凄いところから技を掛ける、『X-MEN:アポカリプス』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『X-MEN:アポカリプス

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ブライアン・シンガー

【主演】ジェームズ・マカヴォイ

【製作年】2016年

 

【あらすじ】

 古代エジプト、神として人民を支配していたミュータントのアポカリプスは、多くのミュータントの力を身に付け、強大なパワーを操ることができた。そして5千年の眠りから覚めたアポカリプスが、1983年の世界に現れ、再び人類を支配しようと動き始める。

 

 

【感想】

 当初、「X-MEN」に対するイメージは、荒唐無稽で子供向けの内容くらいに考えていた。特殊能力を持つミュータントが世界の危機に立ち向かう、というストーリーも勧善懲悪そのままで、起伏に乏しいような気がしていた。しかし実際に観てみると、なかなかどうして面白い。バカげた話しを、ここまでリアルに味付けしてしまう腕力に、軽い感動すら覚えた。

 

 

 そして、新たな3部作となっているこのシリーズも、とうとう最終章。主演をジェームズ・マカヴォイが務め、マイケル・ファスベンダーが敵役を演じている。面白くなる予感は全くなかったが、このシリーズは現在のアメコミ映画のレベルの高さを、まざまざと見せつけていた。派手な映像だけでなく、実直で手堅いストーリーが何とも心憎かったりする。本当にエピソードの重ね方が上手い。

 

 

 この映画でも、硬軟織り交ぜて壮大で荒唐無稽な話しを力強く展開していた。圧倒的な力を持つものは、飽くなき支配欲に溺れていく。その力に引き寄せられていく者もいる。真面目に観ようと思えば、いくらでも可能。反面、80年代を意識して、気持ちよく笑わせるシーンもあった。エンターテイメントの最前線がここにありそう。アウシュビッツでその恰好はまずいと一瞬思ったが、気付けば映画の流れに乗っていた。大胆不敵な「X-MEN」。