サパ終わってしまった | 後輩が怖すぎて食堂に行けません

後輩が怖すぎて食堂に行けません

一人生んで職場復帰したら、仕事もろくにできない後輩から「パートじゃダメなんですかぁ?」と言われて傷ついてから食堂に行けなくなったメンタル豆腐の女。いわゆるワーママ。できるかも分からない二人目不妊治療中

正直、ラストが強引だなぁと思ったのと、
芹香さんの無駄遣い感が気にならなくはなかったけど(笑)おおむね面白かったなぁ。
カタルシスが必要ではあったろうけど、あんなに大団円にする必要あったのかなぁ。
まあ宝塚だからいいのかな。

感情移入という意味では、私は実は、総統の気持ちが一番分かりやすかったかなぁ。
あの若き総統の役をやった子、大変だっただろうなぁ。でもすごくよかった。

負けたものの気持ちは勝ったものにはわからないというような台詞があって、負けても生かされるのは利用されるためだという惨めさも抱えていて。勝ち続けている人には分からない。そのひとに劣等感を抱き続け、憎しみを捨てたいと思いながらも捨てられずに、その人に憧れながらも憎み、妬む、なのに理解してほしいと願う。そんなアンビバレントな感情を抱くのってすごく辛い。でも、それは私自身、なぜか一番共感できたことかなぁと思えた。
近くにに正論をはく、キラキラしたやつがいたらやっぱりムカつくもんな。


私はダメな人間なので、実生活で一旦嫌いになったり憎いとまで思った人を許すことはないタイプなので、ラストのオバクの立場だったら総統を撃ち殺すだろうな、とも。

誰にも感情移入できない、わからない、というのが周りの意見で一致してて(笑)そう感じたならそれでいいと思うし、私もわかんないことはちょっとあった。
でも、別に演劇なんて全部分かる必要ないと思ってるので、あまり気にしない。
野田秀樹も、鴻上尚史も、唐十郎も、若い頃は理解するのがかっこいいと思っていたし、理解したふりをしていた。
でも、わかんなくていい。劇作家たちも全部分かるわけないと自身で言ってるし。
他人の考えていることはわからない。
オバクが言ったように。
他人の思考は、わからなくていい。
それでなんかふっと気持ちが軽くなった。
他人の気持ちを必要以上に推し量っても結局分からないことは分からない。

上田先生いわく、波紋を広げたいということなんで(笑)それは成功したのかなぁと思うしな。

芸術のすべてを理解することが、そのひとの価値ではないしさ。

私はいまだにピカソだってなにがいいんだか分からない。


ふと、これをなぜ宝塚で??ってことを考えていたんだけど、逆に宝塚以外でやった場合、あの総統役が吉田鋼太郎で、オバクが藤原竜也だったら??と考えてみた。
イエレナは木下杏あたりで、ノアは小栗旬あたりではいかがだろうか。(蜷川ファミリーですいません)
あ、ミレナ。
ミレナだけ宝塚出身の人がいいな。
ってかミレナだけらまどかちゃんで。かわいいから!!

想像してみよう。



うおう。

ちょっと生々しくて違うところに目がいきそう。んでもってラストは絶対にみんな死んじゃう(笑)
もうすこし端正なキャラにするにしても男性が総統をやったらただ狂っただけのマッドサイエンティストになりそうだなぁ。

というわけで、これが宝塚でなきゃ理由は生々しいと悲劇的な話になるから、かなと思った。
(んなわけない)

それにしても真風の透明感はすごい。
何もかもあきらめて生きていて、でもどこか諦めきれない何かが無意識に彼を駆り立てていて、自分の過去を知っても感情も湧かず、何かをしたいとすら思わない。それが記憶や精神を失った代償だというなら、そんな難しい役はない。なんだかんだであの設定好きだわ。
記憶を失くして兵士になったって冴羽リョウみたいと思ってちょっと笑ったのは私だけでしょう。


宝塚を見たのに小劇場(文学座とか俳優座劇場とか紀伊国屋シアターとか)を見た気持ちになって、
これは宝塚でみたかったものか?
ときかれれば、それはおそらく違うんだけど、
不思議な演劇体験ができて楽しかったなぁ。

コロナじゃなければもっとよかったな。

いやでもやっぱ、blogでわかんない、わかる、の論争してるのを読んでるのだけでも、今は本当に幸せだなぁ。と思う。

次はいつになるのかな。