次も観てしまうと思う、『スプリット』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『スプリット

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】M・ナイト・シャマラン

【主演】ジェームズ・マカヴォイ

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 女子高生のケイシーは、クラスメート二人と一緒に車の中にいると、見知らぬ男が運転席に乗り込んできて彼女たちにスプレーを噴射した。ケイシーは目を覚ますと、どこだか分からない建物の一室に閉じ込められ、三人は拉致されたことを知る。

 

 

【感想】

 最近のM・ナイト・シャマランの作品の中では、ちょっと話題になっている映画。多重人格者が三人の女子高生を拉致し、ある目的を果たそうというもの。状況設定は「ドント・ブリーズ」と似ている。「ドント・ブリーズ」では盲目の男が、窃盗目的で家に侵入した若者たちを無慈悲に殺していくのに対し、この「スプリット」では23人の人格を持つ男が襲撃者となる。狭い空間の中での攻防が見所。

 

 

 ただこの映画の監督はM・ナイト・シャマランで、しかも脚本を手掛けている。そうなると、単なるサスペンス・スリラーでは終わらない気がしてくる。この辺の期待感は、出世作の「シックス・センス」以来いつも抱いてしまう。そしてM・ナイト・シャマランの凄さを感じるのは、映画をコンスタントに撮り続けていること。もちろん継続的に撮り続ける監督は多くいるが、酷評されても尚、めげることなく撮り続ける精神力には驚かされる。

 

 

 M・ナイト・シャマランの作品には、つまらない駄作も多かったりする。ラジー賞の常連扱いされることもあるが、それでもペースを乱さず映画製作を続けるのはさすが。プロデューサーの度量がでかいのか、非難の嵐に負けない心の強さがあるような気がする。どんな信念を持っているのか分からないが、打たれ強い監督だということは確かだと思う。

 

 

 そしてこの映画は、最後まで緊張感を維持しながら進んでいった。まずまずの面白さ。気になるラストのオチの付け方は、いかにもといった感じ。らしい展開だとはいえ、物語の壊し方が気に入らない人もいるかもしれない。ただストーリーの枠をはみ出したところで、ちょっとやられてしまった。M・ナイト・シャマランは、本当に貪欲な監督だと思う。