菅田将暉が狂犬と化す、『あゝ、荒野 後篇』 | 平平凡凡映画評

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映画を観ての感想です。

【タイトル】『あゝ、荒野 後篇

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】岸善幸

【主演】菅田将暉

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 プロボクサーとしてデビューした新次は、勝利を重ね遂に因縁のある裕二との対戦が決まる。一方のバリカンもボクシングの才能を開花させ、自分自身を変えるために大きな決断を下す。

 

 

【感想】

 前篇では、主人公たち以外の物語が少しまどろっこしく足を引っ張っていた。社会情勢を反映させたり、新宿で暮らす人間の過去を照らしたりしていたが、やや中途半端でボクシング映画の流れを邪魔しているような気がした。ただその中で菅田将暉が輝きを放ち、映画を前へ前へと引っ張っていた。菅田将暉のための映画、と言ってもよさそうだった。そして後編でも、菅田将暉の勢いは止まらず、さらに加速していた。

 

 

 後篇は、ボクシングの濃度が上がっていく。周辺部分の物語を最小限に留めて、ボクシングシーンの熱量で勝負していた。このボクシングシーンが良くできていて、実際のボクシングを見ているような興奮を味わえる。出演者たちの頑張りをも凄かったが、カメラマンの技量に負うところも大きかったのかも。ラストシーンの爆発力もなかなかで、頭の中が空っぽになった。