メキシコでは麻薬カルテルに加え誘拐ビジネスも、『母の聖戦』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『母の聖戦』

【評価】☆☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】テオドラ・アナ・ミハイ

【主演】アルセリア・ラミレス

 

 

【あらすじ】

 娘が誘拐されたシエロは、身代金を工面し犯人側に支払ったが娘は帰ってこず更なる金額を要求される。

 

 

【感想】

 メキシコの負の一面である誘拐ビジネスを題材にした映画。手持ちカメラが主人公の後ろから追い掛けるという手法がとられ、リアルさや主人公の心情が強く伝わってくる。善意や信頼といった社会の秩序を構成する要素が崩れ、恐怖と憎しみが露呈する。社会派のドラマでありながらも、娘を探す主人公がハードボイルドに映る。殺伐とした世界の中で、母親と子供の絆だけが存在できる希望なのかも。人間を繋ぎとめる力が愛情なのか、恐怖なのか思わず考えてしまう。