピンク何とかっていうバンドの
抜けちゃった歌手みたいな…

あ、僕も雑誌のグラビアでしか
見たことないんだけど…
あのハンドルもブレーキも
壊れたような目でつぶやく。

「白板もスケッチブックも
昨日までのデッサンの授業も…
今日の景色と一緒に
この夜の中に全部溶けてしまう?」





東京タワーに突き刺さった飛行船は
真っ赤な煙を涙のように血のように
垂れ流し続けている。

セカイはもうとっくに
沈んじゃったみたい。

じゃ今は…
リアルの放課後かな。

見たこともないドアが
夜に浮かんでいる。

あの向こう側には
僕達の知らない教室があって
時間割のもう半分とか
始まっているのかもしれない。


------------------------------

そうだ
…昼間、大学の正門前

僕にショートツして、喉をこじ開け
そのまま千枚通しみたいに背中まで突き抜けた…

あいつも、ソラの半分?




火星語訳? 絶 賛 シ ュ ~~ ル 中!

今日の▼トチュー活動



物語の始まりを一気読み!


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(0610)自分がソラだったことを、もう思い出せなくなる。

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(0610)
自分がソラだったことを、
もう思い出せなくなる。


■東京タワー■(3-2)


「明日になったら、どこを探しても
この夜はもう見つからないわ」

「そんなの、困る。
この景色はすごく大事なんだ」

「仕方ないわ、ここは迷子の時間だもの」

そうだよね。
東京タワーと飛行船が
ソラを引っかき回すから
こんなふうにデートできたんだ。

でも、来週になったらさ
もしかして僕とローズさん …

本当の恋人同士に
なるかもしれないのに。




ブルブル!って
タワーが時々震えている。

「ねぇ、見て。アイツ、
ノッポのくせに弱虫なんだ。
カッコ付けて飛行船を突き刺したくせに」

「ハズミでソラまで切開しちゃって
あせってるのよ」

タワーが震えるたびにパラパラ。
飛行船が、そして一緒にソラが
少しずつ砕けて落っこちていく。

「僕達の夜も、あのカケラと同じ?」

「みんな取り返しのつかない
迷子の時間になって
この夜に置いてけぼり」

「自分がソラだった…とか
もう思い出せなくなる?」


------------------------------

そうだ
…昼間、大学の正門前

僕にショートツして、喉をこじ開け
そのまま千枚通しみたいに背中まで突き抜けた…

あいつも、ソラだった?






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(0609)電気ナイフの夜。

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(0609)
電気ナイフの夜。


■東京タワー■(3-1)


「ほら、ローズさん。あそこ。
駅前のビルの間の…」

「あ、高校の頃の
校舎の渡り廊下みたい」

「会社が終わった後は誰も通らないんだ」

もう仕事だって、僕達の夜の学校だって、放課後だから
脇の階段からふぅふぅ上がると

「わぁ、貸し切りの屋上みたい」

…って、ローズさんが細長い手足をバタバタ。
何か細長いキンギョみたいでヘン。

それから二人で
コンクリートの台に腰掛けて
夜にぼーっと心を放り出す。

「ねぇ、モノリス。
今夜の東京タワーって
いつもよりキラキラとんがってない?」

「うん、電気ナイフみたいだ。
モスラのマユみたいな飛行船をスパッ!
で、スナイパーを夜に撒き散らしてさ」

「でも間違ってソラまで切っちゃうから
夜もヒリヒリ痛そう。
なのに、誰も気が付かないんだから」

ローズさんは少し悲しそうな目で
タワーを見上げる。



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そうだ
…昼間、大学の正門前

僕にショートツして、喉をこじ開け
そのまま千枚通しみたいに背中まで突き抜けた…

あいつもナイフ?






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(0608)やぁ!ってセカイの終わりがやって来て、何もかも連れてってくれるよ。

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(0608)
やぁ!って
セカイの終わりがやって来て
何もかも連れてってくれるよ。


■フルメタル・ナイトメア■(1-8)


ドスン、バシャ。

ミサイルを乱射しながら
東京タワーに突き刺さった飛行船は
痛い痛いってもがいてる。

「お客さん。
あのゴム風船の仲間達は
助けに来ないんでしょうかね」

運転手はバックミラーで
東京タワーを気にかけながら聞く。

「多分、ずっとずっと奥から
ソラの子供達みたいな
ゴム風船の大群が降り注いでくるよ」

ゴトン、ガシャ。

装甲車タクシーがぶつかって壊した
ビルのカケラが時々
クルマの天井にぶつかる。

「ねぇお客さん。マヤ暦・換算だと
この世は…
近いうちに鉄筋コンクリートなんでしょ」

「じゃなくて…コンプリートで終了。
あと何十年かしたら…
やぁ!ってセカイの終わりがやって来て
何もかも連れてってくれるよ」

「恐竜たちに覆い被さった
土砂降りの隕石みたいにですか。
だけど、あの日の採掘場でも
オイラは裏切られたし…」

「う~ん、今度もこの世は
置いてけぼりかなぁ」

♪ なんだよ!セカイは消えやしないぞ。
だったら自分を消すしかない

運転手さんのシャウト…
何だか同じ匂いの話を聴いた気がする。

あ、もしかしたら地下鉄で聴いた
粘膜に刻まれた遠い星の昔話と
何か関係あるんだろうか。





♪ But it's all right, now
in fact it's a gas!

♪ だから隕石が降り注いだ午後、
オイラは決めたんだ
採掘場から逃げ出そうってさ

手袋の下からのぞく
ゴツゴツした手首が、
ピクピクと変則ビートを刻んで
赤信号を無視するから

僕とローズさんは
装甲車から脱走しようと

「あ、ここらでいいです」

…て運転席を観たら
左下のプレートに

「乗務員氏名:チャーリー・ワニグチ」

だって。

キキーッ。

「ご乗車、どうも…」

プシュー。

「…アリゲーター!」

ワニグチさんはシッポをバタバタさせて
大きな口開けて笑うもんだから

降り際のローズさんのこと
後ろから食っちゃう!

…て、僕はちょっとあせった。

ほら、浜松町の駅が見えている。

ローズさん、行くよ。



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そう言えば…

地下鉄で聞いた遠い星の出来事

…そして何処までも深く
セカイの底を掘り続ければ
やがて魂を掘り当てられる…

あの話と関係あるのだろうか?




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(0607)オイラが全部、終わるんだ!

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(0607)
オイラが全部、終わるんだ!


■フルメタル・ナイトメア■(1-7)


「ああ、そうなんだ。
ずっとずっとあの星で
オイラは絶望していたんだ」

装甲車タクシーは
暴走する万華鏡。
夢と絶望がフロントガラスで
絡み合って引き裂かれ
花吹雪みたいに飛び散る。

「あの日も、こんなふうだった。
ソラから極彩色の隕石が降り注いで
オイラは魂が吹っ飛びそうになった」

万華鏡で目隠しされた
運転手の海馬じゃ
記憶のカーブを曲がり切れない。

「地面がグラグラ割れた時分かったんだ。
きっと採掘場が砕ける。
そうしたら、この景色も消える。
オイラが全部、終わるんだ!って」

運転手は顔を両手で覆い
クルマの天井を見上げて
うめく。

わぁ、ハンドル握ってないし。

ねぇ、安全運転だよ!



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そう言えば…

地下鉄で聞いた遠い星の出来事

…そして何処までも深く
セカイの底を掘り続ければ
やがて魂を掘り当てられる…

あの話と関係あるのだろうか?




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