長い旅になりそう、『ウォークラフト』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

 

【タイトル】『ウォークラフト

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ダンカン・ジョーンズ

【主演】トラヴィス・フィメル

【製作年】2016年

 


【あらすじ】

 住むべき土地を失ったオーク族は、邪悪な魔術を使う指導者に率いられ人間界に攻め込んでくる。国王の義弟であるローサーは、国を守るために奔走。魔術を使う守護者に協力を願い出てオークの侵攻を食い止めようとし、更に未熟ながら誠実な見習いの魔術師と必死の防戦を繰り広げる。

 


【感想】

 あまり話題になっていない映画。上映館も少ないので、観客はまばらかと勝手に思い込んでいたが、かなりの盛況ぶり。稼働率は結構よさそう。原作は世界的に有名なオンライン・ゲームとのこと。日本でも人気があるのかどうか分からないが、きっとファンがこぞって足を運んでいたのだろう。地方での興行力や持続力に問題はありそうだが、特定の客層にはウケそうな華やかさがあった。

 


 そしてこの映画の期待値を上げていたのが、監督のダンカン・ジョーンズの名前。日本では、デヴィッド・ボウイの息子といった方が通りがよさそう。「月に囚われた男」で話題となり、特に記憶に残っているのが「ミッション:8ミニッツ」という映画。時間がループするSFサスペンスだったが、気持ちよく騙されたというか乗せられた。「ウォークラフト」というタイトルから、何かをイメージすることはできなかったが、監督の腕とセンスに期待していた。

 


 ストーリーは、多くの人が感じたと思うが、「ロード・オブ・ザ・リング」のモノマネであり、リメイクであり、簡潔版といったところ。「ロード・オブ・ザ・リング」の暗さや重々しさを削り取り、「シュレック」風の可愛らしさを付け加えた感じ。何かに圧倒されるような凄味はないが、分かりやすく食べやすい味付けになっていた。「ロード・オブ・ザ・リング」をレトルトやインスタント食品にすると、この映画の雰囲気に近付くのかも。