情報を巡る戦いが継続中、『スノーデン』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『スノーデン

【評価】☆☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】オリヴァー・ストーン

【主演】ジョセフ・ゴードン=レヴィット

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 2013年6月、NSAに勤務するエドワード・スノーデンは、香港の高級ホテルの一室でドキュメンタリー作家や新聞記者の前で、NSAから持ち出した機密情報について語りだす。アメリカの情報機関では、国家や企業、個人の情報を違法に収集していのだった。

 

 

【感想】

 なかなか窺い知ることの出来ない世界を、スッキリと覗かせてくれる映画。CIAやNSAといったアメリカの情報機関が、どうやって情報を集め、その情報をどう利用しているのか、その一端を垣間見せてくれる。無人爆撃機を駆使した戦争の最前線を描いた「アイ・イン・ザ・スカイ」にも通じている気がする。どうやら世界は、物凄いスピードで変容しているらしい。もはや人間に情報は扱えないのかも。情報量が多すぎる。

 

 

 主人公はスノーデン。もちろん彼の名前は覚えているし、インパクトのある情報を公開したのも知っている。ただその後、スノーデン事件の顛末や、情報機関の体制が変化したのかどうかは何も気にしていなかった。恐らく、権力者や管理者が、情報をかき集めようとする姿勢が変わったとは思えない。誰がというよりも、その地位にある人間は、きっと情報を求めずにはいられないのだろう。しかも無尽蔵に。ピラミッドの上の方にいると、世界をコントロールしたくなるはず。

 

 

 映画は、スノーデンが機密情報を暴露する過程をスリリングに見せている。無駄が少なく、端的で勢いのあるストーリー。教条的な部分だけでなく、エンターテイメント作品としても見応えがあった。そしてスノーデンが日本で勤務していたことは知らなかった。しかも日本のインフラ設備にマルウェアというウィルスを仕込んだ、というシーンもあった。果たして事実なのか。もしそうなら、日本はアメリカに金玉を握られていることになる。あらゆる国の間で、戦争は続いている。