ギリシア神話の流れを受けて、『ワンダーウーマン』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ワンダーウーマン

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】パティ・ジェンキンス

【主演】ガル・ガドット

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 周囲から隔離され女性だけが暮らす謎の島に、ドイツ軍の情報を盗んだパイロットの乗る戦闘機が墜落する。好奇心旺盛で島の女王の娘ダイアナは、パイロットを救い、人類が大きな危機に瀕していることを知る。

 

 

【感想】

 アメリカの映画界は批判に素早く反応するのか、黒人監督や俳優の扱いが不当だとされると、「ムーンライト」がアカデミー賞の作品賞に輝いたり、女性が差別されているといった意見が出てくると、「ワンダーウーマン」が製作され注目を集めたりする。孔子の教えを実践しているわけではないのだろうが、過ちを改めるのに全くはばからない。もしくは危機や批判は、ビジネスチャンスと捉える貪欲さがあるのかも。

 

 

 この映画は、女性の主人公が活躍するアクションもの。かなりハードルの高い設定ではなるが、最近のアメコミ原作の映画の快進撃を考えれば、無謀な挑戦というわけではなさそう。実際、アメリカでは「スパイダーマン」を上回る興行成績を上げているとか。主演女優のガル・ガドットも、気さくなお姉さんといった雰囲気で、今までにないアクション映画を期待させた。

 

 

 ただ観てみると、思いのほかまどろっこしかった。シリーズ1作目の宿命なのか、説明調の話しが長々と続く。前半部分の島での物語は、やや退屈で低調だった。話しが、なかなか離陸していかない。舞台をヨーロッパに移したあたりから、ようやく回転を始める。映画の流れとしては「マイティ・ソー」と組ませてあげたいが、所属する陣営が違うので、ちょっと難しいのかも。近い将来、統一王座決定戦のような展開があれば、かなり盛り上がりそう。