【タイトル】『シークレット・アイズ』
【評価】☆☆☆(☆5つが最高)
【監督】ビリー・レイ
【主演】キウェテル・イジョフォー
【製作年】2015年
【あらすじ】
2002年、FBI捜査官だったレイは、殺人事件の通報を受け現場へと向かった。そして目にした被害者の女性の遺体は、仲のいい同僚ジェスの娘だった。茫然とするレイ、その場にいたジェスは、娘の遺体を抱きしめて絶叫する。レイは犯人逮捕に執念を燃やし、一人の容疑者を特定した。
【感想】
2010年に日本で公開された、アルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」のアメリカ版リメイク作品。アルゼンチン版の「瞳の奥の秘密」は、優雅さと仄暗さが印象に残っている。一方、今回のアメリカ版は実直で現実感のある作りになっていたと思う。気品を好むか、下世話さを好むか、どちらがいいのか選ぶのはちょっと難しい。
ストーリーには、手が加えられ表面部分は異なっていたが、大筋の流れは一緒だった。そのせいで、始まってすぐに最後の展開に気が付いてしまった。結末を知りながら映画を観るのは、少し辛い作業ではある。まっさらな気持ちでこの映画を観ていたら、どんな感想を持てただろう。少なくとも、新鮮な衝撃を味わえたと思う。改めて観ても、秀逸な結末だった。
そしてもうひとつの見所は、ニコール・キッドマンとジュリア・ロバーツの共演。東西の両横綱が千秋楽でぶつかり合う感じだった。いつも通り女王様然としたニコール・キッドマンに対して、今回のジュリア・ロバーツは同じ土俵ではなく、野暮ったさを演技力で見せきろうとしていた。普通も演じられることを、ニコール・キッドマンに示していたのかも。貫録二人の存在が、映画に抜群の安定感を与えていたと思う。