「七人の侍」の凄さが分かる、『マグニフィセント・セブン』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『マグニフィセント・セブン

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】アントワン・フークア

【主演】デンゼル・ワシントン

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 アメリカ西部の町ローズクリークは、強欲で残忍な資本家ボーグによって支配されていた。住人たちは自らの権利を主張しようとしたが、ボーグの凶悪さの前に為す術がない。そこで夫を殺されたエマは、ボーグに立ち向かってくれるガンマンを探そうとする。

 

 

【感想】

 大筋で「七人の侍」と同じストーリーを辿っていく。リメイクなので当たり前といえば当たり前。安心して観ていられる反面、さすがによく知っている道筋を行くので、どうしても退屈してしまう。繰り返しや復習が大事なのは分かるが、似た内容の授業を何度も受けると緊張感が乏しくなる。「七人の侍」を知らずに、この映画を観ている人がちょっと羨ましかった。

 

 

 更に、比べてはいけないのだろうが、出来映えに関しては「七人の侍」に及ばなかった。主演のデンゼル・ワシントンには風格があり、ガン・アクションや戦闘シーンの見せ方にも迫力とリアリティーがあり、さすが映画の本場アメリカといった感じだった。ただストーリーに勢いがなく、特に7人の男たちのキャラクター作りに苦戦しているようだった。上映時間的に、キャラクターを膨らませることが困難だったのかも。

 

 

 町の住人の苦難も薄味で、悪役のキャラクターひとつで勝負に出ていた。部分と部分を強引に繋いでいる印象。どこか答えを見ながら回答しているようでもあり、新鮮さがイマイチ足らなかった。どうせなら思い切って、メインキャストを7人から4人に減らしてもよかったのかも。表面的に繋がる7人よりも、深く繋がった4人の男たちの物語を見てみたかった。7人という呪縛から逃れるのは大変そうだけれども。