テッドとの共演が楽しみ、『デッドプール』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『デッドプール

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ティム・ミラー

【主演】ライアン・レイノルズ

【製作年】2016年


【あらすじ】

 恋人にプロポーズ、幸せの絶頂にいた元特殊部隊員のウェイドだったが、病院で末期ガンを宣告され絶望の淵に立たされる。そしてウェイドは治療法があると近寄ってきた怪しげな男の誘いに乗り、人体実験を受け入れてしまった。その結果、ウェイドは不死身の体を手に入れるが、顔は醜くただれてしまった。


【感想】

 “ヒーローもの”の快進撃が止まらない。始まりはサム・ライミが監督した「スパイダーマン」だった気がする。それまでは神にも似た圧倒的な力と、正義感を見せつけてきたヒーローが、この「スパイダーマン」以降、身近な存在になってきた。あれこれと悩み、弱さをさらけ出す。絶対的な存在が、近所の気のいい兄ちゃんになった感じ。あの“スーパーマン”でさえ、かなり親しみやすくなった。



 そして製作会社は、“ヒーローもの”の作り方を完全にものにしている。硬軟どちらのサイドからでも、映画を形にしてしまう。今や猫も杓子もヒーローの時代になってきた。ヒーローのインフレーションといった感じで、好きなセレブを選ぶ感覚で、ヒーローのキャラクターを選択できる。これからもまだまだ、新種のヒーローたちが登場してきそう。


 この映画の主人公“デッドプール”は、かなりキワモノのキャラクターだった。「アントマン」と重なる部分もあったが、こちらは更に振り切って飄々と悪の側にも片足を突っ込んでいる。かなりの毒舌とノリの良さを見せていたが、惜しいことに英語が理解できず、アメリカのゴシップや時事ネタにも疎い。そのため面白さは半減していたと思う。字幕や吹き替えでは、この映画の神髄には触れられないのかも。ただただ悔しく残念だった。