かなりの遠回りをしてゴール、『バイオハザード:ザ・ファイナル』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『バイオハザード:ザ・ファイナル

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ぽーる・W・S・アンダーソン

【主演】ミラ・ジョヴォヴィッチ

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 人類の生き残りは僅かとなり、アリスは無数のアンデッドに取り囲まれながらも戦いを続けていた。そんなアリスに、アンブレラ社の人工知能はあと48時間で人類が滅亡すると告げ、それを防ぐためにはアンブレラ社の研究施設に保管されている抗ウィルス薬が有効だと伝えた。

 

 

【感想】

 第1作目が公開されたのは2002年というので、15年近く「バイオハザード」を引っ張ったことになる。一応、今回の6作目で終了ということらしいが、そう簡単に信じることはできない。実際に、この映画のラストシーンでは、次回作への欲が薄っすらと滲む。さすがにミラ・ジョヴォヴィッチ主演での製作は難しそうだが、もう一度最初から再始動というパターンも考えられる。「バイオハザード」はしぶとく生き続けていきそう。

 

 

 ストーリーは何とかオチを付けている感じだったが、そもそも2作目から5作目までの内容をほとんど覚えていない。1作目の勢いを利用して、ダラダラと惰性だけで進んだ物語のようだった。ほとんど他人がプレイしているゲームを、客席で傍観している気分。向かうべき結末がないのに、無理やり映画を捻り出していたのだろう。企業の旺盛な貪欲さを見た思いがした。

 

 

 そしてこの映画のストーリーは、今の脚本家などの作家チームが好むアイテムを披露していたと思う。きっとそれなりのスタッフが考え出したはず。彼らのアイデアは人工知能や終末思想、方舟や神の怒りといったものだった。もはやそこに、鬼ごっこのような無邪気なゾンビ映画は見出せない。アクションが中心のエンターテイメント映画の中に、微かな不安が紛れ込んでいた。制御の出来ない世界を厭う人が増えているのかも。無作為やランダムは受け入れられないと。