猿にも諸行無常の風が吹く、『猿の惑星:聖戦記』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『猿の惑星:聖戦記

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】マット・リーヴス

【主演】アンディ・サーキス

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 新型のウィルスにより人口が激減し文明が崩壊しつつある人類に対し、高度な知性を持つシーザーに率いられた猿たちは、森の中で静かに暮らすことを望んでいた。だが元アメリカ軍の大佐の率いる部隊は、シーザーの群れに急襲を仕掛ける。

 

 

【感想】

 1作目、2作目といい流れを作って、この3作目を迎えた。1作目では知性を獲得するまでの過程が丁寧に描かれ、2作目では猿たちの内部抗争がスリリングに描かれていた。そして今回、遂に人類と猿の最終決戦が見られるものと期待していた。人類が滅亡するのは既定路線なので、少し複雑な気がしなくもないが、知的で義を重んじるシーザーの存在感は、まるで偉人のような神々しさがあって頼もしさを感じる。主人公を張るに相応しいキャラクターだった。

 

 

 今回の映画でも、シーザーの存在感は圧倒的で、より深みが加わったような気がした。ただ話し自体の流れは少し勢いに欠け、シリーズの流れを生かすことは出来ていなかった。色々なアイデアが試みられてはいるが、小ぢんまりとして大きな流れには至っていなかった。やはり関ケ原のような、天下分け目の大決戦があってもよかったのかも。「地獄の黙示録」のカーツ大佐を登場させても、映画が古びていくだけのようだった。意表を突く大ジャンプを見てみたかった。ちょっと残念。